ケニー奥谷。ニューヨーク在住のインターナショナル・ホスピタリティーインダストリー・スペシャリスト。1989年からシンガポールのウエスティン・スタンフォードホテルに勤務。その後、サイパンのハイアットリージェンシーを経て、1994年から2005年まで、ザ・プラザ・ニューヨークのアジア地区営業部長を務めた、日本人にしてアメリカホテル業界の達人だ。
そのケニー奥谷がいま、あししげくかよっているのが、ニューヨークのワイナリー。
摩天楼から、クルマで1ー2時間。美しい海と自然に恵まれたロングアイランドには、40を越えるワイナリーがあり、「ニューヨークのボルドー」と称される。
ケニー奥谷による、ニューヨーク ワイナリー探訪記第17回はワイナリー巡りを効率的にしてくれる小さなレストランを紹介。
この記事はニューヨークの日本語情報紙「よみタイム」Vol.252 2015年4月24日発行号掲載の「NYワイナリー探訪 UNCORK NEW YORK」をもとにしています。

白い家が目印
4月のワイナリーロードはまだ静かだ。
ワイナリーがオープンする11時前には到着できるので、ランチまでに2つの畑に立ち寄れる。だが、そこから、シーフード・レストランを求めて、ほぼ先端のグリーンポートまでいくには距離がありすぎる。遅いランチが午後のスケジュールをタイトにしてしまう。
先日、ワイナリーロードの中間地点にある小さなレストラン「ブラウンズ・シーフード・2・ゴー」で、格別においしいシーフード・メニューを見つけた。ここを利用すれば、1軒か2軒、より多くのワイナリーに寄ることが可能となる。
白い家が目印のこのレストランは、1928年創業のシーフード配達業者「ブラウン・シーフード・カンパニー」が経営する。
彼らはロングアイランド近海だけでなく、ニューイングランドやチョサピークからも空輸で食材を取り寄せている。マグロ、シャケ、カニ、エビ、ホタテ、キャビア、オイスター、ムール貝など驚くほどの品をそろえ、その場で販売もしている。卸値で買えるのでとてもリーズナブルだ。
扱っているオイスターは、ペコニック湾の中にある435エーカーの島、ロビンズ・アイランド周辺でとれたもの。「ペコニックの宝石」と呼ばれるほど美しい形をした島で、ちなみに環境を守るために設立された「ロビンズ・ファンデーション」という財団まである。
話を戻そう。
建物はシーフードを販売する店と、隣のレストランの2棟で構成されている。ファストフード的なレストランだが、シーフード専門業者が出す味は、そこらのレストランには負けない。メニューは毎日変わるため、ホワイトボードに書き出されている。軽食の持ち込を許しているワイナリーも多数あるので、ここで「つまみ」を購入すれば、午後からのワイナリー巡りで、より美味しくワインが味わえる。このレストランは一石二鳥を可能にしてくれるありがたい存在だ。
さて、今日のランチには、フライド・スキャロップとクラブ・ビスクをいただくことにしよう!
今回紹介したワイナリー
Brauns Seafood 2 Go
30840 Main Road (Route 25)
Cutchogue, NY 11935
www.braunseafood.com