今、シャンパーニュ地方が一丸となり、同地のワインツーリズムをブランド化するプロジェクトが注目を集めている。この取り組みのさらなる普及のため、10月25日、地方圏議会や観光局、シャンパーニュ委員会、フランス観光開発機構などから関係者が来日し、記者発表を行った。
シャンパーニュ地方のみなさん

来日したシャンパーニュ地方の皆さん

シャンパーニュ、極上のライフスタイル

もともと、フランス国内でワインツーリズムを目的に訪問する観光客の数において、シャンパーニュ地方はボルドーに次ぐ二位のポジションにある。「シャンパーニュ、極上のライフスタイル」のテーマを掲げ、2016年にグラン・テスト地方観光局の指揮のもと、シャンパーニュ委員会や観光事業者が連携体制を整えた。

このように地方を挙げて観光を強化するきっかけとなったのが、15年7月「シャンパーニュの丘陵、メゾンとカーヴ」がユネスコ世界遺産に登録されたことである。

評価されたのは、シャンパーニュを生んだこの地方のブドウ栽培・ワイン製造の文化的景観の顕著な普遍的価値。フランス国内の5県(マルヌ、オーブ、エーヌ、オート・マルヌ、セーヌ・エ・マルヌ)にまたがる、AOC地域にある320の市町村で受け継がれ守られてきた生産、製造、普及全体が評価されたことを意味している。

もちろん、これまでも個別に訪問することは可能であった。しかし、プラットフォームを設けることで、旅行者がより気軽に訪れられ、幅広い体験をすることができるようになった。

ヴィニュロンとのアットホーム交流や、レトロカーで地域を巡るプランのほか、ホテルやレストランと連携、シャンブル・ドットの利用など、選択肢が飛躍的に広がりつつあるのだ。

ジャン・ロットネールさんとマクシム・ドゥバールさん

グラン・テスト地方圏議会議長ジャン・ロットネールさんとシャンパーニュ地方ワイン生産同業委員会共同会長、ぶどう栽培・醸造業者組合長マクシム・トゥバールさん

「ユネスコ世界遺産登録後、ホテルの建設なども進み、生産者たちのなかでも、ホスピタリティを持ってゲストを迎えるという意識が生まれました。単にワインだけではなく、郷土の料理や歴史とともにシャンパーニュを体験していただきたいと思っています」と、マクシム・トゥバールさん。

「世界中で愛されているミステリアスな美酒。商品として圧倒的な強みがあるのはもちろんですが、決して商業的発想ではなく、土地を愛し伝統を重んじる造り手たちのアルティザン精神があってこそ継承できる類まれな遺産なのです。シャンパーニュへの理解が深い日本の皆さまをお迎えし、極上の体験をしていただくため、活動を広げていきたいですね」と、ジャン・ロットネールさんは締めくくってくれた。

ワインツーリズムという概念が日本でも根付きつつある今、愛好家にとって歓迎すべき本プロジェクト。文化や歴史、素朴な伝統料理に土地の人たちの温かさを含めて体験すれば、シャンパーニュへの理解と愛着はますます高まる。また、先駆的なモデルケースとして、世界中のワイン産地をリードしていく取り組みとなっていくだろう。

この記事を書いた人

WINEWHAT
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桜吹雪が舞う中で、社会的距離を取りながら

新しい季節の無病息災を祈って

今日もワインを開けてみよう

明日も新しいこと、やってみよう