ワイナリーの駐車場には電気自動車用の充電システムがさりげなく用意されている。
オーナーの娘さんはテスラに、CEOのジョン・ルエルさんは日産リーフに乗る。
とことんエココンシャスなワイナリーだ。

 

調和のとれた畑

来年50周年を迎えるトレフェッセン・ファミリー・ヴィンヤーズ。

1889年に遡る「エシュコル」という名前のワイナリーがその起源だが、フィロキセラと呼ばれる害虫の被害と禁酒法の影響から事実上の廃業。これを1968年に買い取ったのが、ジーンとケイティのトレフェッセン夫妻だった。当時、ナパにあるワイナリーの数は30にも満たなかったという。

13年前に栽培責任者として入社した、現CEOのジョン・ルエルさん。

大学院で環境学を専攻したCEOのジョン・ルエルさん。

大学院で環境学を専攻した彼は、エコシステム全体を考慮したうえでワイナリーの運営に当たる。ホリネズミを捕食するフクロウの巣箱、ワイナリーの電力を100パーセントまかなう太陽光発電、堆肥の自社製造、水のリサイクルシステムなどなど……。ブドウ畑の土壌を調査し、区画ごとにカバークロップの種類を変え、その土地に最適なブドウ品種を栽培している。

ブドウの樹勢が強い区画には強いカバークロップを植えて樹勢を抑え、養分が必要な若樹の区画には、土壌に窒素を供給するマメ科の植物を植える。なかには放ったらかしのまま、畝間に草が自生している区画もあるが、「福岡正信の自然農法に学びました。調和のとれた畑なら、なにも手を加える必要はありません」と語るジョンさん。

区画ごとにカバークロップを変えている。ドリップ式の灌漑も必要量のみ。

元は1889年に設立された歴史的なワイナリー。2014年の地震で被害を受け改修。暖房、冷房効果を高めるため、新たに断熱材を仕込んだ。

カベルネ・ソーヴィニヨンは水はけのよい小石混じりの区画に植えている。白ワインで名声を得たトレフェッセンだが、近年、赤ワインの評判も上昇中。

ワイナリーとブドウ畑が位置するのは、ナパ・ヴァレー南部のオークノール。サンフランシスコ湾から冷たい空気の入り込む、ナパでは比較的涼しい土地柄だ。夏は日中30度になっても、夜には10度まで下がる。そのおかげでブドウはピュアな酸味が保たれる。

79年にフランスの「ゴー・ミヨー」誌のテイスティングでベストに選ばれ、このワイナリーを一躍有名にしたシャルドネは、酸味がフレッシュで引き締まったスタイル。辛口のリースリングも繊細でバランスがとれている。

「ナパといえばカベルネ・ソーヴィニヨンですが、いつでもそれというわけにはいきません。とくにリースリングは和食に合うと思います」

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WINE-WHAT!? 編集部
WINE-WHAT!? 編集部
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