海から16~24キロの距離にあり、冷涼な気候のアンダーソン・ヴァレー。ピノ・ノワールの適地として注目されるエリアだ。
ワイナリー名の「ゴールデンアイ」とは、ホオジロカモのこと。

冷涼なアンダーソン・ヴァレー

取材時にはピノ・ノワールが芽吹いていた。

栽培責任者のP. J. アルヴィソさん(左)とワインメーカーのマイケル・アカーソさん(右)。このワイナリーで使用するグラスは脚なし。風が強く、脚付きグラスだとすぐ倒れてしまうからだ。

メルローで成功を収めたナパの「ダックホーン」。ダンとマーガレットのダックホーン夫妻は、90年頃からピノ・ノワールの適地を探し求め、カリフォルニアだけでなくオレゴンにまで足を運んだという。

最終的にふたりが選んだのは、メンドシーノ・カウンティのアンダーソン・ヴァレー。96年にピノ・ノワールの専用ワイナリーとして、「ゴールデンアイ」を設立した。

ここはかつて一大リンゴ農園だった場所。しかし、80年代からその冷涼な気候が注目され、アルザス系の白ワイン用品種やピノ・ノワールの栽培で頭角を現してきた。スパークリングワインの生産でも名高く、今日、地域経済を支えているのはワイン産業である。

灌漑用の溜め池。ただし、過去の干ばつの際にもほとんど灌漑せず過ごせた。

洒落た雰囲気のテイスティングルーム。

とはいっても、アンダーソン・ヴァレーにおけるブドウ畑の総面積はいまだ480ヘクタールに過ぎず、周囲にはリンゴ畑や羊の放牧など、ナパとは一線を画す牧歌的な景観が残っている。

「ゴールデンアイ」はカリフォルニアで2番目にLEEDのゴールドを取得したワイナリーである。

コンフルーエンス・ヴィンヤード。さまざまなピノ・ノワール・クローンが異なる台木で植えられている。

LEEDとはLeadership in Energy & Environmental Designの略であり、炭酸ガスの排出量ゼロ、ソーラーパネルにより100パーセントの電力をカバー、水のリサイクル100パーセントを達成。さらにフィッシュフレンドリーの認証も得ている。

ここでは5種類のピノ・ノワールを造っている。

スタンダードな「アンダーソン・ヴァレー」、3つの単一畑もの、それにすべての畑から最良のロットを集めてブレンドした「10ディグリーズ」だ。「10ディグリーズ」とは、もっとも海寄りの畑から内陸の畑との間に華氏10度(摂氏5.6度)の気温差があることを意味する。

いずれもカリフォルニアらしい、果実味が前面に出たピノ・ノワールだが、ピュアな酸味がバランスをとる「コンフルーエンス・ヴィンヤード」が個人的には好みであった。

 

この記事を書いた人

WINE-WHAT!? 編集部
WINE-WHAT!? 編集部
9月号(通巻18号)では、白ワインに注目! そもそも白ワインって? 三大品種シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、リースリングの基礎から、いまどき大討論会、石田博ソムリエによるペアリング提案まで、この夏、飲みたい白ワインを総ざらい。
そして、夏から秋にかけてのワイン旅も提案。ポルトガル現地取材、急成長中の北海道ワイナリーのいまとWINE-WHAT!?ならではのツアー情報、ワインを堪能できる宿「THE HIRAMATSU HOTELS & RESORTS 仙石原」へは、ベントレーで訪れ、カリフォルニアでは、ケンゾー エステイトに行ってきました。