イタリアの翼

ゴローザの休日。航空自衛隊のテーマパークへ行ってきた。

静岡県浜松市にある、航空自衛隊の広報館「エアーパーク」。日本で唯一の航空自衛隊のテーマパークである。館内は大きく分けて、展示資料館、全天周シアター、展示格納庫の3つ。見て体験して楽しめる。特に、展示格納庫は見応えたっぷり。

「ゼロ戦」や「ブルーインパルス」を初め、実物の航空機が19機展示されている。航空機マニアでなくともテンションがあがる。いくつかはコックピットに試乗可能。退役機の「ブルーインパルス(T-2)」のパイロットシートに座ったときは、嬉しさと興奮に満ち満ちた。

格納庫内のスロープ上部から眺める機体群は壮観だ。ボディや主翼には赤い日の丸。その中でたったひとつだけ、何か違う空気をまとっている飛行機があった。「あれぇ?…これってイタリアの国旗みたいだ…」

はやる気持ちを抑えられずに、係員に尋ねてみると、まさにわたしの直感は当たっていた。

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SVA-9(アンサルド社・イタリア)

1920年、イタリアから日本に、初めて海外からの訪日飛行が行われた。アンサルドS.V.A.9 偵察機を改造した長距離機2機にフェラリン中尉ら4名が分乗、同年2月14日ローマ発、インドを経由して5月11日東京代々木練兵場に到着した。

「そうか、やっぱりイタリアのバンディエーラ(国旗)だったんだ…
しかも出発した日が2月14日だったなんて…」
イタリアらしい色使いの洒落た小型機は、息子が生まれた69年前の同じ日に、遠い遠いローマからやって来た。思い起こせば、わたしの初渡伊飛行は、イタリアの翼(Alitalia)で逆ルートのインド経由ローマ行きだったなぁ… あの時は22時間で済んだけど。

もし、自分が男に生まれていたら、何になりたいと思うのか(何になっていたのか)…と、普段考えもしないことを考えてみたゴローザだった。

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SVA-9(後方より)
※手前は、退役機であるブルーインパルス機(T-2高等練習機・1982年-1995年)

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展示格納庫(全景)
※上方右にSVA-9

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ゴローザ通信
浜名湖畔の風光明媚な集落に生まれる。主婦、ときどきイタリア語通訳・翻訳・コーディネーター、アートユニット活動もしています。
※「ゴローザ Golosa」とは、イタリア語で「食いしん坊」のこと。「食に対して貪欲である」ということから「好奇心や探究心が旺盛な」という含みも。

落ち着くところ:水のある風景
リピートしたいところ:イタリア、南アフリカ

ゴローザが、日々の暮らしの中で見つけたこと、感じたこと、好きなことなどなど…心のおもむくままにお届けします。
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