ハチミツで造ったお酒を飲もう!

ワイン好きな人に気に入ってもらえるミード酒造りに挑戦!!

クレオパトラも飲んでいたといわれる最古のお酒。美味しいミード酒(蜂蜜酒)をもっと知って欲しい! 塩尻ワイン大学二期生、Misaの挑戦!
ミード酒を仕込む島田さん

ミード酒を仕込み中の筆者

ミード酒(蜂蜜酒)とは?

読者の皆さんは、Meadというお酒をご存知だろうか? ハチミツに酵母と水だけを加え、発酵させた醸造酒。ヨーロッパなどでは古くから親しまれ、日本でも少しずつ愛好者が増えている。

ハチミツの優しい味わいが特徴で、アルコール度数は5~14%程度。ハネムーンの語源にもなったといわれている。中世のヨーロッパでは、新婚の二人が外出せずに1か月間ミードをつくり、新郎に飲ませて子作りに励んだとの記録がある。これはハチミツに強壮作用があるとされたことと、蜂の多産にあやかるためではないかとされる。そのことから「蜂蜜」の「1か月」=「ハニームーン(honeymoon)」の語源になったと言われている。

「ミード (Mead) 」は日本ではまだ、よく知られていないが西洋ではたびたび神話や歴史物語、詩にも登場してくる伝統的で神秘的なお酒である。ハチミツと水と酵母菌を発酵させてできあがる「醸造酒」であるが、ワインや飲料アルコールにハチミツを溶かしたものとは異なる。

アルコール度数はワイン並みで、すっきりした風味のドライタイプから濃厚な甘口、そしてスパークリングまでバラエティーに富んだテイストが楽しめる。見た目や風味も白ワインによく似ているが、口の中に広がる味わいはまた違い、冷凍してからグラスに注ぐとドロっとした凍結酒(※1)として飲める楽しみもある。
※1:全てのミード酒ではないかもしれない。後で紹介する峰の雪酒造場で造られたものは凍結酒になる。

3月10日を「ミードの日」に制定

一般社団法人日本ミード協会(代表:代表理事 宇野伸吾 所在地:京都市中京区)では、ミードのさらなる発展普及のため、3月10日を「ミードの日」の記念日として定め(3=みぃ、10=どお)、毎年ミードの普及・発展に努めて活動している。2018年3月6日に「第1回日本ミードフェスタ」がヒルトン東京にて開催され、日本全国より蜂蜜酒(ミード)の製造元・販売元10社が参加し、試飲会やプレゼンテーションが行われた。

ミード酒造りの第一人者に醸造を学ぶ!

ミード酒に魅せられ、ワイン好きな人に気に入ってもらえる味わいのミード酒を造れないかと追及していた筆者は、光栄にも日本ミード協会の正会員である、有限会社 峰の雪酒造場(所在地:福島県喜多方市)の佐藤利也さんの指導のもと、実際にミード酒の仕込みをさせていただくチャンスに恵まれた。杜氏の佐藤利也さんは、日本で初めて純国産蜂蜜と日本酒酵母の組み合わせでミード酒の製造に成功した第一人者である。佐藤さんの造った、すっきりとした味わいのミード酒を一口飲んだ瞬間から衝撃的な感動を覚え、瞬く間に指導いただくことを懇願していた。

峰の雪酒造場の杜氏、佐藤利也さん

峰の雪酒造場の杜氏、佐藤利也さん

菩提樹のハチミツで造ることに決定!

いろいろ考えた結果、今回は菩提樹のハチミツでミード酒を造ることに。杜氏の経験から、ワイン好きな方たちに喜んでいただける味を導き出し、国産にこだわりたかったので北海道から良質な菩提樹のハチミツを取り寄せた。菩提樹は昔から愛され、お茶や化粧品にも使われている人気の高い花である。菩提樹の蜜源は、日本では「シナノキ(科の木、級の木)」、ヨーロッパでは「リンデン(リンデンバウム)」と呼ばれる、シナノキ科シナノキ属の落葉樹。ヨーロッパではハーブの一種としても知られ、高いリラックス作用を持っていることから、不眠症の改善や頭痛、高血圧、動脈硬化の予防に良い効果をもたらしてくれる。そのほかにも、花・木それぞれに良い効果・効能があり、「1000の用途があるハーブ」とも言われ、それと同様の効能がはちみつにも確認されている。

一斗缶に入った菩提樹のハチミツ

一斗缶に入った菩提樹のハチミツ

仕込みスタート!

やっと届いた貴重な黄金の蜜。一斗缶に入った菩提樹のハチミツをサーマルタンクに投入していく作業を繰り返す。想像以上に、かなり重い。いったんハチミツを注いだ後は、少量の微温湯を加えて蓋をして、フルフルと振って中に残っているハチミツをできるだけタンクに入れていった。天然水を加えて全体量を調整後、Brix(※2)値が26度からの醸造スタート。日本酒用の生酵母を加えて攪拌させる。その後は毎日一回、攪拌作業をしてBrix値の様子を見ながらアルコール度を上げていく。
※2:Brix(ブリックス)値は、主に食品産業のワイン、精糖、果実農業などで、ショ糖(いわゆる砂糖)、果糖、転化糖、ブドウ糖など、いわゆる糖の含有量を測るために、糖度として用いられる物理量である。(Wikipedia参照)

生酵母

使用した生酵母

今回の菩提樹ミードは、40日ほどで発酵が落ち着いた。味わいも上品で、なんともいえない美味しさだ。

塩尻ワイン大学二期生、Misaの挑戦! 「菩提樹ミード」はこちらで購入できます。ぜひ味わって、体験していただきたいので、宜しくお願い致します。
http://www.le-raisin.jp/shopdetail/000000002729

この記事を書いた人

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Misa "Pixie" Shimada
海外ワインオークション代理人として、ワインの個人輸入をサポートしながら、都内のワインバーやワインショップをプロデュース。
六本木にあるワインバーのチビッコマダムでもある。
2018年春に応募者多数で狭き門の塩尻ワイン大学二期生に合格し、現在は塩尻市に通いながら、葡萄栽培と醸造を勉強中。
近い将来にワイナリー創業を目指している。
落札代行「ワインオークションクリマ」http://www.climat.org/auction/

Facebook Page:https://www.facebook.com/misa.shimada

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