• TOP
  • #WINE
  • ペサック・レオニャンのベスト11シャトー巡り(後編)

ペサック・レオニャンのベスト11シャトー巡り(後編)

通好みのボルドー内の人気産地に行ってみませんか

6. Château Bardins
シャトー・バルダン

試飲込みの見学はひとり7ユーロ、未成年にはブドウジュースを用意。要事前予約。
Chemin de la Matole 33140 Cadaujac
châteaubardins.fr


昔ながらの木造平屋セラーで
心あたたまる時間を過ごす

オーナーのステラ・ピュエルさんは、谷崎潤一郎をはじめ日本文学が好きな親日家。「以前、着物を着た日本人グループが来訪してくれました」とうれしそう。観光客の訪問は随時大歓迎だが、人とのつながりを大切にするのはワインツーリズムに限らない。

「このあたりの小学生は、秋になるとブドウ収穫体験をします。その経験が愛情となって、将来ワイン産業が盛り上がってくれる」と語るステラさん。忙しいときは近隣の人に声をかけて雇用促進に努める、空き部屋を醸造学部の学生に貸し出す、など「いろんな方をシャトーにお招きしたい」との思いにブレはない。

所有地24ヘクタールのうち、畑は10ヘクタール。ほかは森や沼地をそのまま残し、野生動物の生息域に。近隣は開発が進み、敷地から一歩離れると住宅がびっしり建ち並ぶ。先祖代々の豊かな自然は、今や貴重な存在だ。

ワイン造りについて尋ねると、「必要なのは忍耐」とひとこと。シャトー運営は、年によって収益に波がある。実際、2017年は霜の被害で収穫量が50%減に。それでも、牛を飼うなど事業に多様性を持たせながらなんとか続けてきた。

「大規模なシャトーもあれば家族経営の小さなシャトー、ネゴシアンもある。誰もが居場所を見つけられるのが、ボルドーです。うちなんて小さいシャトーだから、5時きっかりに作業が終わらず、夜も煌々とライトが付いてたりするんですけどね。でも、その明りを見ると、『生活を営んでるなぁ』って実感が湧きますよ」

ワインとほっこりした対話が堪能できるシャトーである。

赤ワインはタンニンが溶け込むまで時間がかかるので、現行リリースは2013、2014年だ。なにげない調度品もセンスがよく、試飲時、飲み残しワインを捨てる器として素敵な花瓶を用意してくれた。

敷地内ではブドウ以外にも果樹が茂り、セラー内の販売コーナーにはさくらんぼのオードヴィー漬け、ジュース、ジャム、はちみつなど自家製グロサリーが充実。

この記事を書いた人

WINEWHAT
WINEWHAT
YouTubeInstagramでも、コンテンツ配信中!
フォローをお願いいたします。

Related Posts

PAGE TOP