ケニー奥谷。ニューヨーク在住のインターナショナル・ホスピタリティーインダストリー・スペシャリスト。1989年からシンガポールのウエスティン・スタンフォードホテルに勤務。その後、サイパンのハイアットリージェンシーを経て、1994年から2005年まで、ザ・プラザ・ニューヨークのアジア地区営業部長を務めた、日本人にしてアメリカホテル業界の達人だ。

そのケニー奥谷がいま、あししげくかよっているのが、ニューヨークのワイナリー。 摩天楼から、クルマで1ー2時間。美しい海と自然に恵まれたロングアイランドには、40を越えるワイナリーがあり、「ニューヨークのボルドー」と称される。 ケニー奥谷による、ニューヨーク ワイナリー探訪記第7回!


この記事はニューヨークの日本語情報紙「よみタイム」Vol.236 2014年8月15日発行号掲載の「NYワイナリー探訪 UNCORK NEW YORK」をもとにしています。

ワインはボトルに詰められた詩

ワイナリーロード(Main Road)を走っていたら、かわいい看板が目に飛び込んできた。

「ダック・ウォーク(Duck Walk)」はその名のとおり、アヒルをロゴマークにするワイナリー。エントランスを入ると、体育館のようなテイスティングルームが現れた。

広いテイスティングルーム

約30エーカー(120,000平方メートル)ものソーヴィニョン・ブラン畑に囲まれた巨大なテイステイングルームは、2007年に建てられたもの。

結婚式をはじめとした大宴会によく利用される。また同ワイナリーは、高級別荘地として知られるモントークのウオーター・ミルにも存在する。

オーナーのヘロドトス・ダン(Dr. Herodotus Dan)はワイン造りに惚れ込んだ医師。スコットランドの詩人、ロバート・ルイス・スチーブンソンの名言「Wine is bottled Poetry」を信条とし、情熱を傾けてきた。

1979年にノースフォークに30エーカーの畑を購入して以来、毎年、土地を購入しつづけ、ロングアイランド最大のワイナリー、ピンダー(Pindar Vineyards)も保有するようになる。その努力が実り、1988年のジョージ・ブッシュ大統領の就任式でも、彼のワインが使われたと公表されている。

トマト料理にフィットするウインド・ミル・レッド

1994年にウオーター・ミルに購入した畑は、息子のアレキサンダーと共に育てあげた。

「ダック・ウォーク」というかわいい名前は、半世紀前、ロングアイランドが有数のアヒル産地だった頃に、そこがアヒル農園だったことに由来する。

ランドマークになっているノルマンディー・シャトー・スタイルのテイスティングルームでは、ビートルズ訪米50周年と絡めて、ダック・ウォーク20周年記念のイベントが開かれた。彼の地元での力を示すイベントだ。

現在、ダック・ウォークは合計140エーカーにも及ぶ広大な畑を保有。30種類もの異なる銘柄を造りだし、年間産出量は35,000ケース以上に達している。さまざまな味のワインを揃えることで、多くのファンを捕まえている。

さて、今日は、ブドウを凍らしたまま醸造するという、独特の製法で知られるバイダル・アイス・ワインを試してみることにしよう。





今回紹介したワイナリー
Duck Walk North
44535 Main Road, Southold NY 11971

Duck Walk South (Water Mill)
1231 Montauk Highway (RT27), Walter Mill NY 11976
www.duckwalk.com


この記事を書いた人

ケニー 奥谷
ケニー 奥谷
奥谷啓介。ニューヨーク在住。インターナショナル・ホスピタリティーインダストリー・スペシャリスト 。慶應義塾大学卒。
ウェスティン・ホテルズ 初の日本人学卒スタッフとして、アジア地区セールスオフィスに入社。1989年よりシンガポールのウエスティン・スタンフォードホテルに勤務。その後、サイパンのハイアットリージェンシーを経て、1994年から2005年まで、ザ・プラザ・ニューヨークのアジア地区営業部長を務める。2005年、ザ・プラザの閉館とともに退社。現在、文筆、講演、コンサルテイング活動を行いながら、ニューヨークと日本を行き来する日々を送る。

雑誌「男の隠れ家」や「日刊ゲンダイ」で連載記事を掲載。著書に『世界最高のホテル プラザでの10年間』『海外旅行が変わるホテルの常識』『サービス発展途上国日本』『なぜ「お客様は神様です」では一流と呼ばれないのか』『超一流の働き方』がある。

公式サイト:okutanikeisuke.com