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究極のワインラヴァーのための超高級腕時計HYT H0 オールージュ・リミテッド

ボルドーの赤かブルゴーニュの赤か

ナノテクノロジーの産物

今一度、写真を見ていただきたい。極細のガラス管が文字盤の外周を6時の位置から6時の位置までほぼ円形に巡っている。

こちらも1月のSIHHで発表された新作のH20。写真のブルーのほか、グリーンがあって、それぞれ25本ずつの限定版がある。価格は13,660,000円(税抜)。

上下ひっくり返したほうがわかりやすいだろうか? 盤面中央の下に蛇腹型のタンクがふたつ見える。タンクの左側、1号タンクには色付きの液体、右側の2号タンクには透明の液体がそれぞれ入っている。タンクの上部にはゼンマイ仕掛けの歯車機構が配置されており、この歯車機構が1号タンクを押して圧を高めている間、2号タンクはその分だけ圧を低める。

1号タンクから押されて出てきた色付きの液体は丸く湾曲した細いガラス管を12時間かけて、2号タンクの出入り口のある6時の位置までゆっくりと正確に進む。

注射器が下向きにふたつ並んでいて、そのふたつの針の先がガラス管で円形に繋がっている、と考えてもらったほうがわかりやすいかもしれない。色付きの液体と透明の液体はナノテクノロジーの産物で、分子構造が違うので決して混じり合うことがない。その境目が12時間のうちの何時であるかを示している。

色付きの液体がすぐ隣の6時の位置の2号タンクの出入り口まで到達すると、ゴールとなる。そうすると、攻守交代。今度は1号タンクはにわかに減圧、2号タンクはにわかに高圧となり、細いガラス管の全部を占めていた色付きの液体は1分かけて1号タンクに撤収、ガラス管のなかは透明の液体で満たされる。リセットされた色付きの液体は改めて次の進軍を12時間均等の速度で開始する。

より正確に時間を示すべく、分表示は12時の位置の針が、秒表示は9時と10時の間におかれたスモールセコンドがそれぞれ担う。一方、2時と3時の位置にあるのはパワーリザーブ計で、機械式手巻きのキャリバーは約65時間、不眠不休で動き続ける。

H0 Eau Rouge LIMITEDの発売は本年4、5月頃になるため、日本には未入荷である。それゆえ、記者はまだ実物を見ていない。

代わりに昨年登場したH0 ブラックの実物があったので、そちらをじっくりと手にとってみた。メカニズムと液体の組み合わせがじつになんともSFチックである。

2017年発表された「H0 ブラック」。シンプルに徹し、禅的な世界観でデザインされている。

第一印象は、大きいということである。直径48.8mm、厚さが18.7mm。デカ時計ブームをつくったパネライ・ルミノール1950はケースの直径47mmだけれど、厚さは5.5mmに過ぎない。この大きさにしては軽いともいえるけれど、絶対的には軽いわけではない。ズシリとした手応えがある。悪い意味ではなく。

ああ、今になって思うのは、なぜ左手首につけてみなかったか、ということである。「ブレードランナー2049」のレプリカントか、「ターミネーター」のT800のような気分が味わえたのではなかったか。ワインとは関係ないけど。

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