ワインのラベル(エチケット)を、注意して見たことはありますか? 何気なく手にしているワインのラベルに、実は生産者のワインにかける、とてつもない想いが込められていることがあります。近日来日するスペインのワイナリー「セラー・パスコナ」もその一つ。遠いスペインの小さな村の家族の物語です。

愛情で紡いだ家族の絆

ワイナリーとなるパスコ家の歴史は長く、1200年(日本では鎌倉時代)から始まります。1827年に生まれた医師のペレ=パスコはファルセット村に多くの土地を買い、それが後に娘へ、そして二人の孫娘達・パスコ姉妹へと受け継がれました。しかしながら不幸にも、姉妹のそれぞれの夫達はスペイン内乱で亡くなり、子供もいないままに未亡人となってしまいます。

パスコ姉妹

パスコ姉妹とアスムプタ

 

7年後、パスコ姉妹は天からギフトを授かりました。その名もアスムプタ=ルル。親戚の娘でしたが母親が病気で養えなくなってしまい、面倒をみてくれないかと子供のいないパスコ姉妹にお願いしたのです。パスコ姉妹はアスムプタをまるで実の子供のようにとても可愛がり、母親が引き取りに来た時には大変悲しんで養子縁組のような契約を結びます。

こうしてアスムプタはパスコ姉妹が他界するまで会い続けることができ、姉妹の所有するパスコ大農園を引き継ぐことになりました。

そして1991年、アスムプタの夫アントニ=リポル=バルトロメは、このパスコ大農園でワイナリーをスタートします。2006年には息子のアントニ=リポルが二代目として引き継ぎ、家族への感謝と敬意を表してワイナリーに“パスコナ”と名付けました。

家族と地元への愛着をデザインに

ブドウは厳格な自然派栽培ビオディナミを実践し、フィルターを極力使わないなど、ナチュラルな造りでテロワールを反映しています。

新進気鋭と評される醸造家・息子のアントニ(トニ)。絶える事なく脈々と繋がってきた「家族」を大切にする彼の想い、そしてこのワイナリーの美しい歴史への想いは、パスコナ全6種類のワインの名前やキュートなラベルのデザインに表現されています。

あまりに可愛くて、ついつい全種類揃えたくなってしまうほど! デザインもさることながら中身の味わいも家族それぞれのキャラクターを表現しているので、飲み比べてみるのも楽しいですね。

 
パスコナワイナリー

パスコナワイナリー

ラ・マーレ
 

「ラ・マーレ」(赤 / ガルナッチャ)
希少限定品・「マーレ」はカタルーニャ語で「母」の意、トニの母アスムプタを象徴。複雑でフルボディながらエレガントさを併せ持ち、母のように包み込むような優しさがあるワイン。

 
ロ・パーレ
 

「ロ・パーレ」(赤 / ガルナッチャ、カベルネ・ソービニョン)
希少限定品・「パーレ」はカタルーニャ語で「父」の意、トニの父を象徴。セラー・パスコナのトップ・キュヴェ。父のような力強さ、そして深みのある味わいが余韻まで長く続くパスコナのトップワイン。

ラ・ジェルマーナ
 


「ラ・ジェルマーナ」(白・マカベオ、ムスカ・デ・グラ・ペティ)
「ジェルマーナ」はカタルーニャ語で「姉/妹」の意、同じくワイナリーを持つトニの姉を象徴。フレッシュな白桃やトロピカルフルーツのニュアンスがあり、口当たりの優しさは、トニの姉を感じさせる。

 
ロ・ペティト
 

「ロ・ペティト」(赤・シラー、メルロー、カベルネ・ソービニョン)
「ペティト」はカタルーニャ語で「小さいもの=子供」の意、トニの子供を象徴。子供のようにチャーミングな若々しさが楽しめ、軽く冷やしても美味しい。

 
マリア・ガンチャ
 

「マリア・ガンチャ」(赤 / サムソー(カリニェナ))
「マリア・ガンチャ」はファルセット村の言い伝えで「悪戯をした小さい子供を連れ去ってしまう魔女」のこと。軽やかで飲みやすい「ロ・ペティト」のワインが悪さをしないように、というお茶目な意味も込められている。明るい色の果実のエレガントさから、ついつい杯を重ねてしまうが、マリア・ガンチャの魔法により彼女の魅力にやられてしまっているのかと思わせるほどの魅惑的なワイン。

 
パスコナ

「パスコナ」(赤 / ガルナッチャ、サムソー(カリニェナ))
希少限定品・初めて「パスコナ」の名前を冠したワイン。タンニンと果実のバランスからモダンさとクラシックさの両方を感じられる。

 

全種類を楽しめるイベント開催

スペインの事情通によると、このパスコナのワインはバルセロナのイケてるワインバーなどで軒並み使われています。感度の高いバルセロナのソムリエお気に入りのワインで、ワインインポーターが現地の人に連れられて入った人気のワインバーの店員さんもパスコナワインのTシャツを着ていたとか!

この度、セラー・パスコナのパートナーとして、スペインで販売・輸出を手がけるVinitor Wine Group社の代表ダビッド・プエルタスを囲み、日本に輸入されているパスコナ全種類がお楽しみいただけるワイン会を開催します。

ダビッドはベルギーのアントワープで輸入などのワインビジネスに携わっていましたが、ワインに対する熱狂的な想いからブドウ栽培や醸造の学位を取り、ワインの生産にも寄り添うように。

ベルギー人とスペイン人のハーフという彼のルーツと、スペインを愛する気持ちからスペインワイナリーのセレクションや販売を行うVinitor Wine Groupを設立しました。

 
ダビッド氏

ダビッド・プエルタス氏

彼がセレクトしたワインはアメリカ、オランダ、日本など世界中に輸出されており、さらに新しいプロジェクトとして彼自身のワイン造りをスタートさせています。

このユニークなスペインのワイナリーについて、身近な声を聞ける貴重な機会です。ぜひお気軽にご参加下さい。

日時:2月24日(土) 18:30〜21:00
会場:人形町「古民家スペインバル NOVO」
会費:8,500円(カヴァを含むワイン7種類、カジュアルコース料理)
お問い合わせ:人形町「ジャケ買い専門ワインショップWine and Weekend」
info@wandw.tv/03-6661-1845

この記事を書いた人

スージー
スージー
日本橋人形町・ワインのジャケ買い専門ショップWine and Weekendオーナーソムリエです。
「ワインは難しそうで選べない」というお悩みを解決するべく、ラベルのデザインが可愛くて、美味しくて、身体に優しいものをセレクト。ラベルデザインに込められた、こだわりある生産者の想いやストーリーもご紹介しています。
元CAの経験を生かしたライフスタイル系ワイン講座は随時開催、BYO(ワインの持ち込み)コンサルティングも手がけています。