ワインを楽しむには温度や湿度など保管状況が重要だ。ワインセラーはそのための強力なツール……なのだけれど、何をポイントに選べばよいのだろう。納得の1台に出合うために押さえておくべきツボを恵比寿「ワインマーケットパーティー」店長でソムリエの沼田英之さんにうかがった。

 

取材協力:WINE MARKET PARTY(ワインマーケットパーティー) 
世界各国のワインをはじめ、ワイングッズやパーティー用品が豊富なお店。もちろんセラーも。住所:東京都渋谷区恵比寿4-20-7 恵比寿ガーデンプレイス B1F tel.03-5424-2580 www.partywine.com



12本用でいいと思ったら24本用を

そもそも、なぜワインセラーが必要なのでしょう?

「一番の理由は温度です。ワインは高温にさらされると劣化してしまうので低温で保管する必要がある。そのためにセラーが必要なのです。

意外に気づかないのが、飲んで美味しい温度と保管に適した温度は同じではないということです。冷やして飲むスパークリングや白も、保管するときは赤ワインと同様に14~18度が最適です。冷蔵庫の温度は飲み頃に冷やすにはいいのですが、保管では温度が低すぎるんです」

ワインの劣化原因は暑さだけではない。低すぎる温度で長期間保存すると、酸が強く甘味が感じられない固い味わいになってしまう。冷蔵庫でワインが保管できないのはそのためだ。

ただし、2週間程度の短期間なら問題はない。そんなときは、乾燥を避けるためにコルク部分をラップで巻き、新聞紙で包んで野菜室を利用する。

「コンビニで買うようなデイリーワインだって、良い状態で飲めばより美味しい。ワインにとって万全のコンディションをキープすることがセラーの役割です。高価なワインを熟成させる目的だけでなく、普段使いしてみると、その違いがわかります」

では、数あるワインセラーの中から自分にあったものを選ぶには?

「最初に設置場所を決め、収納本数や用途などの条件で絞っていくといいですね」

まずは直射日光が当たらないスペースを確保し、サイズを測る。ここで注意すべきは、収納能力だ。

「購入後の後悔理由ダントツ1位が『収納本数の誤算』です。ワインが増えて入りきらない、一回り大きいものにすればよかった! というお客さまの声がものすごく多い。後悔しないためには、12本用でいいと思っていらっしゃるなら、24本用を選ぶべきです。そのほうが間違いありません」

日本の住宅事情に合わせた省スペースのスリムタイプは人気だが、日常的にマグナムボトルや日本酒の一升瓶の保管が必須な場合、購入時にそれらが収納可能かを店頭でチェックしておくといい。

「もちろん、カジュアルに毎日飲みたい派で自宅在庫回転率が高い方なら12~15本用でも十分です。優先事項は何かを整理しておくのがポイントです」と沼田さん。

もし、リビングなど目につきやすい場所に設置するなら、少し価格は上がるけれど、デザイン性の高いガラス扉タイプがオススメだという。インテリアとしてもリッチだし、中身が見える分、来客とのお話のきっかけをつくってもくれる。

長期熟成が目的であれば、温度は14~15度、湿度は75%くらいが理想とされる。多くのワインセラーは保湿機能はあっても、自動的に湿度を引き上げる調節まではしてくれない。なので、内部に温度&湿度計を置いておき、湿度が足りない場合は水を含ませたスポンジを入れるなどの工夫をするといい。ワインセラーに入れておけば絶対安心、というものではない。

とはいえ、沼田さんはこんなふうに締めくくった。

「ワインを飲むときに大事なのは、誰と飲むか? ということです。それ以外の細かいことはあまり気にしない(笑)。ただ、カジュアルなものでも、セラーでちゃんと管理するとより美味しいことが必ずわかります。そうすると、ワインがもっと楽しくなりますよ」

憧れだけれど、ちょっと勇気のいるワインセラーの購入だけに後悔は避けたい。「こんなハズじゃなかった!」と後で泣かないためにも、ぜひ沼田店長のアドバイスを活用してください。

この記事を書いた人

WINE-WHAT!? 編集部
WINE-WHAT!? 編集部
雨上がりの朝、届いたワインの雑誌。

焼き鳥とワインが結婚するってホントですか。

WINE-WHAT!?の表紙は笑っているだけ。

赤、白で、今回ロゼはないけど、

サンジョベーゼとかアシルティコとかが、

つくねとかねぎまとかに合わせて踊りだす。