シラクーザお風呂事件…その後。

あの出会いから早や7年。こうしてご縁は続いている。

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シラクーザ旧市街オルティージャ島『雨上がりのドゥオーモ広場』
エンツォの『Charme Ares B&B』からは徒歩5分。

『シラクーザお風呂事件』(6月20日掲載:wine-what.jp/lifestyle/3676/)に登場したシチリア人のエンツォ、いつも忘れた頃に近況を知らせてくる。6月8日の朝のこと、半年ぶりにメールが届いていた。なんでも昨年12月の時点では、クローズしようと思っていた B&Bを、引き続き経営していくことに決めたとあった。毎回必ず触れてくるのは「誰か日本人のお客さんいない?」そんなに日本人に来て欲しいのか…? 確かにわれわれ日本人は旅先でもマナーが良いとの評判だ。タオルミーナまでは行ってもシラクーザを訪れる日本人はまだまだ多くはないということなのか…?

それから、こうも書いてあった。「6月の末に、ぼくの親友2人が日本に行くんだよ。東京と京都に行きたいんだって。東京には信頼できるキミ(わたしのこと)がいるじゃない? スケジュールが合えば、ぜひ彼らの力になってあげてよ〜」その後、エンツォは3度に渡り、アップデートされた友だちの旅程をわたしにメールしてきた。そんなわけで連絡先を知らせておいた。

「友だちに伝えたからね〜」そう言われたからには、当然その「おともだち」から、なにかしらの連絡が入るだろうと、取り合えず予定を空けて待っていた。外国人が行きたいスポットや食べたいモノはなんだろう…あれこれ思考を巡らせて。ツーリスト目線で考えたときに東京は意外と困ってしまうのだ。なんせ広いし、なんでもある。

以前もイタリア人のアテンドをしたことはあるのだが、やはり個人個人で興味も違う。アブルッツォ州のテーラモから来た40代のバッグメーカー社長は、浅草観光と新宿でのマーケティングリサーチを希望した。二十歳のミラネーゼ女子の場合は、銀座三越 → 六本木ヒルズのスカイデッキ → 渋谷スクランブル交差点 → 109の上階から下まで各フロアーでショッピング → ネイルサロン という具合だった(ランチはカツ丼そばセット)。

果たして今回のシチリア人男子はどんなご要望があるのだろうか?? 結論は… 電話もメールもないままで、東京滞在予定日は過ぎていった…
なんてこと! わたしは今ごろ気づいたのだ。これってエンツォのおせっかい?

そうだ! 彼らは、端からわたしにアテンドなんて頼むつもりはなかったのだ。エンツォってとことん親切な人なんだなあ。

こんなエンツォだから、彼のB&Bでは心地良いホスピタリティに浸れるのね。

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ゴローザ通信
浜名湖畔の風光明媚な集落に生まれる。主婦、ときどきイタリア語通訳・翻訳・コーディネーター、アートユニット活動もしています。
※「ゴローザ Golosa」とは、イタリア語で「食いしん坊」のこと。「食に対して貪欲である」ということから「好奇心や探究心が旺盛な」という含みも。

落ち着くところ:水のある風景
リピートしたいところ:イタリア、南アフリカ

ゴローザが、日々の暮らしの中で見つけたこと、感じたこと、好きなことなどなど…心のおもむくままにお届けします。
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