4 ビーバーブレッド(パン屋さん)
割田健一さんの提案
カンパーニュにトロトロのラクレットとシチリアワイン
惣菜店や米屋など、軒を連ねる小さな商店が人々の手の届く距離にあり、日々の暮らしを彩っていた古き良き昔。そのとき必要な分だけを買い、店主との会話に花を咲かせる。
今、そんな街に住めたらなんと贅沢なことだろう。
実は、東日本橋には似た光景を目にすることができる。「ビーバーブレッド」ができてから。
いつ訪れても目にする人、人、人。手にしているのは”まちのパン屋さん”おなじみの(とはいえ高度なアレンジが効いている)菓子パンや、名店とコラボした遊び心のある惣菜パンなど。量り売りのカンパーニュ〈マルディ グラ〉も、オープン当初から人気がある。
それもそのはず、作るのは元「ブーランジェリー レカン」シェフの割田健一さんなのだ。
「カンパーニュの作り方は、基本的に変わっていません。レカンで出す料理のソースは酸味があったので、香りはパンで楽しんでほしい。やはり、小麦粉の香りのおいしさを味わってもらいたい」と、フランス産有機小麦をベースにライ麦はドイツ産と国産の5種、全粒粉は5種をブレンドしている。
「パン作りを始めたお金がない頃でもワインは買っていました。パンと合わせるなら飲みやすさは必要」と割田さんが〈マルディ グラ〉に合わせて選んでくれたのは渋みが少なく口当たり軽やかな〈ラ・カラブレッタ カラカラ・ロッソ〉。
「家飲みは3000円くらいのワインがちょうどいい。そこにチーズがあるとうれしくなります。トロトロに溶けたラクレットを熱さのギリギリで食べるのがおいしいんです」