ナパ最古のワイナリー
ドイツ系移民の兄弟がカルフォルニア、セント・ヘレナの小高い丘に土地を購入し、1876年に初めてブドウの収穫と圧搾を行ってワインを醸造。以来140年以上にわたり、絶えることなく人々に愛されるワインを生産しているナパ・ヴァレー最古のワイナリー、ベリンジャー。
カルフォリニア初のワイナリーであるだけでなく、
1)熟成&ストックのためのワインカーヴを掘削
2)ポンプを使用しないで重力で果汁を移動させる“グラビティ・フロウ・システム”の導入
3)1934年禁酒法廃止後、ワイナリーツアーのため一般開放
など、カルフォルニアにおいて初!と言われる活動を次々と行ってきた、まさにパイオニア。
そんなベリンジャーの「スペシャルワインナイト Vol.2」が11月に行われたので、参加してきました。
場所は渋谷の「パティナステラ」。究極のモダン・アメリカン・クイジーヌがいただけると話題のレストランで、ベリンジャーとのかかわりも深く、日本で一番ベリンジャーのワインを販売している!?とも。パティナステラの杉浦仁志料理長と、この日のために来日したベリンジャー・ヴィンヤーズのゲストハウス、「ハドソンハウス」のエグゼクティヴ・シェフであるマシュー・ラミレス氏で準備された渾身のメニューをベリンジャーのワインとともにいただきました。
ウェルカムドリンクはベリンジャーのスパークリング、「ホワイト・ジンファンデル」。
ディナーのワインは「ベリンジャー・ヴィンヤーズ、ナパ・ヴァレー シャルドネ 2016」からスタート。
そしてペアリングのお料理は、“軽く燻製にした富士宮サーモン ワカモレとキノアのラビゴットソース”。ぎゅーっと凝縮された香味と、クリーミーな味わいが、シャルドネの爽やかさとあいます。前菜から驚きに満ち、次のお料理への期待でワクワク感いっぱい、そそられます。
次のワインは「ソノマ・コースト、ピノ・ノワール 2015」。日本人カスタマーからの「ピノ・ノワールをつくって欲しい」という要望に応えたというピノ・ノワール。
淡い色調ながらしっかりとラズベリーやクランベリーといった豊かな果実味。こちらのラベルの1番下に罹れている「BERINGER ESTATE GROWN」というのが実はミソ! ベリンジャーの自社畑、もしくは同等にケアされたブドウからワインがつくられていることを意味し、高品質にして価格をおさえたという、まさにコスパ高を誇るアイテムでもあるのです。
ペアリングのお料理は、“大分産肉厚椎茸とトリュフのリゾット”。
さあ次のワインは、このディナーが「スペシャル」というだけあって本当にスペシャルなワインが登場しました。日本未流通の貴重なワイン、「セント・ヘレナ ホーム・ヴィンヤード カベルネ・ソーヴィニョン 2000」。この日のためにベリンジャーをプロモーションするUSワインアンバサダー、デイヴィッド・シューメーカー氏が吟味し、この貴重な1本を選んでくれたそうです。
凝縮したブラックベリーや黒スグリのような果実味がありますが、17年の熟成を経ているためスパイス感がぐっと上がっている、とデイヴィッド・シューメーカー氏は語ってくれました。実際にはワインの外観は輝かしく赤黒い色調で、まだまだ若さを感じさせるものでした。
そしてメインディッシュ第2弾!?の“牛ホホ肉のパイ包み焼き ブルーチーズのソース”。しかし、こちらのワインがサービスされたらそのナゾも吹っ飛びました。
「プライベート・リザーヴ カベルネ・ソーヴィニョン 2012」。ベリンジャーが誇るナパ屈指の畑で育つ精鋭ブドウからつくられるワインで、それぞれテロワールの良いところが発揮されたトップ・ワイン。
お料理のソースに使われているブルーチーズの塩気と香りが、セント・ヘレナのカベルネ・ソーヴィニョンとの相性がよく、ベリンジャーのワインをよく知る杉浦シェフとラミレス・シェフのおふたりが熟考された賜物だということがわかりました。
デザートの、“チョコレートとヘーゼルナッツのムース”。
ワインの楽しみ方は好みによって千差万別ですが、同席した方々と目の前のワインを「美味しいね」って語りあい、その楽しい時間をシェアするのって最高。この感動に国境なし、って思わせるひとときを過ごしたのでした。