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イタリア自然派ワインイベントの熱気にノックアウト

自然派ワインの魅力の源泉に迫る

2017年11月にパルマ郊外で開催された自然派ワインイベントの模様をレポート

数式「人+ブドウ=?」

ワイングラス

グラスにもメッセージがこめられている

 

さて問題です。突然ですがこの数式の解はなんでしょう?

答えは「ワイン」です。

特に自然派ワインににおいては、造り手の人柄はもちろん、ワイン造りへのこだわりや情熱や哲学、もっというと生き様までがワインに現れるのです。

そんなことを実感するワインイベントに出会いました。

自然派ワインとは、ブドウ畑での栽培過程においても、醸造過程においても、農薬や化学肥料や合成物質を用いず、できる限り自然のままの製法で作られたワインのことです。

ただしその定義に関しては多くの異なった見解や解釈があるので、ここでは定義についてはあえて明言しないことにします。

実際イタリアに来てみてワイナリー訪問やイベント等を通じて自然派ワインのなかでも酸化防止剤の役割を果たす亜硫酸塩の含有量、ろ過や清澄作業の有無、発酵方法についても造り手によって様々な主張があり派閥のようなものがあることに気づきました。

でも彼らに共通して言えることは周囲の環境に配慮したブドウ栽培をしてブドウのありのままをワインに閉じ込めて飲む人達に届けようという熱い思いです。

自由すぎる自然派ワインイベント

パルマ郊外のFornovo di Taroという小さな町で行われたVini di Vignaili (http://vinidivignaioli.com/)主催の自然ワインイベントには180近い造り手がイタリア全土から集まりました。

会場は殺風景な体育館のような施設で、装飾もなく、ただエリア分けを示すA、B、Cなどの表示があるのみでした。

それまで私が参加したワインイベントは、ホテルの豪華なバンケットルームや貴族の館などで開催されていました。そんなシャンデリア煌めく優雅な空間で、黒い制服をびしっときめたソムリエからうやうやしくワインを注いでもらって、貴婦人になったような気分でいつも試飲していました。

ところがどうでしょう。ここでは簡素な机が並べられるのみで、造り手の後ろにはワインの箱がうず高く積まれています。

 

会場

熱気が伝わりますか?

引っ越し直後の家の中みたいに雑然としているし、皆まるでついさっきまで畑仕事をしていたかのような普段着です。

おまけに造り手と参加者が入り混じって白熱の議論を繰り広げていて、誰が造り手側なのかよくわからないほどのカオス状態だし、他のワイナリーのブースに飲みに行ってしまって、ずっと不在のままのブースもあったりとその自由すぎる光景に唖然としてしまいました。

「何これ、、、、、、、楽しい!」

Giampaolo

ピエモンテ州Cascina BoccaccioのGiampaolo

外は小雨降る肌寒い日だったにも関わらず、会場内は人々の熱気が天井まで渦巻いていました。

造り手との距離が近いのもこのイベントの魅力で、テクニカルな説明だけでなく、なぜその手法を選んだのかという踏み込んだ話まで一対一でじっくりと聞くこともできました。

まさに自然派ワインの生のままな魅力を体現したような飾らないワインイベントでした。

きっと私は、自然派ワインそのものの味わいも造り手ももちろんですが、このワイン熱みたいなものも含めての、全てがどうしようもなく好きなんだと、この日実感しました。

この記事を書いた人

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MINA
外資系金融に長年勤務するも、イタリアワインが好き過ぎて2017年よりイタリアに渡航し、ローマ近郊のワイナリーMARCOCARPINETI にてブランドアンバサダーとしてPRや翻訳を担当しワインの研鑽を積む。滞在中にイタリア中を旅して出会ったイタリアのワイン、人、文化の魅力を伝えます。

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