2014年ヴィンテージからのあたらしいデザインのボトル。ちなみに、クロ・アパルタのボトルは下にいくにしたがって、やや細くなっていく

ラニーニャとエルニーニョ

今回、来日したクロ・アパルタのオーナー、シャルル・ドゥ・ブルネ・マルニエ・ラポストルを交えてのランチでは、まず前菜にあわせて2011年と2013年ヴィンテージをサーブして話がはじまった。

手前が2013年、奥が2011年ヴィンテージ


香りも味も2013年は若々しく溌剌としていて、2011年は色が深みを増し、まろやかで、より香り高くなっているから、13年のほうが、前菜向き、11年のほうがメインディッシュ向き、という感覚ではあるけれど、黒いフルーツの香りやスパイスを感じさせる全体の傾向はよく似ている。いずれも気候的にはラニーニャの年。使われている品種は、2011年がカルメネール57%、カベルネ・ソーヴィニヨン34%、メルロー9%、2013年がカルメネール70%、カベルネ・ソーヴィニヨン21%、メルロー7%、プティ・ヴェルド2%。これもよく似たブレンドだけれど、2013年ヴィンテージは、23%、発酵をフレンチオークの新樽でおこなったという。そしてポイントは2013年にはプティ・ヴェルドをくわえたこと。プティ・ヴェルドは料理でいえば塩にあたる、とのこと。成功すれば料理をおいしくするけれど、多すぎても、少なすぎても、ワインをダメにしてしまうのだそうだ。

そして、このクロ・アパルタの主体をなす、カルメネールとカベルネ・ソーヴィニヨンの樹こそが、古いブドウの樹で、樹齢は約100年。1915年から1920年のものだという。これらは平地で栽培されている。いっぽう、メルローやプティ・ヴェルドは90年代後半から2000年序盤に植えられたあたらしい樹で、樹齢は大体20年。チリでは若い樹だ。しかし、丘で育てることで、若くてもよいブドウをつけるという。

最後に登場したのが、ラベルもかわっての新作、2014年ヴィンテージ。2014年はエルニーニョの年。ラニーニャの年のワインをエレガントで女性的とするなら、エルニーニョは男っぽいとのことで、たしかに、ワインはよりパワフル。香りの成分には、公式に黒い果実、ナッツ、シナモン、リコリスなどが挙げられているけれど、まさにそのとおり。そして口当たりはクリーミーでなめらか。

オーナーのシャルルさんは、これをもって、2011年のクロ・アパルタにはたしかに熟成感があるとはいえ、それで2013年や2014年が、2011年とくらべては、若くて飲めない、というわけではない、と語った。最新ヴィンテージの2014年でも、コース料理で2011年、2013年のあとから登場して、主役を張れる実力があるのだ。

2014年は気候条件のちがいもあって、ブレンドはカルメネール48%、カベルネ・ソーヴィニヨン31%、メルロー21%。カルメネールを減らすことでバランスをとり、クロ・アパルタらしさを出している。

クロ・アパルタのラベルにはCLAという文字が記されている。LはラポストルのL、Aはシャルルさんの母、アレクサンドラのA、Cは父、シリルのCだそうだ。そして、新デザインでより強調された青は、Azulillo(アズリオ)と呼ばれるチリの花の色。アンデス山脈の高地に咲く花で、クロ・アパルタの畑にも咲く花なのだという。

高い評価にたがわぬ堂々たる味は、自然に愛され、家族が情熱を注ぎ、手作業と緻密な計算によってうみだされた結果なのだ。

これがアズリオの花。クロ・アパルタの青はこの花の色をモデルにしている