アルザス在住ということもあり、アルザスでワイナリー巡りをしているのだが、今回はBalbronn村にあるANSTOTZ ET FILSへ。こちらの村は人口が約650人ほどという小さな村。ストラスブールからは車で30分ほどで行けるが、交通公共機関では行く事ができない。

実はこちらはこの村に一軒しかないワイナリーで、数本自然派ワインの生産とクラシックなワイン生産をしている。ワイナリーさん曰く、昔は3軒ほどワイナリーもあったそうなのだが、今は1軒だそうだ。

アルザスワイナリーの中では、領主が代わるタイミングなどでワインの生産が自然派に変わるワイナリーなどもあるが、最近、自然派ワインが流行ってきているためか、数本自然派ワインを生産しているワイナリーさんもいる。

こちらはそんなワイナリーだ。

Balbronn村 

村のはずれにある、とてもモダンなワイナリーだった。

Balbronn村
 
Balbronn村
 

15haの畑で、オーガニックワイン生産のワイナリーだ。そのうち何本か自然派ワインの生産もしている。

ANSTOTZ ET FILS
 
ANSTOTZ ET FILS
 

まずはピノブラン。アルザスはピノブランとピノオクセロワをどちらもピノブランと呼ぶことがある。クレマンダルザスに使われることが多いためか、あまり見かけないかもしれない。かなりすっきり、辛口ワイン。

ピノ・ブラン 

こちらはミュスカ。アルザスミュスカは香りがよく、けれど辛口というのが特徴だが、こちらのミュスカは味わいもほんのり甘口だ。

このフルーテイなミュスカの香りはぶどうの皮の香りなんだそうだ。私は香りがフルーテイなミュスカはどうしても心理的に、頭の中で甘口ワインという気がしてしまうので、こちらのワインのようにほんのり口の中でも甘い味が広がるミュスカの方が好みだ。これはあくまでも個人的意見なので、通常はこのフルーテイな香りで、スッキリ辛口というのが本来のアルザスミュスカの特徴だ。

ミュスカ 

こちらはピノバリック。ピノ系品種のアッサンブラージュを18カ月バリック(木樽)で熟成したもの。 ピノノワール15~20%、ピノオクセロワ30%、そしてピノグリ50%。

ピノ・バリック 

ARGENTORATUMとは、ストラスブールの昔の名称のこと。

ストラスブール近郊のアルザスワイン街道の村のワイナリーがアルザスワインのプロモーションのためのアルザスワイナリー共同組合があり、その各ワイナリーで作られるアッサンブラージュのワイン。50%リースリング20%ピノグリを入れると言うのが決まりだそうだが、後は好きなように混種にしていいそうだ。こちらのワイナリーではミュスカやゲヴェルツラミネールなども加えているそうだ。

ARGENTORATUM 

こちらが自然派ワインのラインアップ。しっかりNATURE(自然)と書かれている。

自然派ワインのラインアップ 

自然派ワインの中で私のお勧めはこちら。ミュスカのスパークリング。

アルザスにはクレマンダルザスというシャンパンと同じ製法で、主にピノブランやピノオクセロワベースのスパークリングワインがあるが、こちらは又それとは一線異なるスパークリングのワインだ。

ミュスカのフルーテイな香りで、味わいは辛口でスパークリングワインという、かなり珍しいワインだ。

アルザスワインは200軒くらいのワイナリーのワインを飲んでいるが、ミュスカのスパークリンを見たのはまだ2軒だけなので本当にあかなり珍しいワイン。

ミュスカのスパークリング 

そして、こちらがゲヴェルツラミネール。

ゲベルツラミネールはライチやバラの香りがすると言われるが、こちらはちょっと桃ぽい味のする、フルーテイな味のゲヴェルツラミネール。

ゲヴェルツラミネール 

そして、こちらも結構珍しいピノオクセロワの甘口系ワイン。特に2018年は当たり年ともいわれるが、猛暑だったので、甘口ワインに仕上がりやすい年でもあるようだ。通常は辛口のオクセロワだが、甘口ワインがお好きな方にはお勧め。

ピノオクセロワの甘口系ワイン 

そして最後にミュスカのヴァンダンジュタルデイブ。こちらも甘口ワインだ。

ヴァンダンジュタルデイブでもミュスカは結構珍しい。ワイナリーさん曰く、アルザスの品種の中でもミュスカは全体の2,5~3%の収穫しかないそうだ。

ミュスカのヴァンダンジュタルデイブ  


こちらのワイナリーはまだ日本に入っていないが、以前日本のワインインポーターさんから連絡はあったけれど…それから連絡がなくて、と言っていた。連絡のあったインポーターさんの名前を聞くと、確かに結構アルザスワインを仕入れている、有名インポーターさんのようだ。日本は今自然派ワインが流行っているようなので、このワイナリーさんの自然派ワインのラインアップも日本に入ってくれればと思う。

アルザスで色々ワイナリーを巡って、100軒以上巡っているので、好きなワインの好みなどを伝えてもらえばどこのワイナリーがお勧めか伝えられるくらいにはなっていると思う。そんな中、こちらのワイナリーはミュスカ好きにはお勧めのワイナリー。

ワイナリーに行くのに、車がないと行けない村ではあるが、ストラスブールのクリスマスマーケットの時にはアルザスワインプロモーションをしているストラスブール周辺の村のワイナリー組合が、ローテーションで屋台が出ており、こちらのワインも買う事ができる。この時期にストラスブールに来られる方は運が良ければそこで買う事もできる。また全種類ではないが、ストラスブールの農家直売専門店があり、そこでもこちらのワインは購入可能だ。

ストラスブールのお店情報
La Nouvelle Douane
住所 Rue du Vieux-Marché-aux-Poissons, 67000 Strasbourg
月曜~金曜 9時半~7時半
土曜8時~6時半

この記事を書いた人

Coquelicot
Coquelicot
元フランスのワイン展示会運営会社勤務。フランス、アルザス地方在住10年以上、アルザスワインを極めるべく、アルザスで訪れたアルザスワイナリー100軒以上、テイスティングは200軒以上。
インスタグラム coquelicots00