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石田博流 ワイン ペアリングのすすめ 第一回

鎌倉野菜とアンチョビ × サントリーニ アシルティコ

ソムリエ、石田博氏にペアリングの極意を伝授していただく新コーナー。料理との相性を楽しむペアリングこそがワインの醍醐味。家庭でもその日の献立に合わせてペアリングを楽しみたいと考えるワイン好きは多いと思う。でも、そんな時に、どう選べばいいのか悩んでしまうと言う人も多いのではないだろうか。石田氏の目の付け所や発想法をオンライン体験していただき、参考にしていただければと思う。言ってみれば初心者のための、ペアリング事始め、はじまりはじまり。
石田博ペアリング

 「マリアージュという言葉は、好きじゃない」

石田博氏がそう言うのを聞いたときには少し驚いた。それこそがソムリエの仕事ではないか、と思ったからだ。

しかし、よく考えてみれば「結婚」は相性がいいことの証明ではない。3組に1組が離婚するという現在の日本では、確かに相性のいい組み合わせを「マリアージュ」と表現することに少し違和感がある。

「マリアージュ」という言葉、実はフランスのプロたちの間では使わないそうだ。「アコール(協調)」という言い方をするのが普通で、アコール メ エ ヴァン(食べ物とワインの相性)といった表現をする。

最近、よく聞く言葉が「ペアリング」だ。料理とワインをペアにするという意味。「これなら違和感がない」と石田氏も言う。主に、コース料理のそれぞれの皿に合わせて違うワインを出す場合に、この言葉は使われている。

石田氏が、ソムリエを務める「レストラン ローブ」でも、コース料理にペアリングすることができる。「ペアリングで大切なことは料理に勝たないこと」と石田氏は言う。「ペアリングは、料理を引き立てることが一番の目的。帰るときに料理が美味しかったと、お客様に言っていただいたら成功」なのだそうだ。つまり「ワイン美味しかった」ではダメ。あくまでも主役は料理なのだ。

ペアリングには、ストーリーも必要だ。コース料理は、前菜で幕が開き、メインでクライマックスになるドラマのようなものだ。ペアリングも一本調子ではいけない。全ての皿に最高の相性のワインをを出そうと考えてはいけない。クライマックスばかりが続くドラマは、疲れるだけで感動しない。ある時はすっと流す。そしてここ一番で盛り上げる。クライマックスへどう導くか、食べ終わった後にどんな感動を残したいのか、物語を作る必要があるのだ。

そんな奥深い石田氏のペアリングの世界を読者の皆様にも少しだけ体験していただこうと、「レストラン ローブ」のご協力でこの企画を始めることにした。「一皿」に合うワインを考えるペアリングの楽しさを、ぜひ感じていただきたいと思う。

そして、皆様がペアリングを考えるときに参考になる基本的な考え方なども、合わせてお伝えしていきたい。できることなら、保存版として末長くお読みいただける「ペアリングの参考書」にしていただければ幸いだ。

(石田博流 ワイン ペアリングのすすめ 第一回)
(石田博流 ワイン ペアリングのすすめ 第二回)
(石田博流 ワイン ペアリングのすすめ 第三回)
(石田博流 ワイン ペアリングのすすめ 第四回)
(石田博流 ワイン ペアリングのすすめ 第五回)
(石田博流 ワイン ペアリングのすすめ 第六回)

(石田博流 ワイン ペアリングのすすめ 第七回)
(石田博流 ワイン ペアリングのすすめ 第八回)
(石田博流 ワイン ペアリングのすすめ 第九回)
(石田博流 ワイン ペアリングのすすめ 第十回)
(石田博流 ワイン ペアリングのすすめ 第十一回)
(石田博流 ワイン ペアリングのすすめ 第十二回)
(石田博流 ワイン ペアリングのすすめ 第十三回)
(石田博流 ワイン ペアリングのすすめ 第十四回)
(石田博流 ワイン ペアリングのすすめ 第十五回)


石田博氏石田博プロフィール

合同会社Soupless代表、レストランローブ ソムリエ、社団法人日本ソムリエ協会 副会長。
1969年生まれ。数々の国内ソムリエコンクールを優勝。2000年には、第10回世界最優秀ソムリエコンクール第3位。2011年 厚生労働省 現代の名工、2014年11月 内閣府 黄綬褒章受章。同年 第7回全日本最優秀ソムリエコンクール優勝。2015年アジア・オセアニア 最優秀ソムリエコンクール優勝。2016年第15回世界最優秀ソムリエコンクール セミファイナリスト。


RESTAURANT L’aube
レストラン ローブ

東京都港区東麻布1-17-9 アネックス東麻布2F
TEL 03-6441-2862
contact@laube.tokyo
http://www.restaurant-laube.com/

今橋英明シェフ

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