ワインと音楽、あわせるなら何と何? WINE WHAT onlineに今回から参加する、ピアニスト&ワインコラムニストのShioriさんは、パリに留学中からそんなことを探求しています。第一回目は夏らしい、シャンパーニュのシャルドネと、スペイン風の一曲との、ちょっと意外なマリアージュ提案。朝シャンです!


パリのフェット

みなさん♪
初めまして、ピアニスト&ワインコラムニストのShiori です。

私は高校卒業後にパリに留学し、6 年間パリ15 区のアパルトマンで生活をし、音楽だけに留まらず絵画や建築などの芸術、そしてワインや食の文化に触れ様々なことを見てきました。

特に私が音楽以外で大好きだったのが、皆で美味しいワインやおつまみをホストの家や公園に持ち寄り、友人たちと気軽に《fête フェット》(ホームパーティ)をする粋なパリ文化。まずは皆と頬を寄せ合わせて口でチュッと音を出すBise(キス)の挨拶を忘れずに。

例え年上の方やコンセルヴァトワールの教授達がいても不思議と緊張や垣根は無く打ち解け普段なら聞けなかった話に出会える素敵な時間でした。

晴天の日にナポレオンも眠るパリ7 区アンヴァリッド前の公園で

日本に帰国後ももっと『音楽・ワイン・人』が温かく結びつくような文化が広がれば、きっともっと素敵な言葉や感情が芽生えるのでは?と思うようになりました。

手土産にワインが多いのは、少しオシャレした姿にワインボトルを持つことがきっと絵になるから。(約半数は袋に入れずに瓶をそのまま手にしてやってきます。)きっとfête にはフランス人にとって、行く前も行った後も心を躍らせる素敵な魔力があるのでしょう。

シャンパーニュ、音楽だったら?

先日たくさんのワインに出会える銀座6丁目にあるENOTECA MILLE(エノテカ ミレ)へ手土産にぴったりなワインを探しに行ってきました。



MILLE(1000)の名の通り約1000 種類にも上るワインが並び、併設されたカフェ&バーでワインや料理を楽しむことができます。

まず《Apéro (アペロ) 》(Apéritif アペリティフ「食前酒」の略)。フランス人の夜は軽い1杯と軽いおつまみで楽しむApéroで始まります。

私はミネラル感豊富で軽やかな口当たりのシャンパーニュをいただきました♪

美味しい……!

シャンパーニュ ヴァランタン・ルフレーヴ エクストラ・ブリュット・ ブラン・ド・ブラン

まるで潮風の中で味わうような爽やかな香り、夏にぴったりの1 本です。

シャルドネの畑は古代より堆積した海洋の化石などを含んでいるらしく、大地からブドウの果実に歴史が染み渡っていると思うと、今こうして味わえることに感謝がこみ上げます。爽やかな瑞々しい香り、涼しく雨の多い地域で自然条件を克服するために完成したのがシャンパーニュ。ついつい清々しい味わいにゴクッと一飲みしてしまいそうですが、ゆっくり味わいたいですね。

このシャンパーニュを味わいながら私の耳には、モーリス・ラヴェルの「道化師の朝の歌」という曲が聞こえてきました

オーケストラ版のレコード

モーリス・ラヴェル (1875-1937)
スペインにほど近いバスク地方で生まれた。

この曲はスペインの街で、朝帰り男の目に映る朝の光と陰を色彩豊かに表現している一曲。

友人とワインを傾けた翌朝、新しい1 日の始まりに希望を託して朝昨夜の残りの1杯のシャンパンを楽しむ、そんな優美で粋なヨーロッパの文化に留学したての頃は衝撃を受けました。

数年前に放送されたドラマ『のだめカンタービレ』で主人公のだめがまずパリのアパートで演奏した曲もこの曲でしたね。

細やかな泡立ちのような連打音、心を躍らせる軽快なバスのリズム。そして中間部の感傷的な男のバラードソングのような旋律。そして大いなる希望を胸にまだ先の見えぬ道に大きな一歩を踏み出し曲の幕を閉じます。

是非みなさんそれぞれの思いを曲に乗せワインの味を心にメモして見ませんか。

この記事を書いた人

Shiori
Shiori
ピアニスト/ワインコラムニスト
ピアノ留学でパリに6年間暮らす。留学中は音楽だけでなく絵画や建築などの芸術、ワインや食の文化に触れ研鑽を積む。コンクール等で訪れたヨーロッパの国は20カ国以上。帰国してからのコンサート出演数は500回にのぼる。
フランスやイタリアの家庭に滞在し、豊かな食生活に触れ、ヨーロッパでワインを楽しむ時は、必ずそこに景色や会話、音楽の記憶が付随している事を感じ、日本でもワインに景色や音を合わせられるような存在を目指す。
ワインと曲のマリアージュを研究しており、ワインの香りや味わいに合う曲をイメージし、音楽とワインの新しい楽しみ方を提案している。