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「寿司ワイン」と「お好み焼ワイン」の開発裏話

国分グループ本社マーケティング開発部の網島 隆さんが語る

寿司に合うワインということで、ズバリ「寿司ワイン」。「そないなもん、売れるわけない」と、発売スタート時は眉をしかめられることもあったという。
蓋を開けてみれば売れに売れまくった。ある料理とのペアリングに的を絞った一連のワイン開発の陣頭指揮をとる網島 隆さんの独白。

“ピッタリ”ではなく“ぼんやり”

「ペアリング」っていい言葉やなぁ、と感じたのをすごく覚えてます。

10年近く前、まだあんまり日本でペアリングという単語が定着してない頃の話です。マリアージュでなくペアリングのほうが、親しみやすい表現ですよね。

でも、国分の営業担当者としてワインと料理のペアリング提案をすると、どうも説得力に欠けてしまっていた。というのも、レストランなら、ソムリエがワインと料理とをピンポイントで合わせられます。僕は以前ソムリエもやってまして、それこそがわれわれの仕事だった。

なら、家庭では? ペアリングという経験自体がないお客さんに対しては?

出した答が、「お客さんに経験してもらうのが、早い」。

家庭でのペアリングに説得力をもたせる企画「YouFunWine(夕飯ワイン)」は、会社のみんなで流れを作り上げました。

まず、ワインを飲んだことがなく、ペアリングも知らないお客さんたち100人にワインと料理、どの組み合わせが一番か選んでもらおう。その結果をまとめて、僕らが「YouFunWine(夕飯ワイン)」として提案していこう、と。

ワインは毎年タイプ別に50種類、料理は6種類ほど用意しました。家庭用らしい価格帯として、ワインは1000~1500円に限定。そして、ペアリングは“ピッタリ”でなく“ぼんやり”合わせるのがポイントでした。カレーひとつとってもビーフカレー、チキンカレーがあるし、あ、東京なら豚肉も使いますよね。“ぼんやり”な提案ほど、「このワインはいろんなカレーに合いやすい」と大勢の人が感じてくれるんです。

この手法のおかげで、意外なペアリング提案もできました。先ほどのカレーも、当時は熟成した赤やスパークリングが合うと業界では言われてたのに、一般の方々が選んだのはフルーティなドイツワイン。誰もイメージしていなかったペアリングでした。

振り返って検証すれば、甘酸っぱさが切り口になったと分かるんですけど。

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