7. Château Carbonnieux
シャトー・カルボニュー
エリアを包括して活動する
名士を代々輩出の貫禄はさすが
シャトー・カルボニューの歴史がスタートしたのは、13世紀。シャトー創立者の家名がカルボニューであることから名づけられたが、長い歴史のなかでオーナーは次々と交代し、一時はベネディクト派修道院の所有に。セラーに僧のブロンズ像が鎮座していたり、セカンドワインの名前が「クロワ(十字架)・カルボニュー」だったりするのは、その変遷に由来する。
1956年からはペラン家の所有となったものの、18世紀に「赤はオー・ブリオン、白はカルボニュー」と称えられたその高い品質は健在だ。もちろん今は白だけでなく赤の品質向上も目覚ましく、どちらもグラン・クリュ・クラッセに認定されている。さらには近年登場したセニエで造られるロゼがチャーミングで見逃せない。
セラー改修や栽培法見直しへの積極的な姿勢が認められ、先代オーナーはユニオン・グラン・クリュ・ボルドーやクリュ・クラッセ・デ・グラーヴの代表として活躍した名士に。そして現在は、共同オーナーのひとりであるフィリベール・ペランさんが、2017年よりペサック・レオニャン生産者協会の会長に就任している。
ただこの御仁、すまし顔で「サラダなんて食べなくても、赤ワインを飲むほうが健康にいいよね~」なんてセリフをサラッと言いのける。単に野菜嫌いなだけかもしれないが、けして堅物の優等生タイプではないフィリベールさんなら、今後ペサック・レオニャンに予想外の風を吹き込んでくれそうで楽しみではある。