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ホリエモンとサケヅクリプロジェクト!「想定内」「想定外」

田植えからスタートした、高品質日本酒造り

金紋錦

稲作から酒造り、やらないか?

2017年、株式会社 耕(こう)http://koh-inc.jp/の藤井耕太氏がリーダーとなり、このプロジェクトはスタートしました。きっかけは、ホリエモンこと、実業家の堀江貴文氏の「日本酒・酒米の需要が高まるし、稲作から酒造りやらないか?」という一言だったそうです。

「想定内」「想定外」という、ネーミングからホリエモンらしさ全開のこのお酒、いったいどんなものなのでしょう?

※こちらは、市販はされておらず、クラウドファンディングの支援者に与えられるリターンなど、限定の商品です
※参考価格:想定内 13,800円、想定外32,400円(各720ml)

7月20日のパーティでお披露目に至るまでの経過と併せて、ご紹介したいと思います。

2017年、長野県の銘酒・大信州酒造とのご縁が実を結び、堀江氏をはじめ、メンバーが田植えから参加して、品評会出品酒クラスの、すべての工程に手間暇をかけたお酒造りがスタートしました。

大自然の中で稲刈り!(2017年10月)

「想定内」「想定外」に使用されている酒米は、長野の“金紋錦”という、幻の酒米と呼ばれているお米。大信州酒造の契約農家である、「太陽と大地」の柳澤謙太郎氏が栽培しています。

幻の酒米、金紋錦を 大信州酒造の契約農家、「太陽と大地」の柳澤謙太郎氏が栽培

これを大信州酒造にて、一切の手間を惜しまず、新酒鑑評会に出品するお酒と同じレベルで仕込み、丁寧に絞られました。

(註:日本酒の品評会(コンテスト)は、全国新酒鑑評会、IWC(日本酒部門)、KURA Master、など複数あり、このなかで、「全国新酒鑑評会」は、日本酒業界では一番古く権威のあるコンテスト。これは、蔵元の酒造り能力を評価する企画なので、ここに出品される酒は、蔵元の酒鑑評会用スペシャル。ごく僅かに造られ、市販されないか、されても高価)

純米大吟醸「想定内」「想定外」の特徴

1. 原料米は、契約栽培の「金紋錦」

酒米の王様、山田錦に比べると、良い意味でスムーズさがなく味の複雑みがあることから、様々な味が出るため食事を引き立たせてくれる特徴があります。
 

2. 精米歩合は、麹米38%、掛米40%

品評会出品酒と同等のレベルの精米歩合。しっかりと心白まで磨き上げます。

3. 酵母は、蔵元直保存株の自家製酵母を使用

華やかで芳醇な香りのお酒を醸します。
 

4. 搾りは、“袋搾り・無加圧”

もろみからお酒を搾る際、外圧を全く加えない、最も手間をかける上槽作業です。1タンク全量を袋搾り・無加圧での作業は、大信州でも初めての試みというこだわりです。

5. 無濾過原酒
加水をせず過度にろ過をしないことで、お酒本来の味を楽しむことができます。原酒でありながら飽きがこない飲み口は、大信州酒蔵の真骨頂ともいえます。

「想定内」「想定外」きき酒選抜会(2018年4月3日)

この日は、私もお声かけを頂き、とてもラッキーなことに、皆さんとご一緒することができました。

「想定内」「想定外」きき酒選抜会

日本酒はタンクで醸造された、もろみ(酒粕と日本酒に分かれていないどろどろの液体)を袋にいれてしぼり、最初に出てきた液体を「あらばしり」、次に出てきた液体を「中取り」、最後の最後に出てきた液体を「責め」と、大きく3つに分けます。通常のお酒は、わざわざ、あらばしりだけ、中取りだけ、責めだけと、出てきた順番ごとに瓶詰めをしたりしないのですが、「想定内」、「想定外」は、それをやって、きき酒選抜会用に、同じタンクで仕込まれたお酒が30段階分、30本の瓶に分けられました。ちなみに、「中取り」が、いちばん、味わいと香りのバランスがよいとされているので、濾過や火入れ(加熱殺菌処理)をする前に、生の状態で、中取りだけを囲って瓶に詰めると、日本酒ファンはくいつきます。

選抜メンバーは、プロジェクト代表、大信州酒造の社長、専務、杜氏、金紋錦の栽培主である柳澤氏。そして、堀江氏も丁寧にコメントを記録しながらきき酒をされていました。30のお酒を、きき酒して、どの番号のお酒が「想定内」にふさわしいか、また、「想定外」にふさわしいかを、選抜メンバーが、チェックとコメントを書き込んで評価します。最後に、皆さんの得点を合計して、決定が下されました。

わたしは、このプロジェクトメンバーではないので、決定に意見は反映されませんが、真剣にきき酒をし、個人的にチェックとコメントを書き込みました。一つ一つ、本当に個性が違い、一参加者として、大変興味深く勉強になりました。

磯野カオリセレクト

わたしが、一番好き!と思ったボトルと。

「想定内」と「想定外」の違いは、「中取り」を中心に最も利き酒の評価の良い物だけを選抜したものが「想定外」です。

六本木にてお披露目パーティ(2018年7月20日)

さて、あの時選ばれたお酒が、ボトルに詰められ、皆さんに披露される日がやってきました。NewsPicks六本木の素敵な会場は、多くのお客様で熱気ムンムン。

前半は、堀江貴文氏と、恵比寿GEM by moto店主 千葉麻里絵氏とのトークショー!

堀江貴文氏と、恵比寿GEM by moto店主 千葉麻里絵氏とのトークショー

お二人の掛け合いが、かなりカジュアルな雰囲気ながらもつっこんだ内容で、興味津々。あっという間の時間でした。

その後、皆で乾杯をし、試飲タイムに突入!

大信州のお酒らしい、主張しすぎないほのかな甘み、うまみ、とろみのあるしたテクスチャ。改めてじっくりきき酒をしても、やはり、素晴らしい!とうなるしかありませんでした。ワイングラスで飲むのがぴったりな、派手過ぎない吟醸香があるので、ワインファンの方々にも、是非お勧めしたいですね。

この日は、IWC(インターナショナルワインチャレンジ)SAKE部門でメダル受賞した大信州酒造のお酒3種もテイスティングすることができました。実は「想定内」もこのコンテストに出品し、ファーストスロットながら、純米大吟醸の部でシルバーを受賞しています!

※「想定外」は出品しておりません

IWC(インターナショナルワインチャレンジ)SAKE部門でメダル受賞した大信州酒造のお酒3種もテイスティングすることができました

IWC(インターナショナルワインチャレンジ)SAKE部門でメダル受賞した大信州酒造のお酒3種

契約農家の謙太郎氏のお米「謙太郎米」・自家製味噌・きな粉・想定内想定外の酒粕を使った、GEM by moto特製酒粕カレー

契約農家の謙太郎氏のお米「謙太郎米」・自家製味噌・きな粉・想定内想定外の酒粕を使った、GEM by moto特製酒粕カレー

大盛況のうちに、お披露目パーティは幕を閉じましたが、プロジェクトは、まだまだ、これから!
さらに、「想定内」「想定外」プロジェクトの一環として、「想定内」「想定外」の無濾過原酒を使って、素晴らしく贅沢な梅酒を仕込んでいるそうですよ!
こちらもまた、楽しみです。

熟成酒も……という言葉が、パーティの際、堀江氏の口から出ていたので、これからも目が離せません。

この記事を書いた人

磯野 カオリ
磯野 カオリ
日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)認定 酒匠 / 焼酎唎酒師 / 日本酒学講師
SSIインターナショナル認定 国際唎酒師
2019年には日本ソムリエ協会(JSA)認定 SAKE DIPLOMA 取得
ANSA認定 Sommelier
横浜 桜酒亭(おさけてい)代表。
ワイン好きな方に、すこしでも、日本酒の魅力を知ってもらいたい。そして、わたしも、ワインの魅力を知りたい。
日本酒ファンとワインファンの架け橋となるのが、わたしのミッションだと思っています。そのための佳き出逢いを、皆さまに、ご提案いたします。
http://osaketei15.com/

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