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来日した“ブルゴーニュの新星” オリヴィエ・バーンスタイン独占インタビュー

ベリー・ブラザーズ&ラッドのテイスティング・ランチにて

ピノ・ノワール

彼はさらにブルゴーニュの土地をどこか手に入れたいと思っているけれど、ヴォーヌ・ロマネだと1ヘクタール=7500万ユーロ、約100億円(!)ともいわれている。東京銀座4丁目は1平方メートル=5050万円、ということは1ヘクタール=5050億円なので、グッとお安いわけだけれど、当事者にとってはシリアスな問題である。

「その土地からブドウをつくって上がる利益を想像してみてください。クレイジーです。世界はDRC(Domaine de la Romanée-Conti)のワインで乱痴気騒ぎのパーティを開いているのです。1ヘクタール=100億円で、50人が手をあげた。サンキュー、払う用意があるよ、と。でも、彼らはその土地を買ってどうすればいいのかわかっていない」と嘆く。

なぜいま投資家、ワイン・コレクターがボルドーではなくて、ブルゴーニュに注目しているのかといえば、たとえばボルドーに較べて生産量が圧倒的に少ないから、ということはいえる。もうひとつの理由として、彼はこういった。

「ピノ・ノワールだと思う。ピノ・ノワールがいかに偉大か、多くのひとが知っている。よりデリケートで、よりよいピノ・ノワールが15年前につくられ始めた。改良によって、以前より、よりフレッシュになっている。だから、以前よりもたくさんのひとたちが好きになったのです」

4の皿はブリ。アラから出汁をとったソースとコショウが

メインはポークの燻製。鰹節が利いていました。

デザートその1。シャーベットかと思ったら、そうではなかった。

デザートその2。サツマイモのケーキかと思ったら、そうではなかった。

会場になったティルプス。料理はESPRITを逆読みした店名のごとくエスプリに富んでいた。

ほかの参加者のかたがたとも一緒に料理とおしゃべりを楽しんでいたら、あっという間に最後のお皿が終わり、デザートを残すのみになった。目の前に並んだグラスも空っぽになってきた。5種のオリヴィエ・バーンスタインを楽しみながら、オリヴィエ・バーンスタインそのひとと語り合っているのだから、夢のようなひとときである。

バーンスタインは毎晩、シャンパーニュを飲みながら料理をつくり始め、たいていの場合1本空けてしまい、それから自分のワインを飲む。なぜほかのワインを飲まないのかといえば、つねに自分のワインの状態を知るためだという。今日の自分のワインはどうでしたか? と聞いてみた。

「かなりハッピーです。グラスが違っていたので、比較することはむずかしいけれど。グラスは非常に重要ですから、味わうのには」

料理は? と主催者でもないのに聞いちゃうのだから図々しいけれど、プレスということでお許し願いたい。

「グッド」

赤ワインだけだったから、マリアージュというわけにはいきませんでした。

「でも、赤ワインしかつくっていないので」

どのワインが一番よかったですか?

「『クロ・ドゥ・ヴージョ 2013』。これが最初になくなりました」

この日のラインナップ。入門用と位置付ける「レ・ラヴロット」の14年。個人的に大好きだという自社畑から生まれる「レ・シャンポー」の13年。「シャルム」、「クロ・ドゥ・ラ・ロシュ」、「クロ・ドゥ・ヴージョ」はすべて13年のグランクリュ。

自分でワインをつくり始める前、理想のワイン、ベスト・ワインはなんだと思っていましたか? とたずねた。彼は「ぷふー」とため息をついた。

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