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チリワインの実力は、もはや世界中の愛好家が納得済み。そして、ワイン×和食のマリアージュもしかり。しかし、しっかりした個性と風格を持ち、香りや味わいに多彩かつ複雑な要素を持つプレミアムワインとなると、繊細な和食との組み合わせは難しいのでは?

そんな固定観念を心地よく覆してくれるのが、チリを代表する名門ワイナリーの特別醸造「レセルヴァ デ ファミリア」と「和の旬 輝咲(きさく)」の提案するマリアージュ。今年5月に6周年を迎える同店は、日本料理の職人、伊藤輝彦さんと女将の久美子さん夫婦が営む店だ。産地直送の新鮮な地魚を中心に、月替わりのお任せコースが5400円と親しみやすい価格、さらに単品料理に日本酒、ワインを多数用意しているところもうれしい。

今回、「サンタ カロリーナ レセルヴァ デ ファミリア シャルドネ2011」に合わせてすすめてくれたのは、あいなめのオランダ煮だ。淡白な味わいで、ほろっと口中で崩れる食感が心地よいあいなめを唐揚げにし、出汁のあんかけをかけた一皿。ほのかに油のボリュームをまとった白身魚にとろりと馴染むあんが、熟した果実のインパクトとバランスのよい樽香、滑らかな酒質のワインと口中でまろやかに溶け合う。

そして、「サンタ カロリーナ レセルヴァ デ ファミリア カベルネ・ソーヴィニヨン2013」には、和牛とたけのこの挟み焼き。噛むほどに旨みが広がる飛騨牛肩ロース肉のやわらかさ、たけのこのシャキシャキした歯ざわりの小気味よいコントラストを炭火焼の香ばしさがまとめる。和牛の持つ、ジューシーで甘味のある脂にたっぷりした果実味、シルキーなタンニンが奥行きと重層感を与える。

「このワインを初めて飲んだとき、すぐにどちらも“美味しい!”と感激しました。果実の旨みがしっかり詰まっていて、ボリュームはあるけれどまろやかで角のない味わいだから、和食ともきれいに調和してくれます」と久美子さん。
また、意外なのは個性のある春の素材とワインの相性。あいなめに添えた木の芽や、たけのこのほのかなえぐみは、日本人にとって味覚から季節を感じられる魅力ある存在ながら、一般的なマリアージュ方程式に当てはめるのは難しいように思える。しかし、味わってみると互いの風味を損なうことなく、ごく自然に主張しながら寄り添っているのが印象的だ。揺るぎない存在感を持ちながら、しなやか。そして包容力もこのワインの特徴の一つ。

事前に頭で組み立てたマリアージュのセオリーなどは一切不要。贅沢に手間を掛けて造られた酒と料理が拓いてくれた新しい出合いの世界を、先入観なしで楽しむことに専念するのが得策のようだ。

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WINEWHAT
WINEWHAT
年末はこの1年の感謝を込めてシャンパーニュを開けまして。

キリスト教とは無関係でも開けまして。

正月は新しい1年の無病息災を祈って開けまして。

あけましたらおめでとうございます〜。