飛行機の乗継ぎ含め東京から約20時間、目指すはスペイン北部 バスク地方のちっちゃい町「サン・セバスティアン」 かなり遠くて、到着した時には、ほぼエコノミー症候群でした。でも、来た甲斐は十二分にありました。そこはまさに、「美食の聖地」でした。

美食の聖地  その理由とは?

サン・セバスティアン路地
 
サン・セバスティアン夜の路地

サン・セバスティアンの路地

 
ピンチョスとワイン

山と積まれたピンチョスとワイン

まず、1点目。

物価が日本よりも安い。何よりもまずそれが食を楽しむ前提として嬉しい。食だけではなく、ワインも2~3€で一杯飲めてしまいます。バスク地方独自の白ワイン「チャコリ」も初めて体験しました。

チャコリを注ぐ

チャコリを注ぐスタッフ

ピンチョス

カウンターにずらりと並ぶピンチョス

チャコリは、バスク地方で作られる主に白ワイン。柑橘のさわやかな香りとフレッシュな酸味、そしてほんのりとした苦味が特徴的で、発泡しているので色々な料理をリセットしてくれるバル巡りのパートナー。

まぁ一言でいうと、「全てのホムパ対応型カブ飲み白ワイン」ってところでしょうか?

さて、話を戻します、「美食の聖地」である理由、2点目です。

それは、飲み歩き出来る徒歩圏内に全てバルがひしめいている。一夜でたくさんの食を楽しめる地理的条件です。イメージとしては、全てイートイン出来る戸越銀座の商店街×3倍をイメージしてもらえればいいかなという感じですね。(雑に言うと)

ピンチョス

どの店にも美味しそうなピンチョスが並ぶ

3つ目は、食の「守備範囲」の広さ。

野菜からキノコ、魚、お肉まで全部あります。いわば「長友レベル」の守備範囲。しかも、一串に全てを込めたコンパクトなピンチョススタイルで提供されます、視覚からの食の愉しみを掻き立ててくれますし、後は本能的に攻撃すればいいだけです。一夜に沢山の種類を少しずつ味わうことを可能にしているスタイルが最高です。

ピンチョス
ピンチョス
 
ピンチョス
ピンチョス
 
ピンチョス
 
ピンチョス
 

そして、最後の1つ。

これが私は一番重要なポイントだと思いました。それは、バルではもちろん、陳列されているピンチョス以外の料理を普通に掲示板メニューから頼むことができるのですが、スペイン語がわからなくても大丈夫という「仕組み」があることです。

バルの店内

メニューが書かれた掲示板

どういうことかというと、掲示板ではなく、隣を見渡していろいろな人が食べている料理から、「この隣のおじさん食べたやつと同じをください!」 。これでバルは全てOKなのです。

ピンチョスとスプリッツァ
 

バルにはたくさん人がいて、みないろいろな料理を食べている、それがいわばメニューなのです。これがサン・セバスティアンのバルの魅力だと思いました。

食べたい料理が食べられる仕組みが、バルの店内の中に完璧にあるのです。

この美味しそうなセットも誰かが食べて、飲んでいたものを発注しました。

そもそも、まだ見ぬ美味しい料理を食べたいという人にとっては、食べたことのないものをオーダーすることになります。

美食の「発見」には、常にためらいがつきまといます。

でもここでは、誰かが美味しそうな「何か」を隣で食べていて、その人が「美味しそうな顔」をして食べていたら、それを頼めばいいだけです。この2ステップに言葉は必要ありません。

隣の料理を指差して「same one, please!」。私も、食べたいモノがこのワンフレーズで自動的に出てきました。笑

満員のバル 

そして、その料理を食べていると、今後は隣にいる外国人がこちらを見て、「それ美味しそう、この人の料理をください」となります。まさに食ビジネスを支えるエコシステムがここにはありました。

  

美味しいワインは減っているワイン

ワインに関しても同じでした。何度も空瓶になっている赤ワインがありました。美味しいのは、言うまでもなく地元の人がたくさん飲んでいるワインなのです、一杯3€しなかったと思いますが、これはすごく美味しかったです。

Ylleraワイン
 

ワイン:Yllera vendimia sellectionada (24meses en barrica)
要はヴィンテージを厳選して選んだブドウで24ヶ月熟成してますからってことですね。

Ylleraはマドリッドの北西になる「ルエダ」地方のワイナリー。ルエダといえば「D.O.ルエダ」のベルデホの白ワインですね、白のイメージしかなかったのですが、赤ワインも素晴らしかったです。ついつい大人は、知識と同じく偏見もセットで付いてくるものです。

気をつけなくてはと思う今日この頃です。酸もあって食欲を掻き立て、いろいろな食のバラエティに負けないボリュームもある。

ただそれらは全て「繊細」なタフさであり、あくまでピンチョスを愉しむことを応援しようという赤に仕立てられています。このセレクトは素晴らしいなと思いました、

オススメです。まさに、バル巡りの後半戦にぴったりの赤ワインです。

サン・セバスティアンに2日滞在して思ったこと

満員のバル
 
ピンチョスを選ぶ客
 

最初は気づかなかったのですが、バル同士の人々も何だか仲良さそうなのです。ライバルであるはずのバル同士が互いに仲良く、地元のお客さんを共有して、お客さんは楽しく飲み歩く。

その食べる姿に観光客は魅せられ、どんどん美味しそうな料理を頼み、ペアリング最高なワインがそれに拍車をかける。でも胃袋には限界はある、全部は食べきれない。

そしてこうなる、「これは食べたい、でももう食べられない・・・。また今度来たい!」と。それがサン・セバスティアンの食文化だ。

結論、サン・セバスティアンは、バルという密着した中だからこそ、「美味しそう」と「美味しい」が無数に連鎖する、美食の聖地でした。

Fin.

この記事を書いた人

HIROSHI
HIROSHI
東京都内で働く30代サラリーマン。(J.S.Aワインエキスパート)
忙しい毎日の中で、お酒について見つけたこと、感じたこと、好きなこと、愉しかったことなど、ワイン×ライフスタイルを中心テーマに、徒然なるままに色々なことをリーマン視点で、提案していきたいと思っております。