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教えて! ワインセラーの選び方

ビックカメラ新宿西口店お酒売り場の大宮友紀店長に聞く

日本を代表する量販店『ビックカメラ』といえば、カメラや家電製品、くすりや日用品のほか、お酒も取り扱っている。とりわけ2019年2月に新設されたビックカメラ新宿西口店のお酒売り場は圧巻の品揃え。ワインセラーの展示台数もスゴイ! 店長さんに初心者目線でうかがいました。

「お酒は世界中の人が同じものを飲んでいる。言葉は通じなくてもお酒で会話ができるから楽しい」という入社以来、お酒売り場一筋の大宮友紀店長。「ワインのプロの方は大型のセラーを選ばれることが多いです」

最初に考えるべきは収納本数

「ビックカメラは量販店ではなく、専門店の集合体という言い方をしています。カメラ売り場はカメラの専門店、家電売り場は家電の専門店です」

とビックカメラ広報の齋藤俊明さん。

「なので、お酒も専門店です。ビック酒販というグループ会社において、お酒の取扱いをしています」

なるほど圧巻の品揃えは納得です。

そんなお酒売り場を取り仕切るのは店長の大宮友紀さん。入社以来、15年間お酒売り場一筋。ワインセラーのスペシャリストでもある。さっそくセラー選びについて質問しました。

そもそも、ワインセラーって必要ですか?

「あったほうがよいと思います。ワインは生き物と言っても過言ではなく、高温と乾燥、そして光はご法度で、買った状態で放置したままだと、アッという間に劣化してしまいます。特に熟成して育てるタイプのワインには、セラーは絶対に必要なものです」

デイリーワインでも必要なのでしょうか。

「今日買ったワインを今日飲むのであれば不要ですが、特別な日に開けたいワインは買い置きしますよね。夏の猛暑の時期だと、たとえ数日だったとしても常温保存だとワインの風味は失われてしまいます」

その場合、どんなセラーを買うべきでしょうか。

「機能という意味ではどのセラーも同じだと思います。なので、セラーを選ぶときに最初に考えなければならないのは本数です。まず、ワインを何本収納したいのかを考え、その次に価格や大きさなどを考えていただくのがお奨めです。当店には6本入から280本入までのセラーを展示していますので、選択肢も豊富です」

「売り場全体では常時40台ほどのセラーを展示。同じタイプで異なるメーカーのものを比べることも可能。ぜひ足をお運び下さい!」

売れ筋は24本入り

小さいものは安い。初心者向けというイメージがあります。

「初心者というより、いままでセラーを使っていなかった方が多いと思います。ずっと欲しかったけれど、やっと買う決心が付いたというような方です。安いものは買いやすいので最初の一台として選ぶという方が多いですね。比較的お手ごろな小さなセラーでも、あるとないとでは違いますので」

6本、8本といった小型セラー。

そうすると最初は一番小さい6本がお奨め?

「6本入セラーをお考えのお客様でも、もう少し大きいセラー、たとえば12本入をお奨めする場合もあります。というのも、買い足される方が多くいらっしゃるからです。一度セラーを使うとワインはセラーに入れないと不安になる方が多く、また、ワインは飲むより買うスピードのほうが早い方が多いんです。だから、買ったワインをセラーに入れるために仕方なく飲んでスペースを空けるということがあるので、収納本数は、最初から考えている本数より少し多めのほうが慌てて飲まずにすむんです」

では、売れ筋は12本くらいの大きさのセラーでしょうか。

「売れ筋は、24本入です。結局、セラーの空きスペースが足りなくなって買い足す場合、12本入の次は20本、30本、いやそれ以上の、となる。ただ、そうなると大型セラーになり価格も高くなる。このクラスのものだと作りがしっかりしているわりには価格も10万円しません」

セラーにも流行りがあるんでしょうか。

展示中の二温度帯セラー。

「売れ筋は30本前後のこのくらいの大きさのタイプ」

「最近の流行は2温度帯セラーです。庫内が二分されていて、それぞれ別々に温度設定が出来る。白と赤とで違う温度で収納可能ですが、ワインと日本酒と、という使い方をされる方も多いです。1台のセラーで2つの温度が設定出来るとお得感がありますしね」

デザインは?

「フルフラットが流行りです。全面ガラスで中が見える。これは自分で自分のワインを見たいだけでなく、誰かに見せたいということもあるかと思います。ワインのラベルが外から見えやすいように、棚を斜めに設定出来るセラーもあります」

中・上級者向けの大型セラーは?

「すでに大型のものをお持ちの方がセラーを買い足される場合も、20〜30本クラスのミドルレンジを選ぶ方が多いです」

いきなり大型セラーを買う方もいらっしゃるんでしょうね。

「先程も申し上げましたが、セラー選びで最初に考えなければならないのは本数です。100本必要な方は100本入るセラーを買うのが最善でしょう。ただし、大型の物はどこでも自由に置ける大きさではありません。どの場所に設置するかを決めてから、そこに置ける範囲の中で選ぶのがいいと思います。

あとは重さですね。意外に見落としがちですが、ワインの重さを1本1㎏とすると、100本入るセラーはワインだけで100㎏の重さになります。これにセラー本体の重量を加えると家の床が持たない場合もありますので、そのあたりもお考え頂く必要があります。セラーを置く場所に強化板を入れたというお客様もいらっしゃいましたね」

古い木造家屋にお住まいの方は、大型セラーを1台買うのではなく、小さいセラーを複数のほうが良いと。

「それもアリだと思いますが、あくまでもお客様の環境次第。選択肢のひとつとしてそれも、ということです。セラーをお買い求めのお客様はいろいろです。初めての方はもちろん、買い替えの方、買い足しの方、機能としてもペルチェとコンプレッサーってどう違うのか、を気にする方としない方」

緊急避難は冷蔵庫を活用してください

コンプレッサーを使わないペルチェ式とコンプレッサー、おすすめはどちらですか。

「置く場所によって変わってきます。寝室なのか、キッチンなのか、リビングなのか? ワインセラーの場合、すでに置く場所が決まっている方と、場所を空ける方がいらっしゃる。多くの方は置く場所を決めていますが、たとえば寝室に置く予定で、ワインへの振動が気になる場合は音も静かなペルチェをお奨めします。

ただ、ペルチェは性能的に大型セラーには採用されにくいので小型セラーとなってしまいます。そういったご要望をうかがって、すべてお客様のご要望に合わせてお奨めするようにしています。たとえば、棚ひとつとっても、材質が木のものやワイヤー(金属)のものもある。それぞれ長所短所ありますので、それをご説明した上でご判断いただくことになりますね」

ビックカメラでセラーを買うメリットは?

「まずは価格。ビックカメラではセラーでも基本10%のポイントが付きますのでお得だと思いますよ。あと、展示されているセラーの種類の多さです。これは当店の特長でもありますが、基準を満たさないと販売はもちろん、展示すらさせてくれないメーカーさんもあります。当店はそういった基準を満たしていますので、これだけの種類を一堂に置くことができるのです」

なるほど、メーカーのショールームでは複数のメーカーのセラーを比べることができませんからね。

「配送のメリットもあります。メーカーさんの在庫状況にもよりますが、たとえば冷蔵庫を買ったあとにお酒売り場でセラーをお買い上げいただき、両方のお届け日を一緒にすれば、設置も含めて1日で済ませることができるのは便利だと思います」

冷蔵庫を先に買っちゃうと、もうこれでいいやっていうことになりませんかね。

「それもお客さまの考え方次第ですから。セラーを置くだけの、場所も予算も余裕がないことだってありますよね。そんなときは冷蔵庫を活用してください。あくまでも緊急避難的な考えですが、新聞紙を巻いて入れておけば、新聞紙の油分で保湿はできるし光も通さない。最近は保湿ができる野菜室がある冷蔵庫もあります」

こちらのお店だったら、フロアを変えて冷蔵庫を見てみることも簡単ですね。

「ただし、野菜室は引き出すタイプがほとんどですよね。振動はワインにとってはマイナスです。開け閉めの振動はもちろんですが、一緒に入れていた野菜が少なくなるとゴロゴロってワインがころがって来て思わず叫びたくなることもあります。野菜室を頻繁にお使いの方は、振動が少なく、冷蔵庫内でも温度が比較的高い、一番上の棚に寝かせるのがいいと思います」

「忙しいときは自分も売り場に立ちます。どのフロアでも手伝えますよ!」とビックカメラ広報の齋藤俊明さんが調べてくれた保湿機能付きの野菜室をもつ冷蔵庫、TOSHIBA GR-R460FZ。ワインセラーではないが、ワインの一時保管場所として利用するにはこの様な野菜室があるものを選ぶとよい。

2019年2月にビックカメラ新宿西口店に新設されたお酒売り場。ワインほか世界中のお酒が約7000種類!

試飲カウンターもある。お酒天国!

ビックカメラ新宿西口店
東京都新宿区西新宿1-5-1 新宿西口ハルク2F~7F
営業時間 10:00~21:00

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