ブルゴーニュの神さま

お誘いをいただいた日から、待ちかねていたこの日。
群馬県高崎市の結婚式場、高崎モノリスへ、やってきました。

といっても結婚式を行うのではなく、群馬県高崎市の仲沢酒店企画開催「メオ・カミュゼ ワイン会」のため。

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結婚式場のお食事というステレオタイプな観念が吹っ飛びます。

メオ・カミュゼといえば、ヴォーヌ・ロマネにおいてトップドメーヌと称されています。その主な理由は、「ブルゴーニュの神さま」と呼ばれたアンリ・ジャイエがかつて小作人として働き、引退後も彼の指導を受けて、2006年に亡くなった現在も素晴らしいワインを生み出し続けているからです。

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インポーターである株式会社フィネスの木嶋氏をナヴィゲーターとして迎え、万全の準備がなされます。

会の始まりは白ワインから。ブルゴーニュ オート・コート・ド・ニュイ、クロ・サン・フィリベール モノポール、2014&2011。
サービス温度は12.5℃。人間が「美味しい!」と感じる温度を追求した温度で完璧に管理されています。
2014VTは香りがグラスから立ち上り、味わいは果実味豊かでフレッシュ。
対して2011VTは、香りは穏やかながら、味わいに厚みがあり、旨みも感じられます。
ヴィンテージの差でしょうか、熟成の差でしょうか。
こうした体験から、ますますワインの魅力に引き込まれます。

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Premier
「軽く火を入れた烏賊とガスパッチョ」「焼きとうもろこしのムース」「胡麻をまとったサーモンマリネ」。

さて、ワイン会のもうひとつの楽しみは、もちろん食事。料理のプレート数はデザートまで7種類。フランスで修行されたシェフが腕をふるいます。

さあ、ワインはブルゴーニュ・ルージュへ。2014VT、2006VTが並べられます。若さゆえか、はつらつとフレッシュな2014VTに対して、2006VTには太くフルーツの実の厚さを感じます。樽の香りも顕著で、これはDRCやメオ・カミュゼの特徴とも言われています。

そしてブルゴーニュ・ルージュ 2002。細かなオリが見え、フチの色調も枯れ、うっすらとしています。高貴な香りがのぼり、舌に旨みがのります。心地のよいワインです。

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ブルゴーニュ・ルージュ 2002。いつまでも飲んでいたいと思わせるワイン。

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Deuxieme
「オマール海老とそのクレーム。キャビアとマンゴー」。トロピカルなマンゴーがオマールと合う。

ワインは、マルサネ・ルージュ 2014がサーブされる。コート・ド・ニュイの北に位置し、また樹齢は20年代とやや若く、「冷たい印象」と言われることもあるようですが、供出温度18.5℃と、これも人間が「美味しい」と感じる温度でサービスされているためか、まろやかで、フルーツの甘みが感じられる味わいです。

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Troisieme
「鮎のコンフィとズッキーニの取り合わせ」。鮎の肝をソースにし、緑が冴え目にも鮮やか。 しっとりとした身、カリッとした表面は味わいと相乗効果の感動を呼びます。

続いて、フィクサン 2014とフィクサン プルミエ・クリュ、クロ・デ・シャピトル 2013。
ヴィラージュとプルミエ・クリュの違い、そしてヴィンテージ違いを比べてみます。
色調はフィクサン 2014は紫がかり、ブルーベリーのような印象でジューシー。
対して、フィクサン プルミエ・クリュ クロ・デ・シャピトル 2013は、日本のさくらんぼのような果実味を持ち、比較的酸みが顕著です。

近年ブルゴーニュは気候が不安定で、生産者のストックもままならないほど減収が続いていた中、2014年は比較的安定し、収量も平均的となった年でした。つまり良年と言えるでしょう。

2013年はブルゴーニュの生産者にとって厳しい年となりました。開花期の雨のせいで、結実不良を起こし、ぶどうの実が均一に房に揃わず、結果、ワインのために使用されるぶどうは限られます。

不良と言われる年に、何をするか?

放っておいてもぶどうが健全に育つ条件下であれば、生産者の苦労は軽減されるでしょう。雹やあられなどの天災、カビや害虫などの被害からぶどうを守り、いかに創意工夫を凝らし、愛情をかけるか。

世界に名だたるブルゴーニュにおいて、トップと称されるひと握りの生産者たちは、不良年でも良年を凌駕するほどにワインをつくりあげます。それは魔法でも超能力でもなく、知識と経験によることは間違いないでしょう。

という、フィネス木嶋氏のお話をうかがいながら、会は楽しく進行していきます。

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Quatrieme
「じゃが芋を巻いた天使の海老のフリット、夏野菜とご一緒に」。シェフの「野菜を召し上がっていただきたくて・・・」と夏野菜をさらに美味しくいただくために、ダシの風味をまとったジューシーなお野菜が並んでいます。素材が生かされたひと皿ひと皿とワインに酔いしれます。

ニュイ・サン・ジョルジュ、プルミエ・クリュ オ・ザルジラ 2013。一般的にニュイ・サン・ジョルジュはマッチョであり、ぎゅっと緻密な印象を持つワインですが、メオ・カミュゼのワインはそこにエレガントさが備わっています。

ワインにおいて、キャラクターが出やすいかな、というものを順番で現すと、
【1】生産者、【2】ヴィンテージ、【3】テロワール、と言われるそうです。

どの生産者も「テロワールが1番」という想いでワインを作っていると思いますが、もしテロワールがすべてだとしたら、どの生産者がつくっても「同じ味」になってしまいますよね。

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Cinquieme
「築地から入荷のお魚、濃厚なジュ・ド・ポワソン」。萩から届いたアマダイ。口にはまだ針がついていたそうです! 上品なスープ・ド・ポワソンがソースに仕立てられています。

最後のワインは、シャンボール・ミュジニー、プルミエ・クリュ レ・クラ 2013です。

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アルコールにではなく、美酒に酔いしれる。

ここに至るまで数杯を飲み干しましたが、このワインの繊細さに、はっとさせられました。先ほどのニュイ・サン・ジョルジュの厚みから比べると、さらにエレガントで、奥ゆかしさを感じます。

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Sixieme
「シンプルに焼き上げた仔羊背肉、そのジュ、ブルーチーズ、黒にんにく3種のソースで」。丁寧に骨を外し、丸くすることで肉汁を逃さず焼き上げたひと皿。ほんのり熱の通ったレア加減。

フランスで研鑽をつんだというシェフのお料理は、フレンチをベースに、自身でさらに高みへと昇華させていて、どれも絶品。最近の結婚式場って変わったんですね。

さらに専属パティシエによるデザートは、香りや食感に存在感があり、五感で楽しむプレートでした。

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「濃厚なガナッシュショコラのスクエア、オレンジのソルベとパッションのアクセント」。確かに濃厚ですが、不思議なことに口当たり軽快で、お腹いっぱいだったハズなのに、スプーンが止まりません!

フランスワインとフランス料理のこの日のマリアージュはすべてが完璧で、高揚しっぱなしの数時間でした。奇跡の出会いに感謝です。

仲沢酒店:http://www.nakasake.com/
株式会社フィネス:http://www.finesse-wine.co.jp/
高崎モノリス:http://produce.novarese.jp/tkm/

この記事を書いた人

ウスイ 潤
ウスイ 潤
「百聞は一見に如かず」
好奇心を原動力に美・知・英を求めるブログ、
好きなもの、写真に撮って、アーカイブ。

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