第5試合 赤ワイン
トッピングがルネッサ〜ンスの決め手!
柳 全35本の試飲エントリー中、赤ワインが15アイテムと最多本数。やはりソースの甘辛さとスパイス感には赤をイメージするのが自然なようですね。最初は「プレミアム・アパジオ・ロッソ・ヴェロネーゼ」。イタリア、ヴェネト州のワインです。
ひぐち君 今、かつお節とマヨネーズたっぷりで試しているんですけど……。いいです、ともに手をつないでゴールする感じ!
太田 お好み焼には少々贅沢かと思いましたが、この価格で陰干ししたブドウを使っているワインってコスパもなかなかですね。
髙橋 アマローネのカジュアル版ですよね。さすがにアマローネほど主張が強いと料理を選びますが、アルコール感も高過ぎず、熟成による適度に枯れた感じを気軽に合わせられるところがいい。レーズンを思わせる味わいが、ソースの甘味ともマッチします。
柳 ワインの甘やかさ、ドライフルーツっぽさ、熟成感がポイントですね。
ひぐち君 アフターに玉露のようなお茶っぽさもありますね。
太田 玉露っぽさって、甘味や旨みに通じる要素です。
柳 では、「お好み焼ワイン」に進みましょう。ここまで直球のネーミングだと「またまた〜! オモシロ枠狙っちゃったんじゃないの?」とか思ってしまうけれど、いや、ダテじゃないですよ。人間素直にならないと(笑)。
太田 僕も同じく懐疑派でしたが、反省しました(笑)。赤&黒のベリー系果実にスパイスのアクセント。フルーツとタンニンのバランスが関西お好み焼にマッチします。一口、次の一口へとエンドレスなループ。温度は低めの12度ぐらいだと味わいが引き締まっていいですね。
柳 これはテンプラニーリョ主体。テンプラニーリョ主体がお好み焼に合わせやすいと考えてよさそうです。
結果発表 赤ワインとベストマッチは?
「赤ワイン」は「関西お好み焼」×ベーシックな「お好みソース」が赤ワインと基本のペアリング。品種から判断すれば、テンプラニーリョやジンファンデルが合わせやすい。
輸入元:大榮産業
製造元:カンティーナ・ヴァルパンテーナ
プレミアム・アパジオ・ロッソ・ヴェロネーゼ2011
1958年に設立され、現在約260の農家からなる協同組合。4カ月以上陰干しし、40%の水分を除去したブドウで造る、アマローネに近いスタイルの1本。熟度の高い黒系ベリーやドライフルーツの香りとほのかに甘いスパイス感。熟成により味わいの要素がまろやかに調和し、余韻にかつお節のような旨みが残ることから、出汁の風味が強いソースに同調する。アルコールが高過ぎず、やわらかなコクを持つため、マヨネーズや紅しょうがなどのインパクトのある風味にも寄り添う。
ファインズ
サン ミッシェル ワイン エステーツ
モットー ジンファンデル2014
1963年に創業し、現在米国を代表する数々のワイナリーを所有する同社が、カリフォルニアの優れた産地から厳選したブドウを使用してリリースするシリーズ。もともと、ドライプラムのような果実の甘味とスパイシーさを持つジンファンデルはお好み焼と好相性な品種。さらに、このワインが持つしっかりしたヨード香に青のりのフレーバー、アフターに残る玉露を思わせる旨みが出汁や和の甘辛さもきっちりフォローする。タンニンを抽出しすぎていない造りもマッチングの勝因に。
輸入元:国分グループ本社
ウニオ セラーズ デル ノヤ
お好み焼ワイン
スペインで醸造学を学び、同ワイナリーでワインメーカーを務める日本人女性がソースの風味や具材との相性を追求して開発した、お好み焼用のコンセプトワイン。赤や黒のベリーにオールスパイスのアクセント。フルーツ感と丸みのあるタンニンのバランスが関西お好み焼の出汁の旨みにマッチし、ほのかに青みのある香りがさらに食欲を刺激する。あまりに直球のネーミングに一同お笑い系狙いではと疑ったが、実際合わせてみて「看板に偽りなし」と深く反省&感心したユニークな実力派。