皆さんは、「神様」「ワイン」というキーワードから何を連想されるだろうか?
私がすぐに思い浮かぶのは、ローマ神話の酒の神様「バッカス」である。  

昨年、ルネッサンス時代のイタリア人画家「カラヴァッジョ」の絵を見に、国立西洋美術館へ行ったとき、彼が描いた少年のような「バッカス」は、まさにその左手にワインが満たされたグラスを持っていたからだ。

ローマ神話とワイン、実にわかりやすい組み合わせである。

 
カラヴァッジョ展看板

では、我が国、日本ではどうだろう?
もちろん日本でも「御神酒」というくらいだから、昔から神様と酒は切っても切り離せない関係にあったはず。ということは、やはり日本酒と考えるのがセオリーだが。

えっ!神社参拝にワイン!?

先日、とあるワイン会で知り合った方にお声かけいただき、人生初の「神社ツアー」というものに参加してみた。今回の目的地は「神田明神(正式名称は「神田神社」である)」。「神田明神」といえば、毎年正月の仕事始めの日に多くのビジネスマンが「商売繁盛」を願って、大挙して押し寄せる有名な神社であるが、実は私は初めてだ。

事前にツアーの主催者である一宮 花(いちのみや はな)さん(「日本のかみさま塾」主宰者、「かみさまに愛され守られ応援される神社参拝」を提案されている)に、当日何か持参するものがあるのか伺ったところ、「貴方はワインに関わりのある仕事をするのだから、お気に入りのワイン、もしくはコルクをお持ちなさい」とのこと。
ん??? 確かに神様といえば昔から「御神酒」は付き物である。でも、日本の神様にワインなんていいのだろうか?

ところで「神田明神」の神様って一体、誰?(笑)
元々、「神田明神」に祀られている神様は「大己貴命(おおなむちのみこと)」、いわゆる「だいこく様(縁結びの神様)」であるが、あとになって「平将門」公を祭神(除災厄除けの神様)として祀った経緯があるとのこと(その後、明治時代になってから「えびす様(商売繁盛の神様)」も祀られている)。

「平将門」公はワインがお好き?

「神田明神」に「平将門」が祀られていたとは! 実はかなりの驚きである。というのは、平安時代末期に活躍した「平将門」の家臣に私と同姓の人物がいたこと、私の住まいの周辺は当時「平将門」の本拠地であったとの説が有力であることから、「平将門」は私にとってはちょっと親近感のあるお方だからだ。

でも、「神田明神」に祀られているとは知らなかった・・・(スミマセン)。このようないきさつを花さんにお話したところ、「ワインをお持ちになれば、当日、平将門様がエネルギーをチャージしてくださる」、「元々神様は楽しいことが大好きなので、きっとワインの美味しさに驚かれ、喜んでくれます」とのこと。

花さん、このアイデアを面白がって、実に乗り気である(笑)

正しい神社参拝のススメ

で、当日。

自宅からお気に入りのコルクを持ち、途中駅でワインを購入(ハーフボトルのロゼ)。

 
ハーフボトルのロゼ
 
神田明神隋神門
 

5月にしては、夏のような日差し。まさに快晴!

境内の入口にあたる「隋神門(ずいしんもん)」で待ち合わせ。身体を撫でていくような、実に爽やかな風が流れている。早速、神様のエネルギーを感じさせる。

今回の参加者は、花さんを含む女性3人と男性は私一人だけ(汗)。 

花さんの指導で、一般的な参拝の方法を教えてもらう。

 

まずは、手水舎で身を清める。柄杓を使って、左手、右手と洗い、さらに左手を椀の形にして水を受け、口をすすぐ。その後、左手をもう一度洗う。最後に、柄杓を立てて水を下に流す形で、柄の部分(ワイングラスでいうステムの部分)を洗うのがポイントだそうだ。

そして、いよいよ拝殿前へ。
今回は賽銭箱を前にしてお祈りする、ごく一般的な「社頭参拝」だ。

手水舎
 
拝殿前
 

まずはお賽銭を入れ(鈴が吊られている場合は鳴らすが、ここにはなかった)、二回頭を下げる(二礼)、そして二回拍手する(二拍手)、二回目の拍手のあと手を合わせたままで祈る。

花さんによると、ここで「禊祓詞(みそぎはらえのことば)」を唱えるのが正式なやり方だそうだ(参拝前にプリントをいただくが、とても覚えられないので、今回は省略)。

お祈りが済んだら、最後に一回頭を下げる(一礼)。これを二回繰り返す(二回目はお祈りはしない)。その際、持参したコルクとワインは、私のバッグに入ったままで良いとのこと(実際にワインを開けて、神前へお供えする訳ではない)。

ふぅ、なるほど。
私も二礼二拍手一礼くらいは知っていたが、実はどのタイミングでお祈りしたらいいのかが、ずっとわからずにいた。だから、今までは拍手のタイミングでは上手く祈れず、最後の一礼のところで深く頭を下げたまま祈っていた。

勉強になりました(笑)。無事に参拝を終え、これでコルクとワインにもエネルギーがチャージされたわけだ。

この「神田明神」の境内には、御社殿のほかにいくつもの小さい神社がある。

花さんの案内で、「末広稲荷神社」、「三宿稲荷神社・金刀比羅神社」、「江戸神社」、「魚河岸水神社」などを見て回る。小さな神社はこれ以外にもあり、ここはまさに神々の集う、パワースポットなのだということがよくわかった。

たっぷり、約1時間。花さん曰く、「今日は格別に素晴らしいご神氣が流れている」とのこと。確かに5月にしては強烈な日差し、境内の石畳の照り返しも厳しかったが、不思議と気持ちのいい風がずっと吹いていて、心穏やかになる居心地の良さを感じた。

 
江戸神社

神田明神の境内にある江戸神社

 

これが「ご神氣」というものなのだろうか。いろいろな神様のエネルギーをいただき、気分爽快! お腹も空いたので、ランチ会場へ移動。

ランチは眼下に広がる素晴らしい景色とともに

「ARGO」からの景色
 

ランチ会場は、半蔵門にあるフレンチ「ARGO」、東京MXテレビの入っているビルの9階だ。

とにかく、ここはロケーションがいい!

モノトーンの落ち着いた、高級感漂う雰囲気の店内に入ると、大きな窓から、鮮やかな皇居の新緑とお堀が目に飛び込んできた!

新緑の先には東京駅方面だろうか、ビル群が立ち並び、薄っすらとスカイツリーも見える。

 

まずはスパークリングで乾杯。アミューズ、前菜、そしてメインは魚または肉料理、デザート、コーヒーのランチコースである。どれも旬の食材を使い、繊細で、見た目も美しく、そして美味しい一皿に仕上げられていた(特にデザートに食べた、ピスタチオとフランボワーズを使ったロールケーキはもう絶品! 病みつきになりそうである)。

スパークリングで乾杯

アミューズ

 
前菜

温かい前菜

 
メインの魚

メイン料理の魚

 
デザート

デザート

 

女性陣も大満足である(笑)。きっと、ここは夜景も素晴らしいだろう! 今度は個人的に来てみたいと思う。素敵なレストランのレパートリーが増えて、ありがたい。たまには、こうして高いレベルから下界を眺めるといいかもしれない。

こんな素敵な場所から外を眺めていると、日々の煩わしくも悩ましい出来事が小さく感じられるし、何かいいアイデアも浮かんできそうだ。ここ、オススメです。最寄駅は東京メトロ半蔵門線の半蔵門駅。駅から徒歩3分というのも嬉しい。

今日は、いろいろな神様や新たにお会いした人たち、そして美味しい食事など、さまざまな形で、多くのエネルギーをいただいた。感謝なのである。今日御神酒として捧げ、エネルギーをチャージしてもらったワインは、いずれ頃合いを見計らって「お下がり」をいただこうと思う。そしてコルクはお守りとして持って歩こう。

神社参拝にはワインをお忘れなく

最後に、余計なお世話だが、今年「J.S.A.呼称資格認定試験」を受験される方は、機会があったら「神田明神」へお参りに行かれてはどうだろう?(笑)

あの徳川家康も、関ヶ原の合戦前に「神田明神」へ参拝したから、戦に勝つことができたと言われている。家康は天下統一後、「神田祭」を江戸幕府の年間行事として位置づけたくらいのありがたがりようだったそうだ。それだけ「勝負事」には御利益のある神様である。境内にある鳳凰殿(ほうおうでん)で授与される「勝守(かちまもり)」というお守りが人気だそうだ。

ぜひ一度、行ってみるといい。その際は、ぜひワインを持っていくことをオススメする(笑)。試験の前に、神様のエネルギーがチャージされたワインを飲めば、たちどころに・・・。

いずれにしても、日々の努力あってのご利益であることはお忘れなく。私に言われるまでもないとは思うが。



神社ツアーに興味のある方はこちら→
「天空の鏡を持つ姫巫女 一宮 花」さんのホームページ
HYPERLINK “https://www.nihonnokamisama.com/”

参考文献:『「神田祭」神田祭と神田明神を知るための本 平成29年度版』
             発行 神田神社

この記事を書いた人

石戸 智
石戸 智
数年前にワインに出会ってから、すっかりハマり、昨年50歳を迎えたことを契機にワインエキスパート呼称資格を取得。それが人生の転機となり、今年3月で25年間務めた仕事(某市役所職員)を退職し、ワインと心中することを決意!
今後はワインの伝道師として、一人でも多くの人に、ワインの素晴らしさを伝えていきたいと思っている「さすらいのワインエキスパート」です。目下、WSETの資格取得を目指して勉強中!(今年度中にレベル2・レベル3を取得することが目標)
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