「いま、安くて美味しいワインをみつけたければコンビニに行け」と、あるソムリエが言っていた。ホントかなと思いつつ、セブンイレブンでワインを買ったら、これが驚きの美味しさだった。

コンビニワイン戦国時代

驚いた。コンビニのワインが、これほど充実していたとは。店をのぞいてみると、セブンイレブンも、ファミリーマートも、ローソンも、負けず劣らず質のいいワインが揃っている。

各コンビニが、本格的にワインに力を入れ始めたのは、2004年頃からなのだそうだが、その後の15年近くで大きく進化した。もちろん、それぞれの店舗によっても違うのだが、全体的には品揃えが充実し、扱うワインの品質も向上したと言える。

特にセブンイレブンは、オリジナルPB商品の充実ぶりに目をみはる。メルシャンと共同開発した「ヨセミテ・ロード」が登場した時は、衝撃的だったことを覚えている。税込615円でこの美味しさが味わえるのか、と。ハーフボトルやミニボトルなど飲みきりサイズが多いのも嬉しい。

ファミリーマートは、種類も価格帯も豊富で、品揃えが厚い。独自でメーカーと交渉しているのだろうか、専売商品も多く見られる。ローソンは、成城石井を傘下に収めたことで、ワインの品揃えが一気に充実した感がある。特に、成城石井と共同開発したというボルドーの赤ワイン3種はおすすめ、1000円とは思えない高級感が感じられる味わいは、まさに掘り出し物だ。

進化は第二段階へ

今回、いくつかのコンビニを見て感じたのは、コンビニワインの進化が第二段階に入ったのではないかということ。これまで、主に「低価格で美味しいワイン」というコンセプトで、コンビニのワインは進化してきた。つまり1000円未満の価格帯で各社ともに勝負してきた。しかし、このところ1500円前後の、少し高い本格派ワインも多くラインアップされるようになってきた。コンビニワインは、低価格競争からの脱却を図り始めたのだ。

今回、その味に驚かされたセブンイレブンの「ワールドプレミアム」シリーズも1380〜1780円という価格帯。厳選した原料と独自の製法で日本人に合う、ちょっとプレミアムなワインをオリジナルで造った。協力したのは、世界のワインに精通したサントリーワインインターナショナル。世界的に有名な、ワインの名産国の、その代表的なぶどう品種を使って、代表的な名門ワイナリーと共同開発した。

発売開始は、2017年の12月12日だったそう。ラインアップは、フランス、イタリア、ドイツ、オーストラリア、チリ、日本の6カ国。今後、さらに増やしていく方針だという。簡単に、各国のワインの概要を説明しよう。

セブンイレブン「ワールドプレミアム」シリーズの概要

ワールドプレミアム フランス ボルドー
フランス「カステル」社と共同開発。フレンチオーク樽で12カ月熟成させた芳醇な樽の香りと凝縮した果実味が特徴。ボルドーならではの力強い味わいの赤ワインだ。ぶどうはメルローとカベルネ・ソーヴィニヨンのブレンド。バランスがいいので、初心者はまずはこのワインから始めるといいかもしれない。いろんなワインを試す起点になりうるのではないだろうか。

ワールドプレミアム イタリア キャンティ
イタリア「カンティーネ レオナルド・ダ・ヴィンチ」と共同開発。発酵中に一部を抜き取り、果汁に対して果皮や種の比率を高める「サラッソ製法」を採用。トスカーナ地方ワインの特徴とも言える、凝縮した豊かな果実味を味わえる。10カ月の樽熟原酒を10%使用しているそうで、複雑さと重厚な風味が感じられる。飲み心地は「肉厚なキャンティ」。贅沢な味わいの赤ワインだ。

ワールドプレミアム ドイツ リースリング
ドイツ「ファルケンベルク社」と共同開発。白桃や花のような華やかな香りの白ワイン。ミネラル豊かでみずみずしい果実味が特徴だ。通常は発酵後に取り除く澱(おり)を、そのまま放置し、あえて澱とワインをタンクのなかで接触させた上で、その上澄みをすくうシュール・リーという製法を採用している。そのおかげで味わいに深みと幅が生まれ、ピュアな味わいながら、しっかりとしたコクも感じられる。

ワールドプレミアム オーストラリア シラーズ/ヴィオニエ
オーストラリア「オクスフォードランディング」と共同開発。華やかな香りとエレガントな果実味が特徴の赤ワイン。ブドウが最も新鮮なアロマと果実味を備えている夜中に収穫を行うナイトハーヴェストを採用。自然酵母を使って、シラーズとヴィオニエを混ぜてから発酵させるアロマティックメソッドという独自の醸造法で造っている。香りゆたかで調和のとれた味わいが実現した。

ワールドプレミアム チリ カルメネール
チリの「ピニャ・マイボ社」と共同開発。プラムやチェリーのような甘い香り、豊かな果実味と洗練された味わいが特徴。カルメネールは、ボルドー原産のブドウ品種だが、現在は世界の栽培面積のほとんどをチリが占めている。凝縮感のあるラベルヴァレーのカルメネールと、フレッシュでジューシーなマウレヴァレーのカルメネールをブレンドし、和食にも合うよう一般的なカルメネールよりフレッシュに仕上げた。

ワールドプレミアム 日本ワイン 甲州
「サントリー登美の丘ワイナリー」で醸造。世界に誇る日本固有のブドウ品種「甲州」を使用。ドイツのリースリングと同じ「シュール・リー製法を採用し、山梨の複数エリアの個性の異なる甲州を、複数の酵母を使って多様な原酒を仕込み、アッサンブラージュ(ブレンド)し、和食に合うフレッシュで「旨み」のあるしっかりした辛口を実現した。

コンビニワインの楽しみ方

コンビニワインの真骨頂は、自宅の近くでいつでも手軽に手に入れられること。しかもコンビニには、美味しいつまみも揃っている。ワイン同様、質の高さに定評がある、さまざまなコンビニグルメとのペアリングを楽しむのも、コンビニワインの醍醐味なのではないだろうか。

そこで、絶対にハズさない王道ペアリングをご提案。力強く芳醇な味わいの「フランス ボルドー」は、ビーフシチューとの相性は抜群だ。最近のレトルトは、かなりうまい。セブンイレブンなら「金のビーフシチュー」に電子レンジで温めたブロッコリーを加えて、生クリームをたらすと絶品だ。

「イタリア キャンティ」には「ミートソースドリア」。「ドイツ リースリング」には、野菜とプチトマトを添えた「ほぐしサラダチキン」。「オーストラリア シラーズ/ヴィオニエ」には、黒胡椒を添えた「スモークタン」。「チリ カルメネール」には「金の炭火焼きハンバーグ」。そして「日本ワイン甲州」には「おでん」。すべてコンビニで完結するペアリング。

王道だけでなく、いろいろ試してペアリングの相性を探るのも、コンビニワインの楽しみ方かもしれない。また、代表的な国やブドウ品種の特徴を知ることもできるので、このシリーズを基本に、自分の好みのワインを知るきっかけにもなる。ワイン初心者の一番の悩み=「難しくてワインを選べない」状態からの脱却を、コンビニワインは手伝うことができるようにも思う。

進化するコンビニワインは、消費者も進化させていくのかもしれない。

この記事を書いた人

WINE-WHAT!? 編集部
WINE-WHAT!? 編集部
「なんでこんなにうまいんだ!」


「フランスやイタリアの真似をして、たんにコピーをつくったところで尊敬は得られない。自然とどう関わるか」


「ワインも生きている。ブドウも土も、どれも」


「大事なのはひとの問題なんです」


「マニフィーク」



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