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「神の雫」にも登場したワイナリーその②

アルザスワイナリー巡り-Bergbieten村のRoland Schmitt-

アルザス在住ということもあり、アルザスでワイナリー巡りをしているのだが、今回はあの漫画『神の雫』にも登場したワインのワイナリーへ。

『神の雫』の中でアルザスワインが出てくるのは35巻のみ(『神の雫~マリアージュ』には新たに他のアルザスワインが出てきている)。

漫画の原作、亜樹直氏(姉弟2名のユニットとしてのペンネーム)はフランスには毎年のようにいらしているのだが、実はアルザスにはいらしたことがないそうだ。ボルドーやブルゴーニュなどに比べたらまだまだ知られていないアルザス、少しでも多くの方に知ってもらえたらなと思う。

「神の雫」にも登場したワイナリーRoland Schmitt

ということで、今回は『神の雫』にも登場したワイナリー、Roland Schmitt (ローラン・シュミット)さんへ行ってきた。こちらのワイナリーがあるBergbietenは人口約700人ほどの小さな村。アルザスワイン街道沿いにある村だが、実はワイナリーはここ一軒しかないそうだ。

アルザスワイン街道には103の村があるのだが、その中には実はアルザスワイン街道沿いに位置していないのに多くのワイナリーがあり、特定な有名な土壌があるような村もあるし、ワイン街道沿いにあるのに、この村のようにたった1軒のワイナリーしかないような村もある。

Roland Schmitt 

こちらがワイナリー。

10haある畑のビオワイン生産者で、現在ビオデイナミ製法に移行中だそうだ。ワイン生産は今の代で3代目。お父様の代の時、お父様が亡くなってからは元ナポリタンのお母様が引き継ぎ、ナポリ生まれ、アルザス育ちの彼女がアルザスワインを生産していたそう。今は息子さんが引き継いでいる。

対応してくれたのはその下のお嬢さん。数年前からワイナリーでのお仕事をし始めたそうだ。60000本ほどのワイン生産のうちの4000~5000本ほどが日本に輸出されている。

Roland Schmitt 

ワイナリー内ではちゃんと神の雫の漫画の一部が壁にかけられていた。

神の雫 

Roland Schmittでのワインテイスティング

そして、まずは最初にピノブラン2019から。ライトでデリケートと言われる子のワインは、スッキリ爽やかに飲みやすいワイン。

ピノブラン2019 

そしてArgentoratumは昔のストラスブールの名称。このワインは2017年ストラスブール近郊の村のワイナリーが集まって、バ・ラン県のアルザスワインプロモーションを展開するために作られたワイン。

2019年にも改めて生産されており、その団体の各ワイナリーが作っているアッサンブラージュのワイン。皆同じラベルで、このロゴが片方の塔しかないストラスブール大聖堂を表している。

各ワイナリーでそれぞれアッサンブラージュを作り、同じラベルを張り、ラベルの上に各ワイナリーの名前が記されている。アッサンブラージュは一応、リースリングを50%、ピノグリを20%以上入れるという基準が決まっており、ここのワイナリーではリースリング60%とピノグリ30%以上でこの2種のみで作られている。

Argentoratum 

そしてこちらが初自然派ワインのリースリング。Plan N。

自然派らしい味がするが、ここのワイナリーの澄んだ他の繊細なワインの方が私の好みだった。

Plan N 

そして、リューデイThalbergのリースリング。Grand cruではないが未来のPremier Cruであろうワインだ。

リューデイThalbergのリースリング 

こちらがリースリンググランクリュ Altenberg de Bergbieten 2018。

村の名前がここに入っている、グランクリュだ。全体面積29.07Ha、土壌構成は泥灰、石灰、石膏。リースリングの比率が75%を占め、スモーキーなミネラル感や塩味の感じられるワインができる。このワインはグランクリュなので確かに繊細な味で美味しいのだが、リューデイとの差がそこまであるとも思えない、それくらいリューデイも美味しかった。

Altenberg de Bergbieten 2018 

実はこれが「神の雫」に登場したワイン。日本は今もこの漫画に登場したラベルを使っているが、実際ワイナリーではすでに新しいエチケットを使用している。日本ではやはりこのラベルでのイメージが強いため、日本のインポーターさんから今までと同じラベルを使用してくださいという依頼が来ているそう。なので、アルザスを含む他の場所ではこちらの新しいラベルになっている。

「神の雫」に登場したワイン 

ピノグリ グランクリュ Altenberg de Bergbieten 2018。

ピノグリはクラシックなピノグリが特別なリューデイではない為、その差がかなり分かる作りだった。リューデイによってはかなりワインの味に影響するので、土壌の大切さがよく分かった。

Altenberg de Bergbieten 2018 

そして2種のピノ・ノワール。

左がクラシック右がPlan B バリックと言われる木樽で熟成されたもの。クラシックの方が香りがフルーテイで口に含むと辛口仕上げで、木樽のものはその逆という感じだった。これも好みかもしれない。

2種のピノ・ノワール 

こちらが409ミュスカの甘口系ワイン。ドメーヌ設立何周年目というお祝いでその都度異なる品種での生産のようだ。

409ミュスカの甘口系ワイン 

同じタイプのワインで漫画に登場したのは400のゲヴェルツトラミネール。ドメーヌ設立409と書かれたヴィンテージのムスカで特別記念品としてリリースされたもの。もう漫画に登場した同じワインはないそうだが、同じシリーズでのワインは継続して買えるそうだ。

漫画に登場したのは400のゲヴェルツトラミネール 

そして今回私が好きだったのはこちら。

ピノグリ L‘inpatient 忍耐強くと言うような意味があるが、実はこれヴァンダンジュタルディヴ と同じ遅積みワイン。ただ瓶詰めして販売するのに、2年は寝かせないといけないので、忍耐強く待つ、という意味が込められているそうだ。ヴァンダンジュタルディヴではないが、ヴァンダンジュタルディヴと名乗るには、販売までに暫く待たなければいけない、だから忍耐強く待つと言う意味なんだそうだ。

ピノグリ L‘inpatient 

ゲヴェルツトラミネール  グランクリュ のヴァンダンジュタルディヴ。

お値段的にはお味を考えてもピノグリの方がお得だと思ってしまった。品質を守るために、色々規定はできるが、その規定で、枠から外れてしまうワインも沢山ある。

ゲヴェルツトラミネール  グランクゲヴェルツトラミネールグランクリュのヴァンダンジュタルディヴ  

今回は日本にも入っていて、漫画『神の雫』にも登場した、有名ワイナリーへ訪問した。

現在750軒ほどあると言われるアルザスワイナリーのワインの中でも、日本に入っているワインは数も限られている。最近では、小規模インポーターさんがアルザスの小さな個人ワイナリーのワインの輸入を始めているところも多い。

アルザスはビオワイン、ビオデイナミ、そして自然派ワイン生産者も多いこともあり、アルザスワインが少しずつでも、日本で認知されていけばと思っている。

こちらのワイナリーは、実はストラスブールのクリスマスマーケット中も他のワイナリーさんとローテーションで出店しているので、運が良ければクリスマスマーケット中にこちらのワインをストラスブールで買う事ができる。


 

こちらのワイナリーに関するお問合せ
【インポーターさんがいる場合はインポーターさんへ…】
アルザスワイナリーへの訪問、おすすめアルザスワイン、日本で買えるアルザスワイン、特にインポーターさんの今後日本に未入荷のアルザスワイナリーの開拓など、お問合せ頂ければ対応できるのでご興味のある方はぜひお問合せ頂ければと思う。
インスタグラム https://www.instagram.com/coquelicots67/

メール Coquelicots68240@gmail.com

この記事を書いた人

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Coquelicot
元フランスのワイン展示会運営会社勤務。フランス、アルザス地方在住10年以上、アルザスワインを極めるべく、アルザスで訪れたアルザスワイナリー100軒以上、テイスティングは200軒以上。
インスタグラム coquelicots00

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