観測史上全国的に遅い梅雨明けを迎え、猛暑日となった8月4日、太陽の炎にも負けないほど熱いソムリエたちによる戦いが繰り広げられた。
ソムリエコンクール 

優勝者は井黒卓選手

戦いの始りは2020年2月19日、『第9回全日本最優秀ソムリエコンクール』予選が全国5都市にて開催されました。「我こそは世界を制す!」と、内なる大志を抱え集まったソムリエは120名。テイスティングおよび筆記試験を経て23名が選考されました。

『第5回A.S.I.アジア・オセアニア最優秀ソムリエコンクール日本代表選考会』を兼ねたこの予選は、勝ち抜けば文字通り日本代表選手としてアジア・オセアニアでの戦へ、ひいては世界の頂点を競う『世界最優秀ソムリエコンクール』という主戦場への切符争いと言えます。

3年に1度行われるこの世界大会での優勝はソムリエにとって輝かしい唯一無二の栄光と言って間違いないでしょう。そう、1995年世界最優秀ソムリエコンクールで優勝した田崎眞也氏の栄誉と活躍は、わたしたちがよく知るところです。

予選にて選考された23名は8月3日に行われたクォーターファイナルを経て12名がセミファイナルへ進みました。ここで優勝を共に競い合う5名が選出、翌8月4日午前開催のファイナル、午後開催のグランドファイナルへと進出しました。

出場選手は、ファイナルでの成績順に井黒卓選手、森本美雪選手、佐々木健太選手、中西祐介選手、近藤佑哉選手が並びます。誰が今回の栄冠を頭上にしても疑わない精鋭揃いです。

グランドファイナルでは、檀上にテーブルが並び、実際のレストランを想定したサービスを行い、課されたテーマを知識と所作、語学を駆使し乗り越えます。

3時間におよぶグランドファイナルの結果、第9回全日本最優秀ソムリエコンクール優勝者は井黒卓選手が選ばれました。

『気遣い、心遣い』を大切に、鍛錬を重ねてきたと語る井黒選手のグランドファイナル舞台上の姿は終始笑顔で、楽しんでいるようにも見えるほど余裕が感じられました。が、実際は手が震えてしまうほど緊張していたことなどを挙げ、メンタル強化、サービスに費やす時間配分など、試合後の冷静な自己分析を行い、さらなる高みへと上昇するための課題がすでに見つかったようでした。

優勝した井黒卓選手

優勝した井黒卓選手。余裕すら感じさせる自信に満ちた表情。世界大会での笑顔も期待しています!

そしてもうひとり、アジア・オセアニア最優秀ソムリエコンクールの日本代表として選ばれた森本美雪選手。太陽のように周囲を明るくする笑顔と、海外でのソムリエ修行を経た実力と魅力を併せ持つ彼女は、来たるアジア・オセアニア大会を制し、世界をも魅了する舞台での活躍が期待される選手。さらなる成長が楽しみでなりません。

現在、世界を取り巻く環境が人と人とをつなぐことを難しくしている状況であり、今コンクールのスケジュールも延期が重なり、選手たちにかかるプレッシャーとモチベーション維持にも相当な負担が重ねられたことが想像できます。そんな状況で切磋琢磨して挑んだ選手たちに感謝と、今後の活躍に期待して大きな応援を心からお送りいたします。

一般社団法人日本ソムリエ協会公式ホームページ
https://www.sommelier.jp/topics/view/portugalfinal_20190620final

この記事を書いた人

須藤千恵子
須藤千恵子
語学留学など世界複数国に滞在するなかで異文化と触れてきた経験と、帰国後にワイン輸入販売社勤務経験から、ワインと食の在り方など、独自のPR活動を行う。(社)日本ソムリエ協会ソムリエ、(社)日本ソムリエ協会SAKE DIPLOMA、(社)日本フードアナリスト協会フードアナリスト。