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いまもっともトレンディなワイン「ヴィーニョ・ヴェルデ」7カ所のワイナリー巡り

ポルトガルのミーニョ地方に行ってきました

最近、日本のワインラヴァーのあいだでも注目を集めているポルトガル生まれのワイン、「ヴィーニョ・ヴェルデ」。完熟前のブドウで仕立てられる、フレッシュ&ライトという当世風の味わいが世界中で再発見されて人気を呼んでいる。そのふるさとミーニョ地方の7つのワイナリーを巡ってきた。

 
 

リマ川の河口に広がる街ヴィアナ・ド・カステロ。大西洋の冷気はリマ川の添いに内陸部へと入り込む。この大西洋の冷気がヴィーニョ・ヴェルデのキリッとした酸味を育む。

緑のワイン

ポルトガル第2の都市ポルトで大西洋へと注ぐドゥロ河流域からミーニョ川がボーダーとなるスペイン国境まで、ポルトガル北部の大西洋岸沿岸部をミーニョ地方と呼ぶ。

イベリア半島の内陸部は乾燥した気候で、夏になると草は枯れ赤茶けた大地が灼熱の太陽にさらされる。ミーニョ地方は違う。年間降水量が1200mmと多い。たとえば、日本のワイン産地・勝沼のそれは1100mmで梅雨と秋の台風シーズンの降雨量が突出している。

一方、ミーニョ地方の雨季はブドウの収穫を終えた晩秋から春先にかけてで、ブドウの成長期の雨量は少ない。それでも夏になると野草が茂り、木々が濃い緑の影をつくる。ミーニョ地方は緑豊かな大地なのだ。

それゆえ、この地方のワインは「ヴィーニョ・ヴェルデ(緑のワイン)」と呼ばれる。

加えてヴィーニョ・ヴェルデはフレッシュさ、若々しさを楽しむワインなので、「緑」には「若さ」の意味合いもある。よく「白ワインの緑かかった色合い」からという説明がされているが、それは正しくない。ヴィーニョ・ヴェルデには赤もロゼもあるのだから。

ミーニョ地方におけるワインづくりの歴史はローマ時代に始まり、百数十年前までは赤ワインが主力だった。赤は労働者のワインとされ、農民やポルトの港湾労働者などが重労働を終え、ほっと一息つく際に飲まれた。やがて交通網が発達し、飲みごたえのある赤が他地方から入ってくるようになる。

一方、清涼感溢れる白はポルトガルのほかの地方にはないものだった。それゆえ、白の生産比率はどんどん高まってゆき、今では全体の8割強が白。ヴィーニョ・ヴェルデといえば、白ワインのことだと誤解されるほどになっている。ポルトの街中の庶民が集う食堂でテーブルにドンと出されるカラフの白はヴィーニョ・ヴェルデだ。

古くから親しまれているヴィーニョ・ヴェルデだが、今最もトレンディなワインのひとつでもある。

近年、ワインのトレンドは重厚さから軽やかさへ、カベルネやシャルドネといったインターナショナル品種からローカル品種へと移ってきた。アルコール度数が白でも13%、赤では15%を超えるものがでてきたなかで、ヴィーノ・ヴェルデは10%から高くても12%台である。ミーニョ地方の原産種を使い、キリッとさわやかな酸をもち、味わいは軽快なで、微発泡のものも多い。

まさにトレンドの先端を行くワインなのである。

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