牛肉のワイン煮込みレシピ

~「美味しさ」を探して~

美味しいワインとは?という大きな問いの答えを30代で出すつもりはこれっぽっちもないが、美味しいとは何か?を問うことが最近よくある。ワインの美味しさに直結するものは何だろうか、そんな問いを考えてみた。ワインの値段はご存知ピンからキリまで。コンビニやスーパーで買えるものから、一生に一度は大さじ1杯でも口に運んでみたい芸術クラスまで。ワインの美味しさは値段が関係しているのだろうか?

◎熟成すればするほど??

赤ワイン 

「熟成」を考えてみる。早飲みタイプのワインと比べ、良い状態での熟成物はやはり値段が上がる。ワインはもちろんチーズも同じ。熟成とは、新しい風味や味わいが生まれること。この新たな風味や熟成独特の香りが正直「苦手」だという人もいるだろう。フルーティーさが取れることや、微生物の活動による風味の形成でいつものデイリーワインとは別物だ。私は毎日熟成ワインを手にするわけではないので、ひとまず置いておこう。

◎格付ランク??

赤ワイン 

値段に一番直結する「ランク」。国ごとの法律に従ったワインの格付けやルールは、やはり値段に一番直結する。同じ造り手のランク違いを飲み比べると、範囲が狭まれば狭まるほど産地や土地の個性から生じる複雑性が出ることが分かる。ただ、飲み比べると分かることも、飲み比べなければどちらも美味しいのでは? と思うこともしばしば。熟成同様、高品質で上等のワインをやはりデイリーで飲むわけでもない。ランクは値段に直結するが、美味しさを考える上ではワインを高い安い・良い悪いで判断すべきではないと考える。

◎ヴィンテージ(収穫年)??

では収穫年はどうだ! 収穫年を考慮して日常ワインを買う方はワインの知識を持っておられる方だろう。ワインの知識が付けば付くほど、細かなことが気になり始める。収穫年と値段の関係はあるが、オフヴィンテージであってもヴィンテージを考慮して醸造する造り手がいる。これも良い悪いの判断では少し寂しい。ヴィンテージ表と睨めっこしながらデイリーなワインを購入するのも若干気が引ける。

最近とても美味しかったワインがある。日差しが照りつける暑さの野外、プラスティックカップに注がれキンキンに冷えた白ワインは身体が欲する美味しさだった。「美味しい!」と素直に心が叫んだ。記念日に奮発して予約したレストランでのワインペアリングもまた心が美味しい~~と低音で唸る。どちらも最高に美味しいワインだ。温度はかなり関係しそうだが。そうだ、その時によって美味しさは違う!

ワインの食卓 

ワインは1杯を分析する楽しみもあるが、やはりその時々のシチュエーションが影響してくる。コミュニケーションのツールにもなり、賑やかにワインを飲み語らう時間も料理と合わせる楽しさも全てが1杯の美味しさを決める。美味しいワインとは、皆それぞれ違う。そして時と場によっても違う。その時に手にしたワインがシチュエーションに合い、心が美味しいと感じたら、それが美味しいワインであってほしい。

1本ワインを選んだら、おうちで料理と合わせて。家族と友人と、1人でも。どんなシチュエーションでも「美味しいワイン」が片手にあれば至福のひと時!

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牛肉のワイン煮込み

牛肉の赤ワイン煮込み 

調理時間:じっくりことこと3時間

≪材料4人分≫
牛かたまり肉 700g   玉ねぎ 1個  にんじん 1本  マッシュルーム 8個
赤ワイン 750ml  塩 少々  小麦粉 少量  オリーブオイル 適量
塩 小さじ1と1/2  はちみつ 大さじ1  トマトペースト 18g
ローリエ 2枚  タイム 3~4本  パセリのみじんぎり 少量
※とろみが欲しい場合は水溶き片栗粉で仕上げる。

≪作り方≫
【1】牛肉は4~5㎝幅に大きめに8等分する。 玉ねぎはくし切りする。にんじんは食べやすい大きさに切る。

【2】大きめのボールに①・赤ワイン・ローリエ・タイムを入れ、ラップをする。 冷蔵庫で一晩漬ける。 (時間の無い場合は省略可)
【3】ボールから肉を取り出し、表面の水分をキッチンペーパーで拭く。 塩少々し、小麦粉を薄くはたく。
【4】フライパンにオリーブオイルを入れ、③を強火で両面焼く。 焼き色が付いたら取り出し、厚手の鍋に入れる。
【5】同じフライパンで玉ねぎもサッと焼き、鍋に入れる。
【6】鍋に漬けていた赤ワインとハーブを入れ火にかける。アクを取り、トマトペースト・塩・はちみつを入れ混ぜ、蓋をする。弱火で2時間30分煮込む。
【7】途中で焦げないようにかき混ぜながら、コトコト煮る。2時間経ったら、にんじんとマッシュルームを加えさらに30分煮る。
【8】味を見て最後は適宜塩で調味し、とろみをお好みでつける。器に盛り、お好みでパセリをかけてできあがり。

美味しさを構成しているものはワインを片手に語らう時間。ワインの美味しさを求めていると、料理やグラスや体調などあらゆるものが影響していることが分かる。美味しさを求めて、きっと人生の大きく楽しい課題となるのだろう。

この記事を書いた人

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紀子
1985年生まれ。
J.S.Aワインエキスパート。
小さなワインのお教室をしている傍ら、ワイン好きによるこだわりの創作おつまみレシピを料理サイト・ブログで掲載。
女性の皆さまへワインライフが豊かになるコツを発信中。
blog: http://ameblo.jp/norikostyle2

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