バローロの妄想

ソムリエが語る、ワインにまつわるアレコレの話 その1

イタリアワイン輸入会社で、ライティング・編集担当になったソムリエが、ワインにまつわるあれこれをご紹介していきます。
初回は、初のイタリア出張での出来事についてです。

バラのような、スミレのような香りに興奮

普段は編集を担当しているのですが、イタリアどころか海外渡航経験もなければ飛行機に乗ったこともないため、社長より「いいからとにかく行ってきなさい」とイタリア行きを厳命されました。

というわけで、2週間かけて、みっちりしっかりたっぷり、イタリアを全身で取材してきました。

取材1日目は、ピエモンテ。
「GUIDO PORRO/グイド・ポッロ」という生産者を取材してきました。朝の気温は16.5℃。ユ〇〇ロのウルトラライトダウンを颯爽と羽織って出かけたら、みるみるうちに気温上昇。体感で28℃くらいまでになり、汗だくになってしまったため、ダウンは早々に脱ぎました。やはりこの寒暖の差こそ、いいブドウが育つ条件なんですね。

彼らがもっとも大事にしている「バローロ・ヴィーニャ・ラッザイラスコ」の畑を見て、もちろん試飲もバッチリしてきました。あまりに美味しく、バラのような、スミレのような香りが花開いていたので、興奮してしまいました。
一家の主人で醸造も担当されているグイドさん曰く、「今もいいけど、あと2、3年寝かせてもいいですね」と。 これ以上よくなるとどうなってしまうのでしょう。。妄想が膨らみます。

グイド氏

グイド氏

そしてこのGUIDO PORRO(グイドポッロ)ですが、設立は約100年前で4世代にわたり受け継がれています。
ワイナリーは、バローロ城の稜線の先、セッラルンガ・ダルバに位置し、すべての畑が日当たりのよい全面南西向きという素晴らしいポジションにあります。
私が一瞬で虜になってしまった「バローロ・ヴィーニャ・ラッザイラスコ」の畑は、円型劇場のようにすり鉢状の斜面のもっとも日当たりの良い場所にありました。おまけに夏はほとんど風が通らない、灼熱地獄!

「バローロ・ヴィーニャ・ラッザイラスコ」の畑

「バローロ・ヴィーニャ・ラッザイラスコ」の畑(一部)

畑を案内してくれたのは半袖短パン姿がまぶしい18才、ファビオくん。ワイナリー現当主グイドさんの一人息子です。なんでも通っている地元の醸造学校の夏休み中で、時間がたっぷりあるそうで、なんと6時間もお付き合いしてくれました。

「お父さん(グイドさん)は厳しいですか?」と尋ねると、ちょっと苦笑いを浮かべながらも「ハイ」というご返答。
ただし、その後すぐに「父は幼い頃から“ヴィーニャ・ラッザイラスコ”の畑とともに育ちました。僕は今18才なのですが、父が子供の頃から見てきたこの畑を少しでも任せようとしてくれることは、本当に幸せなことだと思います。まあたまにムッとはしますけど。」と照れ臭そうに話してくれました。

ファビオくん

ファビオくん

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カワシマハヅキ
大手ワイン輸入商社にソムリエとして7年勤務後、イタリアワイン輸入会社ヴィーノハヤシに入社。社内ではライティング・編集担当。極度の方向音痴で会社の近くでも道に迷う。

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