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NYワイナリー・オブ・ザ・イヤー2013を獲得した「マッコール・ワインズ」

ケニー奥谷のNY Winery Trips 第3回

ケニー奥谷。ニューヨーク在住のインターナショナル・ホスピタリティーインダストリー・スペシャリスト。1989年からシンガポールのウエスティン・スタンフォードホテルに勤務。その後、サイパンのハイアットリージェンシーを経て、1994年から2005年まで、ザ・プラザ・ニューヨークのアジア地区営業部長を務めた、日本人にしてアメリカホテル業界の達人だ。

そのケニー奥谷がいま、あししげくかよっているのが、ニューヨークのワイナリー。
摩天楼から、クルマで1-2時間。美しい海と自然に恵まれたロングアイランドには、40を越えるワイナリーがあり、「ニューヨークのボルドー」と称される。
ケニー奥谷による、ニューヨーク ワイナリー探訪記、第3回は「ワイナリー・オブ・ザ・イヤー」受賞した新興ワイナリーを紹介する。

この記事はニューヨークの日本語情報紙「よみタイム」Vol.232 2014年6月20日発行号掲載の、「NYワイナリー探訪 UNCORK NEW YORK」をもとにしています。

ロングアイランドで一番のワイン

ロングアイランドには、多くのワイナリーがある。当然、最もよく聞かれる質問は「どこのワインが一番ですか?」。

それに対して「好みによりますから」などと応える必要はなくなった。2013年のNYワイン&フード・クラッシックで、ワイナリー・オブ・ザ・イヤーを受賞したワイナリーがあるからだ。

アンドリュー・クオモ知事によって賞が授与された晩、「マッコール・ワインズ(McCall Wines)」のオーナーは語った。「これまで一度も審査のためにワインを送ったことなどなかったんですよ」

だが、その年に彼が送った7本のワインは全て、シルバー、ゴールド、そしてダブル・ゴールドメダルまで受賞してしまったのだ。殊に、全審査員一致でダブル・ゴールドに選ばれた2010年産のリザーブ・ピノ・ノワールは、5~8年に1度しかないという恵まれた天候が創り上げた絶品。レストランで飲めば150ドルは下らないだろう。

マッコール・ワインズのオーナーとケニー奥谷。

この輝かしい偉業を達成するまでには、プライドをかけた逸話がある。

1997年にメルローとピノ・ノワールの栽培を始めた彼だが、土壌が熟しておいしいワインができるまでブドウを売らず、ボトルに名前を貼ることにも興味がなかったという。

最初のビンテージができたのは2007年。賞を取ったワインができるわずか3年前のことだった。

頭角を現したばかりというのに、グラマシー・タバーンをはじめ、既に20軒以上もの有名レストラン&ショップで扱われている。

入口を進むと納屋があった。もともと芋を保存するための場所が馬小屋となり、現在はランドマーク(文化財)指定されている。そこがテイスティングルームだ。

スナック程度ならば持ち込みも可。さて、用意してきたサンドイッチと共に、メダルを取ったワインをゆっくりと味わうことにしよう。


今回紹介したワイナリー
McCall Wines

22600 Main Rd., Cutchogue, NY

www.mccallwines.com


この記事を書いた人

ケニー 奥谷
ケニー 奥谷
奥谷啓介。ニューヨーク在住。インターナショナル・ホスピタリティーインダストリー・スペシャリスト 。慶應義塾大学卒。
ウェスティン・ホテルズ 初の日本人学卒スタッフとして、アジア地区セールスオフィスに入社。1989年よりシンガポールのウエスティン・スタンフォードホテルに勤務。その後、サイパンのハイアットリージェンシーを経て、1994年から2005年まで、ザ・プラザ・ニューヨークのアジア地区営業部長を務める。2005年、ザ・プラザの閉館とともに退社。現在、文筆、講演、コンサルテイング活動を行いながら、ニューヨークと日本を行き来する日々を送る。

雑誌「男の隠れ家」や「日刊ゲンダイ」で連載記事を掲載。著書に『世界最高のホテル プラザでの10年間』『海外旅行が変わるホテルの常識』『サービス発展途上国日本』『なぜ「お客様は神様です」では一流と呼ばれないのか』『超一流の働き方』がある。

公式サイト:okutanikeisuke.com

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