フランスの名門シャンパーニュメゾン、ドゥ・ヴノージュ。

そのなかでもシンボリックなのが、創業者一族、ヴノージュ家の名前の由来となった、スイスのヴノージュ川の清流をイメージした名称とラベルデザインの「コルドン・ブルー」(日本語にすれば「青いリボン」)と、1858年にオレンジ公に捧げてつくられたというフレスコ型のボトルがユニークな「プランス」。

今回はこのうち、「プランス ブラン・ド・ノワール」とのペアリングを、東京は丸の内、新丸ビル5Fのビストロ「eric’S by EricTrochon」に、提案してもらった。わたしたちにドゥ・ヴノージュが、そしてプランスが描き出す物語



ドゥ・ヴノージュのシャンパーニュは、WINE WHAT online shopでご購入いただけます。

あわせた一皿は「ホタテのミ・キュイ」。ブラン・ド・ノワールのほのかに感じる甘み、心地よく複雑な余韻の酸味と、焦がしバターをまとった絶妙な食感のホタテの甘みと華やかさが絡み合う。皿を鮮やかに飾るゆずのペーストは、ブラン・ド・ノワールの心地よい苦みをより楽しいものにしてくれる。M.O.F受賞のエリック・トロションが創り出す「今のパリを切り取った日本のビストロ」というコンセプトから、キクイモのチップスや天草の海の旨みを感じる塩などが使われているが、これがまたよくあう。

16時、夕暮れを愛でるビストロで

21時、心落ち着くテーブルで

シャンパーニュは祝祭の酒だ。宴の乾杯、勝者の歓喜のプロローグ、華やかな夜の始まり。オーケストラにオペラ、最近でいえば人気DJが高らかにヒットするEDMの世界。確かに多くの人が抱くイメージだろう。

しかし、シャンパーニュが祝福するのは決して派手な場面ばかりではない。いやむしろ、静かに自分の歩みを振り返る時、しみじみと今日の幸せに感謝する時に、シャンパーニュは、シャンパーニュという酒そのものの魅力を垣間見せ、心と体を心地良さで包んでくれる。

『ドゥ・ヴノージュ プランス ブラン・ド・ノワール』の、落ち着きと美麗さに粋が同居する特徴あるボトルを傍らに置き、グラスに注ぎたくなるのは、まさにそんな時だ。

1837年創立、高品質なシャンパーニュ造りを標榜し、歴史を重ねてきた由緒あるメゾン『ドゥ・ヴノージュ』が、自らの出発点、そしてシャンパーニュという素晴らしきワインの歩みに対する敬意から生み出したシリーズ『プランス』。プランスはフランス語で王子という意味だが、このシリーズの3つのアイテムは、王子に例えればキャラクターの違う3人の王子。コート・デ・ブランのグラン・クリュとプルミエ・クリュのシャルドネから生まれた『ブラン・ド・ブラン』は、いつまでも無垢なフレッシュさを忘れずに、成長とともにエレガントさを併せ持つようになった好青年。『ロゼ』は、活動的で飾らない笑顔が魅力。外交の場にも精力的にその笑顔で飛び出す若き情熱的な王子……とイメージは膨らむ。

ユニークなボトルは、1800年代の風雅へのオマージュ。狩猟に出かけた若い王族たちがシャンパーニュを定番的なボトルで飲むことを嫌ってカラフェで楽しんだという逸話からの発想。伝統を重んじながら風雅を楽しむというドゥ・ヴノージュの精神がここにも。通常のフォルムのボトルは、ドゥ・ヴノージュの描くフレッシュさとエレガントさのバランスを楽しめる定番キュヴェ『コルドン ブルー ブリュット セレクト』。

そして、今日。自分の幸せを静かに、ゆっくり祝う時間を共にする王子は『ブラン・ド・ノワール』だ。モンターニュ・ド・ランスのグラン・クリュとプルミエ・クリュのピノ・ノワール80%、残りの20%を遠く南に下ったコート・デ・バール地区のレ・リセから。個性が大きく違う2つのルーツから生まれ、それぞれの個性をしっかりと表現しながらも、融合することによって生まれる奥行きと複雑さを持つ。爽やかなフレッシュさと豊かな果実味は好青年の表情だが、ほろ苦さと余韻に現れる旨みには、好青年の裏側にある人知れず経験してきた重みやセンチメンタルさも感じさせる。確固たる骨格にしなやかでタイトな筋肉という締った飲み口もいい。

ハードな出張が終わり本拠地に戻ってきた夕暮れのビストロ。情熱を傾けたプロジェクトの終わり、しみじみとその日々を振り返りながらの夜。まず、自分へのご褒美の一口目で少し気持ちを解く。そこからゆっくりと時間をかけて楽しんでみる。次第にブラン・ド・ノワールの温度が上がってくると、その個性をさらに感じることができる。最初の一杯で終わるシャンパーニュではない。次第に自然にボトルが空いていく。そこに必要なBGMは、豪奢なものでもリズムの早いヒットチューンでもなく、隣のテーブルの幸せな会話やカトラリーが楽器のように刻む軽快な音がいい。

経験を積んでこそ見せられる笑顔。ハードな日常の後でこそ得られるささやかな幸せな時間。一人で、大切な友人や家族と。今宵はゆっくり。

eric’S by EricTrochon
(エリックス バイ エリック トロション)


〒100-6505 東京都千代田区丸の内新丸の内ビルディング 5F
電話|03-3212-9305
営業時間|11:00~23:00



ブラン・ド・ノワールとのペアリングの提案をいただいた『eric’S by Eric Trochon』の中島大輔氏。

「爽やかなのに複雑さがある。温度が次第に上がっていったところにも魅力が感じられます。1本飲みたいシャンパーニュですね」。

本文の「夕暮れのビストロ」は、中島氏の見事なペアリング提案と、東京駅丸の内口の借景も楽しめるこの店の雰囲気から想起した。

お問い合わせ先
富士貿易株式会社
URL|http://www.fujitrading.co.jp/ihq/
電話|045-622-2989

この記事を書いた人

WINE-WHAT!? 編集部
WINE-WHAT!? 編集部
勝沼の甲州手積みしてこれでロゼワインつくろうぜ

果皮ごと絞ってみたけど白になっちまう

(中略)

I say だいたい適当でマセラシオンは

だいたい適当であざやかな

だいだい色でできたのはオレンジワイン