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シャンパーニュ醸造の基礎

シュワシュワのワインはいかに生み出されているのか?

Recette 6 アッサンブラージュ

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VISUEL IMPACT – Collection CIVC

アッサンブラージュとはブレンド作業を差すフランス語。シャンパーニュの醸造において、もっとも重要な行程である。

クリュや品種の異なるワイン、それからノンヴィンテージの場合には、過去に醸造し、取り置きしていた各種のリザーヴワインを組み合わせ、シェフ・ド・カーヴ(セラーマスター=醸造責任者)の指揮のもと、それぞれのメゾンのスタイルに準じた味わいを構築する。

最終的な決定は収穫翌年の3月か4月頃に下され、メゾンによっては、100以上の異なるワインをアッサンブラージュすることも珍しくない。

古いリザーヴワインはわずか1%の割合でも全体に及ぼす影響が大きく、アッサンブラージュには長い経験と鋭敏な感覚が必要とされる。

Recette 7 ティラージュ

瓶詰めのことだが、シャンパーニュの瓶詰めは通常のワインとは少々違う。ボトルの中で再度アルコール発酵させるため、アッサンブラージュされたワインに、リキュール・ド・ティラージュと呼ばれる液体を加えたうえで打栓する。

リキュール・ド・ティラージュとはワインの中に糖と酵母を溶かしたもので、通常、1ℓあたりおよそ24gの糖が加えられる。糖はビーツ(砂糖大根)かサトウキビから精製されたものに限られる。

これらを瓶に詰めた後、一般にはポリエチレン製の澱溜まりをつけた王冠で打栓するが、一部のメゾンではコルク栓も用いられている。王冠でも通常の熟成にはなんら問題ないものの、10年を越えるような長期熟成にはコルクのほうが好ましい。

Recette 8 瓶内二次発酵

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TOR EIGELAND – Collection CIVC

ティラージュの済んだボトルはカーヴに移され、横置き状態で積み重ねられる。積み重ねた段と段の間に「ラット」と呼ばれる細長い木の板をかませるため、この状態を「シュール・ラット」という。

ティラージュの際に加えられた酵母が糖を分解し、新たにアルコールと炭酸ガスを生み出す。しかしながら、王冠やコルクで密閉された瓶の中では炭酸ガスの逃げ場はなく、ワインの中に溶け込んでいく。

1ℓあたり24gの糖から生じる炭酸ガスの圧力は、摂氏10度で約6気圧。アルコール度数は1〜1.5度ほど上昇する。

Recette 9 瓶内熟成

瓶内二次発酵にはおよそ6〜8週間かかる。発酵が完了すると、糖を分解し終えた酵母は澱となって、横向き状態の瓶の側面に沈殿するが、この澱は自己分解してアミノ酸を生み出すと同時に、シャンパーニュにトーストのような香ばしいフレーバーを与える。

澱との接触時間、つまり瓶熟成期間が長いほどシャンパーニュには複雑なフレーバーが生まれ、味わいの奥行きも深くなる。規定では、ノンヴィンテージで最低15カ月(そのうち12カ月は澱とともに瓶熟成)、ヴィンテージは3年間、カーヴに寝かせることが義務付けられている。

ただし、大手メゾンの多くではそれ以上の長い期間、熟成させるのが普通である。

Recette 10 ルミュアージュ

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Michel GUILLARD – Collection CIVC

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Philippe MAILLE – Collection CIVC

瓶内熟成を終えたシャンパーニュは、澱を取り除く必要がある。横向きで熟成させるのは、澱と液体との接触面積が広がる点では好都合だが、澱を除くには不便なので、一旦澱を瓶口に集めなければならない。この際、行う作業がルミュアージュ(動瓶)である。

昔ながらの方法では、ピュピートルと呼ばれる穴の空いた木の板にボトルを挿し、これを職人が8分の1、または4分の1ずつ回しながら徐々にボトルを倒立させ、澱を瓶口に集めていった(写真下)。

倒立したボトルの状態をシュール・ポワントという。

現在このような手作業によるルミュアージュは大型のボトルや、特殊な形のボトルに限られ、大部分が「ジャイロパレット」と呼ばれる機械によって行われている(写真上)。

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