10月31日、コラヴァンの日本での第2回ブラインドテイスティングイベントがワインスクール アカデミー・デュ・ヴァン東京・青山校で開かれた。モデル11なる新製品も日本初披露された。発売は来年になる。

コラヴァンの開発者で、コラヴァン社の創業者/会長のグレッグさん。

コラヴァン開発秘話

昨年4月に日本で発売となったコラヴァンの開発者/創業者のグレッグ・ランブレヒト(Greg Lambrecht)さんが来日し、表題の通り2回目のブラインドテイスティングイベントを行なった。グレッグさんの流暢な日本語でのプレゼンにビックリ! グレッグさんはMITで物理学を修め、三菱重工のために核融合炉の設計を行なったことがあるそうで、神戸に住んでいたこともある。その後、ご本人曰く物理学が嫌いになり、MITに再入学して生物学を学んだ。

2度目の卒業後、ファイザー製薬で医療機器の開発に携わり、がん治療用の針の設計を担当。この頃、奥さんに出会い、お互いにワインが大好きだったものの、彼女は白のリースリング、グレッグさんは赤のバローロやバルバレスコのファンで、毎晩ケンカになった。

ワインの抱える大問題。

ワインというのは350年間、コルクで密閉されていて、飲むためにはコルクを抜かなければならなかった。コルクを抜くと空気が入ってくるからワインは酸化する。複雑な香りと味はだんだん失われていく。もしコルクを抜くことなくワインが飲めれば、好きなときに好きなだけ、好きなワインを飲むことができる。というのがグレッグさんのアイディアだった。

アイディアは簡単だけど、実現するのはむずかしかった。彼女が妊娠してワインを飲まなくなり、問題が起きなくなったこともある。

ここでスクリーンに映し出された写真には4人の男女が写っていて、そのうち背の高い男の子が現在19歳で身長190センチ超になっている長男だ、とグレッグさんは紹介した。そして、アイディアを得てからコラヴァンが誕生するまで、こんなに長い歳月が必要だったのです、という内容のことを語った。

開発の過程で、グレッグさんはいろんな実験を行った。ワインを6本買って、コラヴァンを使ってから1カ月後、半年後、1年後、2年後、5年後のボトルのワインと、コルクを空けていないワインと較べてみて、味の違いがわからなかったら、コラヴァンはうまく働いていることになる。

ワインの複雑な味わいに魅せられ、カリフォルニアに住んでいた頃、ナパ・ヴァレーまでテイスティングに行っていた。

コラヴァンのクリップを開いてワインボトルにくっつけ、針をコルクに挿入したら、水平以上に傾け、窒素ガスをボトルのなかには押し込むべく、スイッチを軽く押す。窒素ガスがボトルのなかのワインを押し出し、ボジョボジョとグラスへと落ちていく。注ぎ終わったら、ボトルを垂直にして針を抜く。コルクには伸縮性があるから、針によって穿たれた穴は自然に閉じて、酸素がボトルのなかに入らない。「10年後でも飲めます」と言った。

コラヴァンは2013年に米国で発売となり、翌2014年にヨーロッパに進出している。日本での発売が2017年4月と遅くなったのは、コラヴァンが本来使っているアルゴンガスの食品への使用が日本では認められていないため、新たに窒素ガスのボンベを開発しなければならなかったからだ。

コラヴァンの歴史。

米国での発売以来、この5年でコラヴァンは世界70カ国に進出していいる。製品ラインナップも、廉価版のモデル1、高級版のモデル2に加えて、オーストラリアワインや日本酒のスクリューキャップに対応すべく、ウレタンを用いたキャップも開発。スマートホンのアプリと連動した機能を持つ、新製品、モデル・イレブンも2018年に本国では登場している。

コラヴァンの登場で、レストランでは特別なワインをバイ・ザ・グラスで提供することが可能になった。コラヴァンがあれば、ひとりでも複数のワインに気軽にアクセスできるから、ワインの勉強にも有効だ。有名なワイン評論家、ロバート・パーカーJr.やジャンシス・ロビンソン、ジェームズ・サッカリングも使っている。彼らは年間1万ワイン、テイスティングする。年間1万4000ボトルもコラヴァンしたひともいるという。1万4000ボトルということは1万4000杯ということだから、1年365日で割ると、1日38杯。

とはいえ、「私のような愛好家が一番大事です」とグレッグさんは続けた。友だちのミュージシャンを自宅に招いたとき、いつもゲストに、私のセラーから好きなワインを選んできて飲んでもいい、とグレッグさんは言っている。たいていは4本ぐらい選ぶ。そのミュージシャンはなんと35本も持ってきた。「でも、コラヴァンがあるので、それも可能です」

グレッグさんは最近、奥さまが白2種類、グレッグさんが赤3種類、楽しんでいる。コラヴァンがあれば、いろんなワインを味わい、学ぶことができる。そこに価値がある、とグレッグさんは繰り返し強調した。





この記事を書いた人

WINE-WHAT!? 編集部
WINE-WHAT!? 編集部
「なんでこんなにうまいんだ!」


「フランスやイタリアの真似をして、たんにコピーをつくったところで尊敬は得られない。自然とどう関わるか」


「ワインも生きている。ブドウも土も、どれも」


「大事なのはひとの問題なんです」


「マニフィーク」



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