いざ、スローワインの祭典へ

祝 受賞! – KIUS BRUT 2014 –

500以上のイタリア全土のワイナリーが一堂にそろうスローワインのイベントに密着

スローワインとは

SLOW WINEとはイタリアのスローフード協会により年に一度発行されるワインガイドです。

ワインの味、香りだけでなくその背景にも着目して、ブドウの栽培はもちろんワイン造りの過程において、例えばケミカルな除草剤等を使わず環境に配慮しているか、その土地のテロワールや歴史を体現できているか、どれだけの情熱をもってワイン造りをしているのか、価格は適正か等スローフード協会が定めた独自の基準により評価されます。

本の構成はVITA、VIGNE、VINOつまり生産者、畑、ワインの3項目からなります。

 

スローワインガイドブック

SLOWWINEのガイドブック、マークはかたつむり=スロー

生産者の経歴や家族構成、モットーなどが掲載されていて、読み物としても面白いです。約1700字という限られた文字数でありながら必要な情報は網羅されているので、イタリアでワイナリーを訪問する際には強い味方になると思います。

2017年度の活動を評価して2018年度版には1947のワイナリー、24000本のワインが掲載されています。2018年度版において、私がブランドアンバサダーを務めるラツィオ州のワイナリーMARCOCARPINETIは最高位の賞であるCHIOCCIOLA賞(かたつむりという意味)をワイナリーとして受賞しました。

さらにスプマンテKIUS BRUT 2014はSLOW WINE賞を受賞しました。このSLOW WINE賞のメトドクラシコ方式のスプマンテ部門ではイタリア全土からたった6銘柄だけが受賞しましたが、そのうちの一つとして選ばれました。

イタリアには他にも多くの賞やワインガイドはありますが、このような自然に配慮したワイン造りという観点から評価を頂けるのはとても光栄です。

生産者同士も杯を酌み交わすスローワインの祭典

このワインガイド「SLOW WINE 2018」の出版を記念して、10月中旬にトスカーナ州の温泉地MONTECATINI TERMEにて、同書に掲載された総勢500のワイナリーが参加する壮大な試飲イベントが開催されました。

TERME TETUCCIO

TERME、残念ながら入浴はできず

 

会場はTERME TETUCCIOという神殿のような豪華な温泉施設でしたので温泉好きの私は喜び勇んでビキニ持参で向かいましたが、残念ながらこの施設は飲用温泉でした。

回廊にはブースが並べられ、人々は思い思いに生産者と語り合いながらワインを愉しんでいました。

午後になると生産者もグラス片手に他の生産者のブースを飲み歩いていたりして、まさしくスローワインという名の通りとてもゆっくりと穏やかな一日でした。

KIUS 不思議な名前のそのわけは

さて、今回受賞したKIUS BRUT 2014ですが、どうしてこのようなイタリア語でもない聞いたことのない響きを持つ名前なのかPAOLOに尋ねてみました。
通常ワインの銘柄名は地名、畑、創始者、土地に由来のある歴史上の人物、神話、ブドウ品種などから名づけられることが多いのです。

「既存の言葉を使うと、人はどうしてもその言葉に特定の意味を見出そうとして影響を受けて引きずられてしまう。だからあえてどこにもない、意味を持たない4つのアルファベットの組み合わせで名前をつけたんだ。誰とどこでどんな風に飲むかによって、飲む人達それぞれの感性でKIUSという名前を捉えてもらいたいんだ」

なるほど、伝統的な農法を重んじる一方で新しい技術を取り入れるワイナリーMARCOCARPINETIの後継者PAOLOらしい若々しい自由な感性がこんなところにも活かされています。

 

PAOLO

KIUS BRUT 2014を手に満面の笑みのPAOLO

年末年始はKIUSでSALUTE!

実はこのスプマンテKIUS BRUTは日本でも飲むことができるのです。

輸入会社AVICOさん(https://avico.jp/wine-cat/marco_carpineti)を通じて日本にも輸入されており、東京の目黒にあるトラットリア ダル・ビルバンテ・ジョコンドさん
(http://www.dal-birbante.jp/)
のワインリストに載っています。(注:入荷、在庫状況にもよります)

私も数回訪れたことがありますが、素材を活かした本場のラツィオ州郷土料理と気取らない雰囲気が素晴らしく、まるでローマの下町のトラットリアにいるような気分になりました。

クリスマスや年末にかけてこれから乾杯をする機会も増えると思いますが、KIUSでSALUTE(イタリア語で乾杯)してみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

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MINA
外資系金融に長年勤務するも、イタリアワインが好き過ぎて2017年よりイタリアに渡航し、ローマ近郊のワイナリーMARCOCARPINETI にてブランドアンバサダーとしてPRや翻訳を担当しワインの研鑽を積む。滞在中にイタリア中を旅して出会ったイタリアのワイン、人、文化の魅力を伝えます。

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