1万キロ離れた生産者から日本の消費者まで、品質に徹底的にこだわることで知られるフランス銘醸ワインのインポーター、「フィネス」の試飲会に合わせて、「ブルゴーニュの神さま」の甥のエマニュエル・ルジェ氏の後継者ギョーム・ルジェ氏のセミナーが行われました。

 

ワインづくりにマニュアルなし

来日したギョーム・ルジェ氏。エマニュエル・ルジェ氏の次男。

2018年冬季オリンピック・パラリンピックの終了を待っていたかのように桃や梅の開花が春を告げる3月19日、フランスワインだけを扱うインポーター、フィネスさんの試飲会が行われました。

フィネスさんの試飲会は毎回フランスの名高い生産者のワインを試飲できることからとても楽しみにしているのですが、今回のハイライトはエマニュエル・ルジェ氏の次男で、醸造と営業を担当するギョーム・ルジェ氏の来日でした。

エマニュエル・ルジェといえば、「ブルゴーニュの神さま」といわれた伝説的なワインメーカー、アンリ・ジャイエ氏の甥っ子です。

1985年に1haから始まったドメーヌ、エマニュエル・ルジェ。初の畑はフェルマージュ(借地小作契約)のヴォーヌ・ロマネ・ヴィラージュでした。

現在は9.5ヘクタール、グラン・クリュのエシェゾーを筆頭に3つのプルミエ・クリュ、5つのヴィラージュに、レジオナルを含め16のアペラシオンを手掛けています。コート・ド・ニュイ、コート・ド・ボーヌにあるそれぞれの畑土壌の特徴は異なりますが、一貫するワインの特徴は「エレガントでしなやか、果実味を持っている」こと。

高名なエシェゾー、プルミエ・クリュのヴォーヌ・ロマネ クロ・パラントゥーには力強さと相反するエレガントさ、複雑みがあり、10年の熟成を経てから飲まれるのがよいでしょう。

エシェゾー グラン・クリュ。左のボトルはアンリ・ジャイエ氏の兄ジョルジュ氏所有畑をメテヤージュ(分益耕作)。畑作業、醸造、熟成を同じように行っています。右との違いは新樽率。

1989年、偉大なアンリ・ジャイエ氏の引退後、後継者となったエマニュエル・ルジェ氏。「ワインをつくるのではなく、ブドウを最良の状態に導くガイドであること」という叔父の教えを守り、ブドウにとって最善の畑仕事を可能な限り行なっています。選果、除梗についても、10~15℃の低温マセラシオンを行うのも、アンリ・ジャイエ氏のスタイル、というお話をギョームさんからうかがうことができました。

2006年より参画した長男のニコラ・ルジェ氏の名を冠するワイン、オート・コート・ド・ニュイ 2014と2015の比較試飲。

それぞれの畑から生まれるブドウは生産される年によっても特徴は異なるため、決まった栽培方法などはなく、「最良のブドウを育てることにルールなし! ワインづくりにマニュアルはない!!」とも語ってくれました。

エレガントで繊細、芸術とも称されるエマニュエル・ルジェのワイン。「温度管理はワインに大きな影響を与えかねない」と、熟成中の温度は14-15℃に保たれているそうです。

そんなドメーヌの元から離れ、陸路・海路、保管に細心の注意を払うインポーター、フィネスには全幅の信頼を寄せている、とギョームさん。今後も、輸出は1国1社が固持されそうです。

素晴らしいワインの品質を変えることなく味わってほしい!

生産者が信頼するインポーターが運ぶワインを選ぶことが、そのワインへの敬意の表れとも言えそうです。