令和の改元後初の新春を迎えた睦月、大寒の1月30日、日本ソムリエ協会主催の第9回J.S.A.ソムリエ・スカラシップの最終審査が行われ、未来のワイン業界を担うフレッシュな3名が優秀者として選ばれました。

次世代を担う若きソムリエたち

今回で第9回目を迎えた日本ソムリエ協会の「J.S.A.ソムリエ・スカラシップ」とはどういうものか?

同協会のホームページにはこう書いてあります。

ソムリエ・スカラシップ開催の目的
スカラシップは次世代を担う若手ソムリエの育成、および全日本最優秀ソムリエコンクール強化選手の選考を目的としています。

将来のワイン業界を背負う若きソムリエの育成、業界の活性化を目的とすると同時に、3年ごとに行われるA.S.I.世界最優秀ソムリエコンクールの日本戦でもある全日本最優秀ソムリエコンクールの前哨戦とも言えるでしょう。

20歳以上、27歳以下という年齢制限もあるため、各選手の経験にも限りがあるものだろうと思っていましたが、さにあらず。若手といえど、みなさん、勉強されていますし、現場でものすごく揉まれている印象を受けました。

若きソムリエたちは、まず2019年11月28日に全国13会場で1次審査が行われました。1次は33名が通過、2020年1月20日、東京で開かれた2次審査で5名に絞られ、1月30日に最終審査に進みました。

最終審査は公開となり、スピーチ、英語かフランス語でのアペリティフサービス、グラスワイン対応、テイスティングといった課題に挑みました。そして、3名の選手がソムリエ・スカラシップに選ばれたのです。その3名のホープたちをご紹介します(順不同)。

山田琢馬さん(26歳) 
パレスホテル東京勤務

山田選手はパレスホテル東京に勤務する26歳。J.S.A.ソムリエ・スカラシップへの挑戦4回目にしての栄冠です。このスカラシップに挑む若者たちの層がいかに厚いかを想像させます。そしてその厚さに屈しなかったチャレンジング・スピリットは称賛に値します。

公開審査の課題のひとつの自分自身のソムリエとしてのアクションプラン(行動計画)を語るスピーチでは、自身のソムリエとしての情熱を語っていました。特に印象的だったのは、職場の上司や先輩への感謝です。こうしてコンクールに出場できたのは、先輩たちの応援の賜物、だからこそ結果を出して恩返ししたいそうです。

そして、この結果を糧にますますの精進を重ね、お客様へのサービスを向上させることで還元したい、と語っていました。

第9回J.S.A.ソムリエ・スカラシップに選ばれたことで山田琢馬ソムリエを取り巻く環境にますますの好循環が生まれることが期待できますね。

河リョウさん(28歳) 写真真ん中
エノテカ株式会社

ふたりめは河リョウ(はりょう)選手、28歳、エノテカ株式会社勤務。選考者から、河選手の名前が挙がった際に、思わず河選手の目に涙が浮かびました。その美しかったこと。

アクションプランでは、職場でお客様を対象にワインセミナーを行い、ワインファンを増やしていること、ライバルでもある同世代のソムリエたちと切磋琢磨しながらワイン業界を盛り上げていきたいことなどを語りました。

それにしても、河さんには会場全体が和まされました。すでに多くのファンを魅了しているに違いない河選手のこれからにも注目です。

大葭原風子さん(27歳)
ティエリーマルクスジャパン

そして最後に選ばれたのは、大葭原風子(おおよしはら・ふうこ)選手。公開審査・最終面接の選択言語でフランス語を選んだ唯一の選手でした。

学生時代の留学とワーキングホリデーを利用した2年間のフランス滞在経験により流暢なフランス語を話されました。物腰が柔らかく、また臨機応変な対応が必要な現場での適応力がうかがえました。

現在は上司や先輩の背中を見ながらのステップアップの段階と語る大葭原ソムリエール。これまで学んだ知識や経験が、職場、お客様、そしてワイン業界へと還元される姿が目に浮かびます。

日本ソムリエ協会のホームページには、「スカラシップ(奨学制度)の名の通り、受賞者は当協会技術研究部が用意する研修およびセミナー、トレーニングを受け、次のコンクールへ向けて準備をしてゆきます」ともあり、今回選ばれた3名はますます洗練されたソムリエへと成長してゆくこと、そして世界最優秀ソムリエコンクールという大舞台への挑戦が期待されます。

未来への扉をみずから開いた3名のソムリエの方々のますますのご活躍を祈念しています。

おめでとうございます!

第9回J.S.A.ソムリエ・スカラシップ最終審査結果発表のようすはこちらを↓
https://www.facebook.com/sommelier.jp

この記事を書いた人

須藤千恵子
須藤千恵子
語学留学など世界複数国に滞在するなかで異文化と触れてきた経験と、帰国後にワイン輸入販売社勤務経験から、ワインと食の在り方など、独自のPR活動を行う。(社)日本ソムリエ協会ソムリエ、(社)日本ソムリエ協会SAKE DIPLOMA、(社)日本フードアナリスト協会フードアナリスト。