アルザス在住ということもあり、アルザスでワイナリー巡りをしている。アルザスワイン街道、ワイナリー巡り、今回はアルザスには特有の品種が7つあるが、それ以外にも実は隠れた逸品がある。今回はその珍しい品種を飲みに行って来たので、ワイナリーと品種についてご紹介したいと思う。

Heiligenstein de Klevener

Heiligensteinというのが村の名前で、Klevenerというのが品種の名前だ。Klevener de Heiligensteinは “Savagnin Rose” (サヴァニャン・ロゼ)とも呼ばれ、またKlevenerは Traminer(トラミナー)と同一とみなす説もある。また、アルザスの5つのコミューン:Bourgheim、Gertwiller、Goxwiller、Heiligenstein Obernaiで生産されたサヴァニャン・ロゼ種のワインのみが、Klevener de Heiligensteinと表記できる。

Heiligensteinへ

Heiligenstein村はストラスブールから車で30分ほどの場所にある。電車でBARRまで行って、歩いていくことも可能だ。天気の良い時なら、BARRの駅から、ぶどう畑沿いを歩きながら、この村に訪れるのも悪くない。

アルザスのブドウ畑 

この村の名前が付いているワイン、ここでしか飲めない貴重な品種(他の隣村でもこの品種のワイン生産をしているところがあるが)、やはりこの村と言えばこの品種、とも言える、貴重なワインだ。

この村の村のメインの通りを歩けば、それだけで多くのワイナリーに出会える。この村には8軒のワイナリーがあるらしいので、どこのワイナリーに行ってもこの珍しいワインが飲めるだろう。この村に来る人達もそのワインを求めてやってくる人が大半だと言う。

Heiligenstein村 

今回はこちらのビオワイン生産をしているワイナリーさん、Heywangへ。昨年、この村のワイン祭りに来た時にいろいろ教えていただいた、ワイナリーさんだ。

やはりこのワイナリーを訪れる人たちも、珍しい品種のKlevenerを求めてやってくる方が多いそうだ。現にこのワイナリーさんでも、7haある中40%がKlevenerの生産そして売り上げなんだそう。アルザスにしては珍しい、正にKlevenerを飲むために来る村でもある。

日本には未輸出だが、ぜひこの村のKlevenerが日本でも飲めると良いなと思っている。

Heywangワイナリー 

せっかくなのでここでしか飲めないワインを

まずはこちらのアッサンブラージュ。
混種ワインだが、この混種はこの村ならではの混種だろう。Le Muskléという名前からお分かりだろうか…こちらはMuscat(ミュスカ)とKelevener(クレヴェネール)の半々の混種。添加物なし、自然派ワインとも言えるのだが、最後にミュスカを入れるので、そのミュスカに多少亜硫酸が入っているため一切添加物無しではないんだそうだ。

香りがフルーテイで、他ではない味わい。Klevenerは18世紀にイタリアから入ってきたと言われる品種。ほんのり甘口で、ピノグリより甘さ控えだったり、ちょっと甘さが増すものもあるような品種。けれど、品種だけではなく、ワイナリーさんによって、そのワインの甘さが変わるので、一概には言えないのも事実だ。

Le Musklé 

こちらも混種、Riwerle。アルザス語で「樽の蛇口」という意味だそうだ。30年以上のキュヴェで、ピノブランとミュスカの混種。すっきり爽やかで飲みやすいワインだった。

Riwerle 

そして、リースリングのクラシックなものとグランクリュKirchberg de Barrの飲み比べ。

グランクリュは通常、この村にはこのグランクリュがある、と言うふうに明記されているが、実際は隣村などではそのグランクリュの畑を所有している事もあり、こちらのワイナリーでは隣村BARRのグランクリュの畑も所有しているようだ。 やはりグランクリュは土壌の味も特徴的なので、品種だけではない、複雑な味わいがする。

Kirchberg de Barrの飲み比べ 

Klevener de Heiligenstein

そしてこちらがKlevener de Heiligenstein。

こちらはヴィンテージの影響で、2018年は甘口なワインになる傾向があり、通常よりも甘口だそう。

ヴィンテージで言う当たり年、ハズレ年というのは、フランス全土で一概に言えない事もあり、また品種などによっては通常当たり年ではなくても美味しいワインができる事もある。こちらのワイナリーでも、世間的にはあまり良い年でないと言われた年でも、美味しいワインが生産できることもあると言う。

アルザスでは2015年、そして2018年は当たり年だと言われており、2015年は本当に当たり年、2018年は量も質も当たり年と言われている。

天候に左右されるワインだが、ぶどうの収穫そのものが大切だということがよく分かる。

Klevener de Heiligenstein 

こちらのCuve Particulier はさらに甘口。エキゾチックなマンゴのような味わいがする。ヴィンテージ、年代にもよるが、2016年は酸味やフレッシュさも感じられるワインに仕上がっている。

Cuve Particulier 

こちらの左のワインはお祖父さんの代からワイン生産を始め、そのシンボルとして60〜70年前のワインを再現するため修理した木樽の中で熟成させたもの。

品種的には甘口なのだが、こちらはKlevenerにしては珍しい辛口ワイン。香りは甘口なのに、口に含むとすっきり辛口。

Klevenerのワイン 

そしてゲヴェルツトラミネール。

ゲヴェルツトラミネール 

ゲヴェルツトラミネール、グランクリュ Kirchnerg de Barr 2015年。甘口ワインにはとても良い年でもある、2015年、そして、グランクリュの土壌の味がし、やはり別格だなという印象だ。

アルザスワインは、品種で味わいが決まるところがある印象だが、やはりこうして個人ワイナリーさんに行くと、そのワインの味わいは
品種+土壌+年代+ワイナリーさんの腕
とかなり複雑だと思う。

Klevenerも恐らく他のワイナリーのものはまた違った味わいがするだろう。

ゲヴェルツトラミネール
 
ゲヴェルツトラミネール
 

そしてこちらは結構珍しいSylvanerのヴァンダンジュタルデイヴ風。遅つみワインだが、品種がSylvanerなので、遅積みワインにはなれない。

ELLE A TABLEで賞をもらっているが、他のSylvanerと比べたら申し訳ないくらい別格の気品があるワイン。Syvanerのすっきりさもあり、それなのに甘口だけれどそこまで甘すぎない言う、甘いワインが好きな方にはおすすめだ。

Sylvanerのヴァンダンジュタルデイヴ風 

こちらは王道ピノグリヴァンダンジュタルデイブ。ヴァンダンジュタルデイブにできるのは高貴品種と呼ばれる品種のみ。なので、ピノグリはよく見かけるが、Sylvanerのヴァンダンジュタルデイブは存在しない。

しかしながら、ピノグリのヴァンダンジュタルデイブは生産が難しいんだそうだ。

ピノグリヴァンダンジュタルデイブ   

そして・・・こんなにワインの紹介をしていて、申し訳ないのだが、私の一番のおすすめはこちら。

ビオのぶどうジュース。

このぶどうジュース、ピノノワールなので、赤いぶどうジュースなのだが、アルザスは白ワインの品種が多いので、赤ぶどうジュースはあまり見かけない。

このぶどうジュースをある小さな集まりの時に持っていたのだが、アルザスの方々が「このぶどうジュース美味しい❗️」と言って、ワインよりも他の飲み物よりも一番人気があった。

実はアルザスではリンゴ生産も多く、リンゴジュースはよく見かけるのだが、こう言ったぶどうジュースはたまにワイナリーさんで見かける。

そして、これほど美味しいぶどうジュースは他で飲めないんじゃないかと思うほど、美味しいのだ。

ブドウジュース 

オーガニックワインだが、熟成の時にも多少亜硫酸を入れるそう。この辺りはワイナリーさんの意向だと思う。やはり亜硫酸を多少入れないとワインが酢になってしまう事を恐れるワイナリーさんもいるし、入れなくても美味しいワインを生産する、そのタイミングを見極めるのもワイナリー次第だ。

こちらがカーヴ。

カーブ
 
ワインカーブ
 

これで濾過し、

濾過装置 

こちらで瓶詰めする。瓶詰めもそうだが、ビオ農法だけではなく、例えば環境を考えてコルクよりガラスが良いかも、他の栓が良いかもとは思っても、今はコルク用の機械が家にあるので、今は現状維持していると言う事だ。

瓶もリサイクルしていたのだが、リサイクルも新しい瓶も同じ料金、若しくはコストがかかるため今は新しい便を買っているそうだ。

オーガニック生産者はこうしてエコにも気をつけるが、エコの方が料金が高くなったりするケースもあり、そのバランスは難しい。

やはり良い自然派ワインなどはかなりワインの値段も高い事がある。それだけ良いものを作るためにコストも掛かってしまうが、それに合う顧客が必要となってしまう。

アルザスはまだまだブランデイングが上手くないので、そう簡単に料金を上げる事ができないことも多い。

瓶詰め装置 

またこのKlevener de Heiligensteinと言うこの村の品種はフランス国内でもそこまで知られていない事もあり、実は以前パリのワインコンクールに参加した際、アルザスワイン担当だったのだが、その中にこのHeiligenstein de Klevenerがあり、他のフランス人の方が
「このワインはなんだ?」
という話になり、なぜか日本人の私が他のフランスの方に説明するする・・・という状況だった。

それほどフランスでも知られていない、そんな品種だが、それだけ貴重で、滅多に見られないワインなのだ。

他の村でこの品種を持っているワイナリーさんのワインが日本にも入っているようだが、この村のものはちょっと見つけられなかった。ぜひ日本にもこの村のこの品種のワインが入って欲しいと思う。

こちらのワイナリーに関するお問合せ【インポーターさんがいる場合はインポーターさんへ…】、アルザスワイナリーへの訪問、おすすめアルザスワイン、日本で買えるアルザスワイン、特にインポーターさんの今後日本に未入荷のアルザスワイナリーの開拓など、お問合せ頂ければ対応できるのでご興味のある方はぜひお問合せ頂ければと思う。

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メール Coquelicots68240@gmail.com

この記事を書いた人

Coquelicot
Coquelicot
元フランスのワイン展示会運営会社勤務。フランス、アルザス地方在住10年以上、アルザスワインを極めるべく、アルザスで訪れたアルザスワイナリー100軒以上、テイスティングは200軒以上。
インスタグラム coquelicots00