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アルゼンチンの「土地を愛す」という名のワイナリー訪問記

アンデスに抱かれた土地でバイオダイナミック農法によりアルパマンタはつくられる

成田空港から飛行機を乗り継ぎ乗り継ぎ、約40時間。
雪を冠するアンデスを越えたどり着いた先は、世界でも注目を浴びるワイン産地アルゼンチン、メンドーサ。

パタゴニアの広大な土地に2005年、「至高品質のワインをつくること」「単一畑農園であること」「最高水準のオーガニック/バイオダイナミック農法を用いること」をミッションとして設立されたのがこのアルパマンタだ。

その歴史は18世紀、世界でも最も伝統的なワイン産地のひとつであるモルドバ共和国にワイナリーを設立したザイン・ウィトゲンシュタイン家にまでさかのぼる。CEOのアンドレイ・ラズモヴスキー氏とそのパートナーであるいとこのアンドレ・ホフマン氏はその直系子孫だ。そして、もうひとりのパートナーであるジェレミー・ドゥルクール氏はフランス出身。この近しい友人3人によってアルパマンタは開かれた。

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どこまでもまっすぐに伸びる道。果てしなく広がる空。

メンドーサ市街から高速道路を走ること30分ほど。舗装道路はなくなり、ぬかるんだ道を走り続けて、橋のない小川を渡ると、見渡す限りブドウ畑。にぎやかだった市街地から離れ、関係者ですら近づくことが難しいアクセスをあえて維持しているのは、徹底した環境への配慮からだ。

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CEOアンドレイ・ラズモヴスキー氏

アルパマンタという名前は、原住民の言葉で「Love the earth(土地を愛す)」を意味する。ブドウ栽培にオーガニックおよびバイオダイナミック農法を取り入れ、自然との共存を図る。

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化学肥料や殺虫剤、防カビ剤等は使用しない。徹底した環境配慮を実現。

ブドウ畑の一角には、ハーブ畑がある。「健全な環境に配慮することを怠らない」このワイナリーでは、堆肥も草花からつくりだしている。バイオダイナミック農法を徹底しているのです。

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自家栽培したハーブを乾燥させ、保管。

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バイオダイナミック農法にのっとり調合、保存。

畑では健全な生態系を維持するため化学的殺虫剤や肥料は一切使用しない。
鶏が害虫を捕食し、牛やヤギが雑草を食む。動物たちもワイナリーを支えている。

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収穫前のマルベック。農薬散布を行っていないので、健全なぶどうを味わうことができる。

アルゼンチンのワイナリーは標高が高い土地にあるのが特徴だ。低いところでも300m。アルパマンタは標高950mの地にある。標高が高いということは昼夜の気温差があることを意味する。気温差があるということはぶどうの糖度が高まるということだ。

年間降水量も少なく、さらに水はけのよい石灰質沖積層土壌で育てられるブドウはマルベックが中心となる。そのほかカベルネ・ソーヴィニョン、シラー、メルロー、カベルネ・フラン、プティ・ヴェルド、シャルドネ、ソーヴィニョン・ブランが育てられている。

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アルパマンタ プレヴァ 2015 ロゼ シラー
澱とともにフィルターかけせずボトリングされたワイン。いわゆる「濁り」で、「飲む前に振ってください」と表記されている。
きゅんとするフルーツ感。フレッシュでクリーミーな口当たり。

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アルパマンタ プレヴァ 2015 ソーヴィニョン・ブラン
前述と同じノンフィルター。こちらは樽発酵。弾けるフレッシュさもありながら、ピーチや甘いミルクの香りを持つのは樽由来か。
284本のみの生産、ワイナリーの外で飲むのは難しい。

ご参考
http://mot-wine.mottox.co.jp/winery/publish/html/1136.html

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