いよいよ春爛漫。お花見の季節なうです。今年はどんなワインで盛り上がりましょうか? 街のパーティワイン研究家NaoKINGが考察しました。

ロゼがテッパン?

お花見ワインのド定番といえば、ロゼ。なかでも、ロゼ・シャンパーニュはプレステージ&ラブリーな感じがして、花見の乾杯アイテムとして間違いのない選択です。王道と言ってもよいかもしれません。

だけど、このコーナーではもうちょっとひねりをきかせて、その場に話題をもたらすようなワイン選びをしたいところです。

満開の桜の艶やかな姿。あっという間に散っていく潔さと儚さ。そのすべてに人々は魅了されます。桜は日本人だけのものではなく、世界中で愛されています。

そこで今年の花見には、桜の名所のある国のワインを飲んでみるのはいかがでしょうか? ワイン生産地の近くに桜の名所があるならばそれが一番気分なのですが、そう簡単でもなさそうなので、国レベルでお許しをいただき……。

というわけで、今回は、桜の旬に、旬な世界のワインを! なんてテーマで書いてみます。今回、麻布十番のフレンチレストラン&ワインバー、「ルエ ヴェル ロール(La Ruée vers l’or/フランス語で「ゴールドラッシュ」の意)」のソムリエの千葉さんと、西麻布のクリエイティブイタリアン「サッカパウ」のソムリエの梁さんにセレクトしてもらったので参考にしていただければ、と思います。






ルエ ヴェル ロールのソムリエ 千葉和外さんのセレクト


左から U.S.A./カリフォルニア 
Alexander Valley California
Roederer Estate “Quartet ROSE” NV

U.S.A./ワシントン
Red Mountain Washington
Hedges “Red Mountain Blend “ 2012

U.S.A./カリフォルニア(オレゴン)
Dundee Hills Oregon
Eyrie “Rosé of Pinot Noir” 2015

U.S.A./カリフォルニア(オレゴン)
Domaine Drouhin “Laurène”
Pinot Noir Dundee Hills 2012

U.S.A./カリフォルニア(ペタルマ・ギャップ)
Keller “La Cruz”
Sonoma Coast California Pinot Noir 2013


ルエヴェロールの千葉和外さん。カリフォルニアワインのスペシャリスト。マスターソムリエにチャンレンジする数少ない日本人ソムリエでもある。

La Ruee vers lor(ルエ ヴェル ロール)
東京都港区南麻布1-5-4 NKCビルディング2F
tel. 03-6453-9274
営業時間 18:00~25:00
定休日 日曜・第一月曜






旬はペタルマ・ギャップ

まずは、日米友好の証として1912年に日本から寄贈された桜が咲き誇るワシントンDC。ポトマック河畔タイダルベイスンの桜並木では、毎年春の風物詩として「全米桜祭り」も開催されています。

アメリカにはほかにも、東海岸ではニューヨーク、ボストン、フィラデルフィアといった都市に桜の名所があり、ワイン生産地にも近い、西海岸のサンフランシスコやワシントン州シアトル、オレゴンにもあるようです。

いま旬なアメリカワインというと、2017年12月に新しくAVA(アメリカ政府公認ブドウ栽培地域)に認定された「ペタルマ・ギャップ」のワインでしょうか。

サンフランシスコの北、ソノマ・コーストAVAの南部が切り取られて、ペタルマ・ギャップAVAとなったわけですが、太平洋からの海風の影響を受けるこのエリア、規定要件に初めて風速が入ったことでも注目されています。冷涼な気候に強いピノ・ノワールをメインにシラーとシャルドネを産出。冷涼な気候ゆえに、ぶどうの成熟はゆっくりで、低アルコール、しっかりした酸といった特徴を持っていて、アメリカワインの新しい側面を見せてくれそうです。

桜とペタルマ・ギャップ、このネタとそこからの広がりでワイン1本軽く空きそうな気がしませんか?

アメリカのお隣のカナダにも、バンクーバーをはじめとして、有名な桜の名所があります。カナダのワインといえば、もともと甘口のアイスワインが有名ですが、最近では温暖化の影響(?)や栽培・醸造技術の向上(?)で、いわゆる辛口のワインにも注目が集まっています。

東側のオンタリオ州ナイアガラ周辺では、リースリング、シャルドネ、カベルネ・フラン、西側のブリティッシュ・コロンビア州のオカナガン周辺ではピノ・ノワールが注目すべき品種になっています。花見のしめワインに甘口のアイスワインもよし、また、冷涼な地域の軽やかなピノ・ノワールもよし、花見会にぜひ注目のカナダワインも加えてみてください。






サッカパウのソムリエ 梁世柱さんのセレクト


カナダ
Norman Hardi Winery & Vineyard
Pinot Noir 2016


ドイツ
Enderle & Moll
Pinot a Troia 2015


イギリス
Boot Hill Vineyard, Kent
Gusbourne Pinot Noir 2014


S’ACCAPAU(サッカパウ)  
東京都港区西麻布1-12-4
Nishiazabu1124ビルB1F
tel. 03-6721-0935
営業時間 18:00~翌3:00(L.O.翌1:00)
定休日 日曜 
サッカパウのディレクターソムリエ、梁世柱さんは世界のトップソムリエ50にも選ばれている。梁さんのペアリングでディナーを楽しんでほしい。






旧大陸は百花繚乱

フランスはパリのセーヌ川沿いや、エッフェル塔そばのシャン・ド・マルス公園などで散歩がてらに美しい桜を見ることができます。パリの散歩道をイメージしながらのロゼ・シャンパーニュ。グラスに花びらが浮かんで ……なんてちょっと素敵な光景ですね。

ドイツには、ハンブルグ、アルスター公園には日本人の会による寄贈の桜があり、ベルリンには、ベルリンの壁の跡地に桜並木があります。

これはベルリンの壁が崩壊したときに、日本が世界に声がけして集まった募金で東西冷戦を象徴する場所のひとつである「グリーニッケ橋」のたもとへの2本の植樹から始まり、最初に壁が開かれた「ボーンホルマー通り」に最後の木が植えられるまでに20年の歳月を費やして、9,000本植えられたそうです。日本人として、桜と先輩たちに感謝したい気持ちになります。

ドイツといえばリースリングに代表される、白ワインが代表選手ですが、最近では冷涼な気候を活かして、きれいなピノ・ノワールが作られています。

イタリアには、ローマの中心部から地下鉄で20分ほど離れたところに「E.U.R.(エウル)」という地区があって、そこに「日本の散歩道」と命名された桜並木があります。こちらの桜は、1959年に日本からプレゼントされたものだそうです。ここでワインの話題となればローマの属するラツィオ州のワインをチョイスしたいところです。

世界の平和を思いながら、それぞれの国と自分の国や自分とのつながりに思いをはせながら、様々な国ワインを飲む。これもまた、ワインラバーに与えられた楽しみではないでしょうか。

スペインのエストレマドゥーラ州のヘルテ渓谷では、春が到来するとなんと200万本以上の桜が咲くそうで、緑色の丘に白い桜が咲き乱れる風景はまさに圧巻だそうです。このヘルテ渓谷よりはかなり北側になりますが、スペインには、今、世界が注目する産地がたくさんあります。ガルナッチャに代表される新生代の美しいスペインワインも花見にはお似合いのワインになるでしょう。

かの大英帝国の首都ロンドンには公園が多いこともあり、様々な種類の桜をいろいろな場所で見ることができます。

イギリスといえば、最近スパークリング・ワインで最も注目を集めている国といっても過言ではないでしょう。ナインティバー、ハンブルドンなどはすでに皆の知るところですが、シャンパーニュのメゾンも注目していることから、イギリスでのスパークリングの生産はこれからもますます広がるであろうと予想されます。

梁さんのセレクトはガズボーン。言わずと知れたイギリスの高品質のイングリッシュスパークリングと、スティルワインの指標となるワイナリーからあえてのピノ・ノワールです。これもまた花見向け。第一次の旬として、今年の花見にいかがでしょうか?

では、最後に日本を代表する桜の名所はどこか?

この難問への答は、一番好きなワインは何ですか? に等しい。答を無理やり探すのは、桜やワインを前にいかにも無粋な感じもする。
桜を愛でる、旬を味わう。その時の傍らに旬なワインのネタを添えて……そんな気分で今年の桜を楽しみたい。

あっ、それと大事なことをひとつ。この時期、夜はまだ寒いので、しっかりと防寒対策をしてゆっくりお花見ワインを楽しんでください。

この記事を書いた人

WINE-WHAT!? 編集部
WINE-WHAT!? 編集部
勝沼の甲州手積みしてこれでロゼワインつくろうぜ

果皮ごと絞ってみたけど白になっちまう

(中略)

I say だいたい適当でマセラシオンは

だいたい適当であざやかな

だいだい色でできたのはオレンジワイン