イギリスの諜報部員ジェームズ・ボンドの好きな飲み物といえば、ワインではなくてマティーニである。それもステアじゃなくてシェイクで。とはいえ、お食事中はワインでしょうね、当然。

ボンドのお好きなクルマといえば、アストン・マーティン。その最新モデルがアストン・マーティンDB11である。第86回ジュネーブ・モーターショーで発表されたこれは、1913年創業のアストンにとって「セカンド・センチュリー」計画の第1号製品になる。

スリークでグラマラスなボディは、アストンDBシリーズの伝統に則り、現行モデルをさらに劇画的にといいますか、ドラマチックに変貌させたもの。まったくもってトラッドだけれど、ビューティフルで男っぽくてカッチョいい!

ダニエル・クレイグ演じる007は次もつくられるから、必ずや愛車として登場するだろう。「スペクター」に出てきたDB10もカッコよかったですけど。

DB11は、つり目のLEDヘッドライドにはもしかして賛否あるかもしれないけれど、グリルが50〜60年代のDBシリーズみたいに古臭くなったところがオーセンティックで、アストンを好むタイプの気持ちがわかってらっしゃる。AピラーからCピラーへと1本でつながっているようにも見えるルーフのデザインが個性的だ。

ボディの中身は、アルミ材を接着材で組み合わせたプラットフォームに、新設計のV12エンジンを搭載する。2013年に提携したメルセデスAMG製のはずだが、アストンの発表によれば「Designed in-house」である。メルセデスAMGのV12ツインターボは6ℓで、S65用だと、最高出力630psと最大トルク1000Nmというトルクの塊的性格を持つ。

DB11のそれは同じV12ツインターボながら排気量5.2ℓに縮小されている。でもって、最高出力608ps、最大トルク700Nmを発揮する。リッター当たり馬力はなんと! S65の105psに対して、DB11は117ps。GTスポーツカー用に設計された12気筒なのだ。なんともうれしいではないか(ま、下々には関係ない話とはいえ)。ワイン好き用のサイトを読むひとは無関心であるかもしれないことを長々と書いていますが、ギアボックスはZFの8速オートマティックである。

DBモデルとしては史上最もパワフルな生産モデルとなったDB11は、予想数値ながら最高速200mph、ということは320km/h(!)、0−62mph(99.2km/h)加速3.9秒と発表されている。スプリントより最高速狙いのセッティング、といえるけれど、フツウのクルマに較べたらメチャクチャ速い。ジェームズ・ボンドにふさわしい。

価格はUKで£154,900、USAで$211,995と発表されている。3月上旬の為替レートだと、英国でおよそ2500万円、アメリカだとおよそ2400万円ということになる。

200年目に向けてのサラブレッド・カー・メーカーの旅路は始まったばかりだけれど、ご安心。大メルセデスとの提携の恩恵で、最新のインフォテインメント・システム、つまりカーナビを含む通信能力をDB11は備えている。大メルセデスがついているのだから、大船に乗ったも同然だ。AMGユニットは、次のV8ヴァンティッジにも、将来登場するであろうSUVにも搭載されるに違いない。