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ワインにおいしいパンとチーズがあれば

トリニティ(三位一体)を求めてトーキョー注目のパン屋さん5軒とチーズ屋さん2軒に聞きました

ワイン好きたる者、おいしいパンとチーズにワインがあれば、言うことなし! 
シンプルだからこそ、そのセンスが問われる三位一体のおいしさの実例を、パンとチーズ、それぞれのスペシャリスト7人に聞きました。

文:中島由貴/秋山 都 写真:松井康一郎 構成:秋山 都

1 グッド・スリープ・ベイカー(パン屋さん)

小林由美さんの提案

ワイン:シャンパーニュ ジャカール ブリュット・モザイク 6,000円(税別)/国分
パン:オートミールブレッド/good sleep baker
チーズ:ブリア・サヴァラン
ジャカールは1800ものブドウ栽培農家から成る生産者組合のフラッグシップブランド。シャルドネ、ピノ・ノワール、ムニエの巧みなブレンドによりバランスのとれた味わいを造りだす。「グッド・スリープ・ベイカー」のオートミールブレッドとブリア・サヴァランをお供に。

オートミールブレッドとブリア・サヴァランとシャンパーニュ

パン屋さんといえば朝早くから開店している印象があるが、「グッド・スリープ・ベイカー」は夕方6時から深夜1時(平日)まで営業。店名を略して「グッスリ」とも呼ばれる“夜のパン屋”さん。

店主の小林由美さん。音楽活動の傍らクラフトビール屋で働き、その経験をもとに「グッド・スリープ・ベイカー」を2016年6月オープン。

店主ぼ小林由美さんはクラフトビール専門店で働いていたこともあり、ビールに合うパンを模索。ビール酵母でパンを焼いたり、キャラウェイ・シードやパクチーなど、スパイス&ハーブを使ったパンを得意としているが、今回のワインとパンとチーズのトリニティで選んだのは、やはりシュワシュワとクリスピーなシャンパーニュ〈ジャカール ブリュット・モザイク〉。

「最近クラフトビールでもBRUTIPAというドライなタイプが造られていますが、やはりシャンパーニュは別格のお酒。飲んでいて気分が華やかになりますね」という小林さんが組み立てたのはオートミールブレッド、そしてブリア・サヴァランという布陣だ。

「シャンパーニュののど越しの良さを大切にしたいから、オートミールと全粒粉を混ぜたパンを。グルテンが強すぎず、フワッ、ホロリという触感が楽しいパンです」

そして合わせたチーズもやはりなめらかな口溶けが心地よいフレッシュタイプのブリア・サヴァランだ。

「ミルクのほのかな酸味と、小麦の味と、そしてシャンパーニュの果実味が余韻となって残りますね。夜遅く、そっとひとりで楽しみたい取り合わせです」

クラフトビールは毎日3~4種類をドラフトで提供し、ビールに合うつまみも大人気。パンはイートインのほか小売りも。

good sleep baker(グッド・スリープ・ベイカー) 
東京都世田谷区世田谷4-13-20 松陰PLAT 1F-D
tel.050-7128-3201
営業時間 
[月・火・木・金・土]18:00〜25:00
[日]15:00〜22:00
休日 水

2 チーズのこえ(チーズ屋さん)

今野 徹さんの提案

ワイン:十勝ワイン 清見 2,980円(税別)/チーズのこえ
チーズ:「幸」(しあわせチーズ工房・足寄) 100g 990円(税別)/チーズのこえ
パン:ごまパン/馬場FLAT(高田馬場) 
北海道足寄町「ありがとう牧場」の牧草牛乳、それも5~11月の放牧期の生乳で製造する長期熟成のチーズ「幸」。濃厚な味わいに、ワインとパンにもそれなりの力強さが欲しくなる。

足寄の牧草牛乳のチーズと道産小麦のパンと十勝ワイン

北海道農政部、農林水産省での勤務を経て、北海道の農業者との広いネットワークを構築した今野徹さんが2015年11月にオープンした北海道産ナチュラルチーズの専門店。道内約40軒もの生産者から送られてくるチーズはフレッシュなタイプからハードなものまで色とりどりで目移りしてしまう……。

「お好みや用途、普段のお食事まで伺い、その方に最適なチーズをおすすめしています」と、オーナーにしてチーズ・コンシェルジュの今野さん。

オーナーの今野徹さん。毎月第2・4土曜日には農家から直接取り寄せた野菜やくだものをそろえる「清澄白河おやさい市場」も開催。

お供にはやはり北海道産ワインがおすすめなのだろうか?

「チーズとワインのマリアージュにはいろいろなセオリーがあるかと思いますが、今日は『幸(さち)』を、というお話でしたので、同じ十勝産の『十勝ワイン 清見』を合わせました。

『清見』は仏産ブドウのセイベルをクローン選抜したヴァラエティですが、ほどよいタンニンが『幸』のコンテチーズを思わせるコクとマッチするのでは、と。パンは同じく道産小麦を使用したごまパンを選びました。ボリュームもあって、これから冬に向けて美味しく味わっていただけるのでは」

北海道、そして十勝のテロワールを存分に味わえる組み合わせだ。

清澄白河の店にはチーズを求めるお客が引きもきらない。もうひとつの人気商品はソフトクリーム。

チーズのこえ
東京都江東区平野1-7-7 第一近藤ビル1F
tel.03-5875-8023
営業時間 11:00〜19:00
休日 不定

3 ブリコラージュ ブレッド&カンパニー(パン屋さん)

生江史伸さんの提案

ワイン:カーゼ・コリーニ バルベーラ アキッレ
ブレッド:ブリコラージュ ブレッド1/4個400円~(税別)/bricolage bread & co. 
チーズ:アトリエ・ド・フロマージュ ブルー 
「ル・シュクレ・クール」のレシピを元に北海道小麦やライ麦など国産素材だけを使った「ブリコラージュ ブレッド」にブルーチーズ、オーガニックはちみつとオリーブオイルをたっぷりと。お供に、自然農法で造られている希少なパルベーラ アッキレを添えれば、極上の食事に。

炊きたてごはんのようなパンと軽井沢のチーズとバルベーラ

炊きたてのごはんを口にしたときのようなパンに出会える店がある。

六本木・けやき坂の景観にフィットしつつも、和める雰囲気を放つベーカリー&カフェの「ブリコラージュ ブレッド & カンパニー」だ。舵を切るのはミシュラン二ツ星獲得店「レフェルヴェソンス」のシェフ生江史伸さん。

朝は必ずパンという生江史伸さん。震災後に訪れた宮城県女川町での炊き出しで岩永さんと出会い、「bricolagebread & co.」が生まれた。使う素材は、生江さんが現地へ行って確かめた、志が高い生産者のものばかり。

その彼が「東京は海外からの玄関口。日本のレベルを表現するには彼しか思いつかなかった」とパン監修の大役を任せたのはブーランジュリ「ル・シュクレ・クール」のオーナーシェフ岩永歩さんだ。

店名を冠するパン〈ブリコラージュ ブレッド〉は、ふたりの会話と試行錯誤を重ねて完成した代表作。

「親交のある滋賀県日野町の農家さんが作るディンケル(小麦の原種)、北海道の全粒粉やライ麦を使用。日本産の粉100%だからか、自分の一部にさえなってくれるように体になじむパンです」の生江さんの言葉どおり、食べてみると私たちの口にしっくりとくる。

合わせるチーズは、軽井沢にある「アトリエ・ド・フロマージュ」のブルーチーズを。

「青カビ独特の旨さがあって刺激はちょうどいい。体になじむ感じは、ブリコラージュ ブレッドのよう。舌でとろけていきます」

そして幻のバルベーラ〈カーゼ・コリーニ アキッレ〉で華を添える。

「バルベーラ100%で、厚みのある果実味と複雑味はありながらも酸はひかえめ。深い余韻が楽しめます」

3つのうちなにかが際立つことのない。まるで和食が胃袋に入っていく感覚さえ頭をよぎる、どこかほっとする組み合わせだ。

けやき坂に面した扉から入ると、岩永さんがプロデュースした国産小麦の全粒粉を使ったパンがずらりと並ぶベーカリーエリアが。奥へ進むとオールデイダイニングが楽しめるレストランスペース。

今年6月にオープンしたばかりというのに、老若男女問わずパンを求めに来る人が1 日中途絶えない。

ブリコラージュ ブレッド&カンパニー
東京都港区六本木6-15-1 けやき坂テラス1F
[Bakery]tel.03-6804-1980 [Cafe/Dining]tel.03-6804-3350
[Bakery] 11:00 〜20:00 [Cafe/Dining] 9:00〜20:00(L.O 19:30) 
休日 月

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