近年、自動車メーカーが運転レッスンを開催するケースが増えている。しかし読者の方の中には運転歴が長く今更何を教わるのかと疑問をお持ちの方もいるのではないだろうか。
では、自分の運転がより安全・快適になったらどうだろう。たとえばゴルフ場への道中、飛び出してきた野生動物を落ち着いて回避できたらスマートではないだろうか。
このような運転中に起こりうる危険な状況を想定し、どうすれば事故を回避できるか実際に車を動かし実践することで更なる安全運転につなげてもらう趣旨で行われているのがAudi driving experienceである。参加者の趣向によりいくつかのコースが用意されているが、筆者は安全運転により特化した「active safety course」を体験した。

舞台は栃木県内の部品メーカーテストコース。筆者が朝到着するとトレーニングカーとして用意されていたのは最新型のAudi S3スポーツバックとTTSクーペ。銀色のミラーカバーはAudi高性能モデルの証だ。4本出しのマフラーに思わず見とれてしまう。


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最初にインストラクターの紹介があったが、現役レーサーからモータージャーナリストまで普段雑誌やカーメディアで目にする方が一人につき数名のグループを担当する。インストラクターとの距離が非常に近く丁寧な指導が受けられるほか、日頃の運転に関する疑問にも一人一人のレベルに合わせて分かりやすく答えていただけたのが印象的であった。
この日のメニューは、ドライビングポジションの合わせ方や急ブレーキなど基礎的なものから障害物回避、滑りやすい路面でのコントロールといった発展的なものまで多岐に渡り現在のスキルを問わず楽しめるが、筆者は基本の大切さを痛感した。週の半分程度はハンドルを握る筆者であるが、急ブレーキすら正しく踏めていなかったのである。なるべく踏みたくないものであるし踏まないで済むに越したことはないが、もし今までに急ブレーキを要求される状況に陥っていたらと考えるとぞっとする。
安全の確保された場所で普段は行いたくない操作をいざという時のために習得する重要性を実感した。他にもオーバルコースのバンク走行のような貴重な体験や、1日の最後に総復習としてのタイムアタックまで用意されており楽しみながら腕を磨くことができた。

トレーニングカー、インストラクター、レッスン内容とここまで書いただけでも十分贅沢な内容であるがホスピタリティ面についても触れておきたい。昼食として用意されたのは麹町に店を構えるイタリアンレストランのケータリングサービス。自家製モッツァレラチーズが非常に美味であった。自然と他の参加者の方との会話も弾む。また休憩時間にもドリンクとお菓子が用意され、あくまでテストコースであるにも関わらずレストランかディーラーに来たかのような快適な時間を過ごすことができた。
Audi driving experienceでは非常に充実した一日を送ることができ、このような機会を設けてくださったAudi Driving Academy様、現地でお世話になった方々にこの場をお借りして御礼申し上げたい。

この記事を書いた人

冨田成俊
冨田成俊
クルマと共に過ごす豊かなライフスタイルを提案。スポーツカー、ドイツ車を中心に試乗レポートを執筆する一方で運転技術への関心も高く、各メーカーのドライビングイベントへ参加する傍らレーシングカートも嗜む。