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香港は上海ガニだけじゃない!

インスタ映えする風景とうまいものを味わう2泊3日の旅

香港ワイン&フェスティバル取材のため、香港に赴いたWINE-WHAT!?は、2泊3日の香港滞在中、こんなものを食べました。大規模再開発も真っ只中。世界有数の観光都市はいま、どんなものを売り出そうとしているのでしょう。

取材協力:香港政府観光局 www.DiscoverHongKong / 香港航空 www.hongkongairlines.com 

 

スパークリング・サンセット

成田空港を朝9時40分発の香港航空HX611便に乗って、およそ3時間の空の旅。時差の関係で、ランタオ島にある香港国際空港に到着したのは13時30分だった。

それからコオディネーターのココさん(香港生まれの中国人男性。53歳)の引率で、トヨタの小型バスに乗せてもらったWINE-WHAT!?を含むプレス一行は九龍サイドのハーバー・シティにあるホテル、マルコ・ポーロ香港へと向かった。

バスから見る景色は、もうビックリ。超高層アパートメントが映画「未来世紀ブラジル」もかくやに立ち並び、巨大な橋がランタオ島と新界方面をつなぐ。香港、マカオ、中国本土の広東省珠海市を結ぶ巨大な海上のはしも建設中だ。九龍にも香港島のセントラルにも超高層ビルが増えていて、記者にとってほぼ10年ぶりの香港が大きく変化しつつあることを知る。いやはや、東京もスゴイけれど、香港はもっとスゴイと感嘆せずにはいられない。

ハーバー・シティの広報写真。海に飛び出た埠頭と埠頭の根元のビル群からなる。

マルコ・ポーロ香港ホテルは、「ハーバー・シティ」という名前の巨大な複合施設の一部をなしている。高級ファッション・ブランドをはじめとする450もの店舗と、ミシュランの星をもつレストランを含む70の飲食店、ギャラリーからなる香港最大のショッピング・モールまで徒歩数分で行ける。ハーバー・シティというのは港湾施設を、最近完成したこのモールだけでなく、マルコ・ポーロ香港を含む3つのホテル、10のオフィス・ビル、2つのアパートメント、クルーズ・ターミナルなどと一緒に丸ごと再開発してつくられた、新しい町なのだ。

チム・サア・チョイから香港島方面を見る。

そのハーバー・シティのちょっと横に、香港島のセントラルへと渡るスター・フェリーの発着場があって、元鉄道の駅だった時計台が時刻を知らせ、その先に香港文化センターやらスペース・ミュージアムやら工事中のアートのミュージアムやらがある。右手には海をはさんで香港島の超高層ビル群が見える。ここらあたりは「チム・サア・チョイ」と呼ばれる地区で、散策路も整備されている。平日の午後だというのに、スマホで自撮りしている観光客らしき人たちがたくさんいる。日差しが強くて初夏のよう。散歩にはうってつけの日だ。

広場に「フード・トラック」が2台、店を開いている。香港政府キモ入りの実験として、2017年から2年の限定で、香港ディズニーランドをはじめ、香港各地の観光スポット8カ所で、こうした屋台が点心やらスイーツやらを販売している。そのうちの一カ所がココなのだ。都市はクリーンにすればいいってもんじゃない。猥雑さも必要なのだ。と香港政府も考えているのだろう。

陸側のホテル・ペニンシュラを眺めながら甘い豚肉の入った肉まんなどをほおばり、これでイスとテーブルを置いて、ビール、もといワインも味わえたらサイコーなのに……と密かに思った。

それから歩いてハーバー・シティへと向かった。桟橋の最先端の部分に「オーシャン・ターミナル・デッキ」が増築されて、10月26日(木)から11月12日(日)まで、なのでもう終わっちゃいましたけど、「スパークリング・サンセット」というイベントが開かれていた。夕焼けで赤く染まるヴィクトリア・ハーバーが270度のパノラマで見渡せる。人間がつくり出した超高層の建造物と自然が織りなすダイナミックな景色を眺めながらスパークリングを楽しもう、というステキな企画だ。

WINE-WHAT!?が訪れた10月25日はプレスデイ。天気はサイコーで、夕焼けもバッチリ。陽が沈んだ頃、着飾ったモデル風の女の子が集まってきたりして、見ているだけでウキウキ。香港政府はこうしたイベントをガンガン仕掛けて観光を盛り上げようという作戦なのだ。

あと残り少なくなりましたが、11月1日(水)から同月30日(木)までは、「Hong Kong Great November Feast 2017」とされ、厳選グルメ情報サイトの「FeedMe Guru」では「Crabalicious(カニづくし)」と題した特別メニューを提供する。詳しくはfeedmeguru.comを見ていただくとして、ここではその一例として「夜上海(イエ・シャンハイ)」 の「Fresh Water Crab Set Menu」をご紹介する。980香港ドルで、上海ガニが1杯丸ごとど〜んと出てくる。上海ガニ、季節は10月と11月がピークで、10月がメス、11月がオスの旬とされる。

夜上海はミシュランひとつ星の名店。

この季節は、上海ガニである。

カニの甲羅にコロッケだかグラタンだかを詰めたような料理。

チキンを香ばしいお米のコーンで包んだ、お菓子みたいな料理。

それにしても、である。カニというのは無言の料理である。カニ味噌を食べるあたりまでは話が弾むが、そこから先はもう……。静かにただ夢中でカニを剥く。医食同源の中国ではカニは体を冷やすと言われる。温めるためにショウガと砂糖入りのお茶をいただく。というような雑談にも耳を貸さず、ただひたすらカニをむく。禅的境地である。組んだことないけど。
 

「夜上海」のすばらしさのひとつは、そのロケーションである。マルコ・ポーロ香港ホテル、つまり宿のホテルの6階にあるのだ。部屋に戻ると、窓から対岸の香港島の超高層ビル群が照明で瞬いているのが見える。にぎやかな音楽が聞こえてくるのは、「マルコ・ポーロ・ジャーマン・ビアフェスト」というイベントが開かれているからだ。ホテルの低層階の屋上につくられた大きなテントが同じ窓から見える。ドイツのオクトーバー・フェストが香港にやってきているのだ。こんなにうるさくては寝られんではないか……と一瞬思ったけれど、ベッドに入ったら、すぐに寝てしまった。


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