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リャマにひかれて「マーサ・クララ・ワインヤード」

ケニー奥谷のNY Winery Trips 第12回

ケニー奥谷。ニューヨーク在住のインターナショナル・ホスピタリティーインダストリー・スペシャリスト。1989年からシンガポールのウエスティン・スタンフォードホテルに勤務。その後、サイパンのハイアットリージェンシーを経て、1994年から2005年まで、ザ・プラザ・ニューヨークのアジア地区営業部長を務めた、日本人にしてアメリカホテル業界の達人だ。

そのケニー奥谷がいま、あししげくかよっているのが、ニューヨークのワイナリー。
摩天楼から、クルマで1ー2時間。美しい海と自然に恵まれたロングアイランドには、40を越えるワイナリーがあり、「ニューヨークのボルドー」と称される。
ケニー奥谷による、ニューヨーク ワイナリー探訪記第12回!

この記事はニューヨークの日本語情報紙「よみタイム」Vol.241 2014年11月1日発行号掲載の「NYワイナリー探訪 UNCORK NEW YORK」をもとにしています。

 

ハイランドキャトルもいる!

馬牧場を求めて、1978年に購入した芋畑が「マーサ・クララ・ワインヤード」の始まりだった。

オーナーのロバート・エンテンマン(Robert Entenmann)は、しばらく馬との生活を楽しんでいたが、時の流れとともに周囲がワイナリー畑へと変わっていくのを見て考え出す。そして、1995年に18エーカーだけでブドウを栽培することにした。それが、わずか4年の間に100エーカーものブドウ畑になるとは、彼自身想像していなかったかもしれない。

牧場のなごりは飼育場に見ることができる。車で通り過ぎかけて、私は思わず駐車場へ入ってしまった。珍しい動物がいたからだ。

興味津々で近寄ってみると、リャマ!

ハイランドキャトルもいる!

一緒に記念撮影をして、テイスティングルームへと向かうことに。リャマに引き寄せられたワイナリー巡りとなった。

物静かなリャマ

飼いならされたハイランドキャトル(スコットランド原産の牛)

飼育場の向こうに平原が広がる。ワイン畑とあわせて200エーカーにも及ぶ広大な土地だ。畑には130,000本ものつるがあり、冬になると、スタッフはかじかむ手でブドウをもぎ取る作業に追われる。

それでも彼らは言う。

「冬はいい季節ですよ。それほど待たずにテイステイングができますから。あわせて、ワインの勉強会、ワインにあったチョコレートの選び方、ライブコンサートなども用意しています。ぜひイベントスケジュールを見てください」

テイステイングの定番

膨大な量のブドウから造られるワインの種類はさまざま。メルロー、ピノ・ノワール、シャルドネなどのお決まりに加え、シラー、マルベク、セミヨンなど、合計14種類ものワインが並ぶのには驚かされる。

2012年産のシャルドネは、2014年度ニューヨーク・ワイン&フードクラッシックで、樫の樽を使わないベスト・シャルドネに選ばれた。

「マーサ・クララ」はロバートが愛した母の名前。週末には、フードベンダーによる食事も楽しめる。

ここは愛らしい動物たちとともに、温かさに溢れるワイナリーだった。


今回紹介したワイナリー

Martha Clara Vineyard

6025 Sound Avenue, Riverhead, NY 11901

www.marthaclaravineyards.com


この記事を書いた人

ケニー 奥谷
ケニー 奥谷
奥谷啓介。ニューヨーク在住。インターナショナル・ホスピタリティーインダストリー・スペシャリスト 。慶應義塾大学卒。
ウェスティン・ホテルズ 初の日本人学卒スタッフとして、アジア地区セールスオフィスに入社。1989年よりシンガポールのウエスティン・スタンフォードホテルに勤務。その後、サイパンのハイアットリージェンシーを経て、1994年から2005年まで、ザ・プラザ・ニューヨークのアジア地区営業部長を務める。2005年、ザ・プラザの閉館とともに退社。現在、文筆、講演、コンサルテイング活動を行いながら、ニューヨークと日本を行き来する日々を送る。

雑誌「男の隠れ家」や「日刊ゲンダイ」で連載記事を掲載。著書に『世界最高のホテル プラザでの10年間』『海外旅行が変わるホテルの常識』『サービス発展途上国日本』『なぜ「お客様は神様です」では一流と呼ばれないのか』『超一流の働き方』がある。

公式サイト:okutanikeisuke.com

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